2009年10月31日

今日のつぶやき

 最近Twitterをしていると、わずか一日のうちに、実に多くの気付きがあります。自分と興味の範囲が重なるような方々をフォローしていると、重なる部分はもちろん、それよりもさらに広い範囲の情報が集まるので、実に刺激があるのです。

 それこそ、ブログのネタになりそうな話が一日に何個も... とても一つ一つは紹介しきれないので、今日のこれまでのtweetを時系列にならべてみました(thanks to twtr2src)。あまりに私的な「つぶやき」は外しましたが(笑)、こんなことに気付く一日だったというのがわかります。

#Twitterをご存じない方のために
文頭からRTという文字までが僕の発言です。


Sat, Oct 31


  • 22:46  「もし、アフリカの発展を考えていただけるなら、ODAではなく、民間企業から投資のほうが、日本にとっても、アフリカ諸国にとってもいい影響があると思います。」ゾマホン http://bit.ly/4wb8ut

  • 22:36  事故は必ず起きるRT @imaitko: アメリカでは過去に核燃料物質輸送中に「トラックと馬との衝突事故」があった…「核燃料物質等の輸送および貯蔵中の事故」 http://ow.ly/xYah 同「世界における核燃料物質の主要な輸送事故」 http://ow.ly/xY4K

  • 22:34  RT @shigex_yokohama: 【細胞の入れ替わり】脳は、早い成分で1ヵ月で約40%、遅い成分でも、1年で入れ替わるようだ。胃の粘膜は3日、肝臓、腎臓はほぼ一ヶ月、骨が2年半。意外と早く入れ替わってしまうようだ。いかに食するものが大事かと言う事だ。

  • 21:29  かえってわからない^^;RT @momonico: 物質名というのは、たとえば植物油脂なら「パーム油」だけではなくパルミチン酸とかオレイン酸とかもすべて表示するということですか? RT @shigex_yokohama: 物質名が全てわかればまだしも、一括表示は併記にすべき。

  • 21:15  御意!RT @shigex_yokohama: 物質名がわかればググれるが。一括表示じゃどうしようもない。RT @adanao 消費者は中味を知らされていない。RT @momonico: 消費者のニーズにも原因はあるかと。

  • 21:13  すご!RT @togura04: RT @all_about_warm: UNEP has just announced that a one-time train link between Kyoto and Copenhagen http://bit.ly/1gpSlS

  • 21:11  RT @northfox_wind: 現状では風力発電、太陽光発電だけでは日本の全電力を賄うところまで簡単にはいかない。地熱発電に思いっきり気合いを入れるしかないかもしれない。原子力と同じく、安定したベースロードとなりうる。大規模地熱+再生エネルギー+調整電源のベストミックスも

  • 21:09  Because I am a Girl is Plan’s campaign against gender inequality & poor and to promote girls' rights . http://bit.ly/4hhOmV #csr

  • 18:12  なるほどRT @shigex_yokohama: RT @kirghisia 「経団連が消費税アップを主張するのは、それが法人税減税や高額所得者減税の財源になることだけではなく、輸出企業の利益...トヨタは...消費税を1円も納付しないどころか、...億円もの還付を」

  • 17:44  でも消費者は中味を知らされていない。RT @momonico: 消費者のニーズにも原因はあるかと。 RT @adanao: RT @shigex_yokohama: 消費者より、製造者や提供者の都合が優先している事は、変えなければならないと思う。RT @cruyf

  • 17:41  まじ? RT @shigex_yokohama: そういえば、ハイキングの為にコンビニでおにぎりを買って、ひとつ残したのを忘れて、カバンにしまったまま、押入れにひと月。つぶれていたけど、しろいおにぎりだった。腐っていない。驚き呆れました。

  • 17:40  RT @minori_okd: 映画〜バングラデシュの衣料工場で働く若い女工たち http://bit.ly/2xblPX

  • 17:39  良い発想! RT @minori_okd: 30アンペアで電気代契約している人が身近に2人いた(しかも単身じゃなく家族世帯!)ブレイカーが落ちる=電気使いすぎのサインを楽しんでいるとのこと。真冬も30アンペアで行きますよ!http://bit.ly/1zQumD

  • 17:38  RT @shigex_yokohama: 千葉の知人が、季節性インフルエンザのワクチン投与の料金が¥2100で出来たと聞いた。横浜は¥3000〜¥4000.先進各国は無料。せめても、入り値は同じだろうから、こんなんで儲けるなといいたい。まあ、政府が他の先進国並みに、無料にするべき

  • 17:37  便利だから?RT @shigex_yokohama: 赤色X号などタール系色素には化学構造上、すべて発がん性や催奇性の疑いがあり、北欧では禁止されているタール色素が、日本では11種も使用されているらしいが、何故でしょうか?

  • 17:36  ゼロからでなくてもいいんだ RT @DruckerBOT: イノベーションの能力とは、一見関係のないものを一つの全体として見る能力である。

  • 17:36  RT @CAPPAYA: RT @ramnetj 埋め立て阻止行動を続けている上関原発を考える広島20代の会の岡田さんたちが、LEDライトや緊急保安炎筒などの物資の提供を求めています。http://bit.ly/4p1AN5

  • 17:34  絶対泊まりたくないRT @kotarotamura: アポイント前の書類整理しているが、ホテルそのものがサーキット内にあり、爆音とブレーキ音で集中できず。F1ファンにはたまらないでしょうね。ぜいたくな話でしょうね。でも集中したい。ホテルのどこに行っても爆音。ホテル出ても爆音。

  • 17:33  RT @CAPPAYA: 権力側と戦う者が、いつも被害者の言葉を使う。そこだな、どうも苦手なとこは。相手を卑怯だとか、姑息だとか言ったり、被害者になってるうちは、その相手を認め、パワーを与えていることだ。言葉の使い方で、状況を変えることができる部分がある。

  • 17:32  RT @shigex_yokohama: 確かにそうなんだが、消費者より、製造者や提供者の都合が優先している事は、変えなければならないと思う。毒で無くも緩やかに体に残留する物は排除したい。RT @cruyf @shigex_yokohama 加工食品は何だってそんなもんw

  • 17:31  そういう街を応援しましょう。RT @shigex_yokohama: でも、元町には沢山ベンチがあるけど問題ないと思う。RT @yokoaoki それいい! あーでもホームレスがとか言う人がいるのか(淋)。RT @adanao: 「ベンチのある街を」プロジェクト

  • 17:31  たしかにw RT @yokoaoki: RT @YxSxFxSx: 人に注意する前にまずパンツをはいた方がいいと思う。 http://twitpic.com/nmymu

  • 17:30  でもそれでは筋が通らないのでは?RT @shigex_yokohama: 1500兆円の眠れるお金を誘導するしかないでしょう。RT @adanao 既に破綻 RT (cont…

  • 17:27  ネットのFAX送信サービスは使えないのでしょうか? RT @fuda: 複合機が故障したのでFAXを家から送信できないことに気づく。

  • 17:22  バードライフやるなぁ。RT @fuda: ファンドレイジングの方法として参考になりますね。→河野太郎公式サイト | オークション http://bit.ly/4DtmnG

  • 17:21  RT @CAPPAYA: 私は、中電より、反対派の人達が変わっていくべきだとずっと思ってる。何かを本気で動かそうとしたら、まず自分を省みて、そこから変えていくしかない。私は、アメリカにいるから、そこへいけないけど、変えることができるのは、まずこの自分だ。そこから始めた。

  • 17:17  いいね。RT @CAPPAYA: 欲の代わりに使命を持つ。RT @atoutit ただ、欲がないと走るエンジンがなくなる。ずっとクリープ現象みたいな。RT @CAPPAYA: 欲と不要なプライドを捨てるだけで、生きるのはかなり楽になる。

  • 17:15  RT @CAPPAYA: こういう反対派の言動や行動を見ていると、北風と太陽の話を思い出す。どんなに正しいことだとしても、攻撃している限り、北風にしかなれない。祝島は太陽にならなければ。

  • 17:14  ほほ〜RT @fuda: こちらは京都の神社とお寺に。→電気自動車用充電スタンド設置 上賀茂神社と大覚寺に:京都新聞 http://bit.ly/3SNDzz

  • 17:14  ほーRT @fuda: 毎日新聞社のグループ会社「毎日ビルディング」が運営するパレスサイドビルに設置とのこと。充電設備も急速に進むかも。→電気自動車:急速充電器、地下駐車場に設置−−千代田・パレスサイドビル(毎日新聞) http://bit.ly/4lWLdn

  • 17:11  RT @CAPPAYA: 祝島で育った父は、しごく健全な思考の持ち主であった。「誰かがやらんにゃいけんと思ったら、自分でやる」ー海水浴に行くと、いつもひとりでゴミ拾いをしてた。

  • 17:09  こういう視点重要です。RT @Sophie525: 忘れないうちに一時帰国の感想を書いてみました。RT フランスの日々: 日本一時帰国の雑感「日本は絶えず進化している」http://bit.ly/bsSZj

  • 17:07  RT @kotarotamura: 駐アブダビ日本大使館ダメダメ・・・アブダビ政府系ファンド関連のアポ満足に取れない。自分で個人的に取ったら入った。税金で給料もらってアブダビで何やってんのか?外交力強化とのお題目で自民政権時代相当予算つけたのに・・

  • 17:05  RT @suzukinao: あとで読もう RT @kazunorimaki: http://bit.ly/UAdo5 グリーン投資は、化石燃料産業への投資より、雇用創出効果が4倍あるというレポート。こういう仕事はいいな。

  • 17:04  Green investments better for job creation than fossil fuels RT @suzukinao: RT @kazunorimaki: http://bit.ly/UAdo5

  • 12:05  RT @greenzjp: UPDATE !: 飢餓と肥満を同時に解消?ダブルハッピーを実現する「100万人ごはんキャンペーン」が始動! http://bit.ly/2iuUec ( @greenzcco )

  • 12:03  御意RT @shigex_yokohama: RT @sawa3 素晴らしいです。仏&独の年間授業料5万円とかに比べたら、日米の教育費は、異常事態です。。教育は経済事情より意欲や可能性を優遇する制度がもっと必要と感じます。国作りは、まさに人作りですから。

  • 12:02  自分たちが国の政治を作るんだということRT @TokikoKato: 国の政治なんてあていならない,と思っていた時代には、諦めていた部分もあった.でも、今は、絶対間違って欲しくない,と、みんなが思ってるんだと思う.喧々ガクガクやりましょう‼

  • 12:02  「ベンチのある街を」なんて、プロジェクトになりそうw RT @shigex_yokohama: ベンチが無いので街中で座れるスポットを探す楽しみができた。今も、鉄棒よりふたまわりぐらい太い歩道の内側にあるフェンスに座ってツイットなう。

  • 12:00  お疲れ!RT @saul_ueda: 大変だった〜、ここまでくるのに! RT @thinktheearth: [お知らせ] 携帯アプリ[live earth]が主要3キャリアに対応 http://bit.ly/fjrxI

  • 12:00  RT @saul_ueda: RT @thinktheearth: [地球ニュース] フィリピン台風16号災害、パヤタス地区の復興のかたち vol.3 中川 真琴@マニラ・フィリピン http://bit.ly/NdHEI

  • 11:59  既に破綻 RT @shigex_yokohama:もう民主だ、自民だとか言ってる場合では無くなってるはず。「給付確定分720兆に対して積立金は170兆程度、実質550兆ほど“債務超過”状態であるという事実だ。」http://bit.ly/3uN80f @Seji_Now

  • 11:57  それいいRT @shigex_yokohama: 道路工事でもどんな工事でも市民が内容を確認チェックして、無駄なら中止もできる様に、工事の場所にURLの表示を義務付けして、目的等詳しく告知する法律を作って。RT @mametaro 無駄な工事で渋滞、生産性低下じゃ意味が無い。

  • 11:56  そう、上関原発を作るためにも税金が投入されている!RT @shigex_yokohama: いい加減つくるのやめたら。税金いくら使ってるのか?RT @adanao RT @greenpost: 「原子炉着工時期変えず」 http://bit.ly/1L1PTT ;

  • 10:32  RT @shigex_yokohama: 近くで道路補修工事をやっている。どうみてもきれいな道路を掘り返して、またアスファルトで補修してるだけにしか見えない。建設会社に税金ばら撒くなら、何でも直接個人に還元するほうがいい。工事やるなら、電線を地下化するとか有意義な事やってくれ。

  • 10:30  なるほど!RT @takaoffice: 「君主の頭脳がどの程度のものかを推測する場合、まず彼の近辺にいる人間を見るのがよい」マキャベリ

  • 10:28  RT @CSRbot: RT @mrochte via @BrunoMagentY: Social Media & CSR:Top 10 Sites for Creating Conversation http://tiny.cc/nG342 #csr

  • 10:26  でも核廃棄物はほぼ無限ということもRT @ryo16: 原発建設を推進しようとする流れがあるみたいだけど、「ウランも有限な資源」ということを広く一般に知らしめる草の根キャンペーンを展開したい。

  • 10:24  RT @shigex_yokohama: RT @hatebu 1000本以上の映像素材を無料で!NHKクリエイティブライブラリーが10/31プレオープン - はてなブックマークニュース (50 users) http://bit.ly/TEl6C

  • 10:24  RT @shigex_yokohama: それにしても酷い政権だった。RT @headline 【政治】温室ガス25%減「家計負担36万円」は麻生前政権下で示された誤った試算: http://bit.ly/3pgifj

  • 10:22  RT @togura04: RT @cop15: EU leaders agree on climate funding http://bit.ly/3MLnyc #cop15 #climate

  • 10:22  RT @shigex_yokohama: …cont) 『軍隊の定義「@部下の責任を持つ指揮官が存在することA遠方から識別可能な固有の徽章を着用していることB公然と兵器を携行していることC戦争法規を遵守していること」(ハーグ陸戦条約5)これから自衛隊は、国際的・国際法上は軍隊

  • 10:17  RT @greenpost: 「原子炉着工時期変えず」 上関原発 : 山口 : 地域-----YOMIURI ONLINE http://bit.ly/1L1PTT ; #nuclearkaminoseki

  • 10:11  すごいRT @iidatetsunari: 追伸。東京都環境局は、日本エネルギー経済研究所と電力中央研究所を「既得権益研究所」を理由に、公募から外すそうです。そういう時代になりました。RT @northfox_wind: http://bit.ly/3MeHfG

  • 01:18  原典きぼん「バイオ燃料は、温室効果ガス排出量を「増やす」 米研究者ら指摘」http://bit.ly/N9jwf

  • 01:17  大丈夫か、米?「「地球は温暖化している」と考える米国民が大幅に減少、調査結果」http://bit.ly/34SRCn

  • 01:16  原典きぼん「ライフスタイルの「わずかな変更」が温暖化防止に大きな効果、米研究」http://bit.ly/2EoOzV

  • 00:48  RT @fuda: 環境省だけじゃなく経産省も環境税を言い出した→時事ドットコム:環境税検討を追加要望=「方向転換」と経産副大臣 http://bit.ly/3wJmXI

  • 00:47  笑 RT @gurryjack: 自分達で「必要ない」と認めているのだから世話はないwwwRT @nabbychan: RT @jcast_news: 今日の産経新聞に掲載された衝撃のアンケート結果。「記者クラブ制度は必要だと思うか」という問いに、「NO(不要)」が78%。

  • 00:47  住宅の寿命を100年にして、紙の再生率を8割まで高めれば、量的には日本は木材を100%自給できます。@setsumori

  • 00:46  たしかに現状は悲惨ですが、林業はポテンシャルは大きいのが望みですRT @setsumori: 日本の食糧自給率は4割。木材は2割。この数字が日本の林業の悲惨さを物語っています

  • 00:42  RT @imaitko: RT @fuda: 今のまま六ヶ所再処理が動かないと止まる原発が出るかもRT @hiromimatsubara: 日経夕刊“国内17 箇所の原発敷地内にある使用済み核燃料は合計12,600トンで容量の3分の2がうまった。あと数年で満杯になる原発も"

  • 00:41  中華料理の高級食材は、みんなプヨプヨ食感。ナマコ、フカヒレ、ガチョウの足ヒレ、ツバメの巣、魚の浮き袋....

  • 00:39  空腹だったのではなく、あの触感を求めていたのだと思いますRT @northfox_wind: もし、自分が当時の現場の人だったら、餓死していたかもしれないな〜w RT @mika6497: 最初になまこを口に入れてみた人ってよっぽどお腹空いていたんだろうな〜

  • 00:36  集めて溶かすという話も聞いたことありますが... RT @tamaetakatsu: ホテルで使いかけた石鹸ってどこに行くんだろう。最近はポンプ式のボディソープも増えてきたけど。

  • 00:36  それを言うなら、チンバンジーとヒトの遺伝子は99%一緒wRT @shigex_yokohama: RT @kimuramoriyo 尾身氏の発言「新型インフルエンザは季節性と遺伝子レベルで70%一緒、多くの人は免疫を持つ。オーストラリアもWHOも自分と同じ意見」

  • 00:31  選挙にインターネットを!RT @honda_yumi: RT @sdotcom_jp: 来年も、今年と同じ選挙でいいですか? http://ff.im/-aKfkA

  • 00:29  RT @sawa3: RT @Romanbot: 古代のローマ人による奴隷の定義は、自分で自分の運命を決めることが許されない人であった。(7巻-P110)

  • 00:26  from Canada RT @CSRbot: RT @EDCMedia 2009/10/27 - Proposed Legislation on Corporate Social Responsibility... http://bit.ly/5wTUu

  • 00:19  RT @TokikoKato: 私に1968を作るきっかけをくれた大切な人は、ベトナムの、ドクちゃんです!2007年,彼は、結婚し、その奥さんと日本にきた。その時、コンサートに来てくれてあった.そのドクちゃんに赤ちゃんが生まれたの‼双子の赤ちゃん、おめでとう‼今日の大ニュース‼

  • 00:18  RT @pubcom_jp: START:生物多様性条約ポスト2010年目標日本提案(案)に対する意見募集についてhttp://bit.ly/NGq39


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2009年10月29日

ABSの争点

 来年のCOP10の重要な議題の一つとされているABS、でもなんだかムズカシくて、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

 ABSとは、Access and Beneft Sharingの略で、 日本語では「遺伝資源へのアクセスとその利用から生じる利益の公正・公平な配分」などと訳されます。え、余計訳がわからなくなりました?(^^;)

 生物の中には薬の原料になるような物質を作るものがあり、その物質を作る遺伝子や、その生物の遺伝子全体が、利用価値のある遺伝素材、すなわち遺伝資源として産業界から注目されています。

 製薬会社などは、生物多様性の豊かな途上地域の原産国に多く存在すると考えられるこうした遺伝資源にいかにアクセスするかに興味があるわけです。そして見事そうした遺伝資源から新薬が開発できれば、莫大な利益を得ることができるわけですが.... 問題はその利益をどう分配するかです。

 その利益が得られたのは、その遺伝資源があればこそであり、原産国に十分な利益が還元されるべきであると考えるのが原産国の立場。一方、企業やその企業の属する先進国からすると、遺伝資源から新薬などを開発するのには莫大な費用と時間がかかる。そのようにして開発された薬にこそ価値があり、これは知的財産なのだから、利益は開発した企業が受け取るのが当然。議論は平行線です。

 実は、生物多様性条約の3つの目的の一つが「遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分」であり、この問題は条約が出来る前からの大きな課題でした。生物多様性条約が出来てからもABSの実施方法をルール化するための議論が継続され、2002年のCOP6では「ボン・ガイドライン」が採択されています。

 しかし問題は、これは法的な拘束力を持たないガイドラインに過ぎないということです。先進国はこれで十分だと主張するのに対して、原産国であることが多い途上国はこれでは不十分であり、法的拘束力を持つプロトコルが必要だと譲りません。COP10では「名古屋プロトコル」が出来ればいいのですが、議論は膠着状態と言っていいでしょう。

 こんなことを書く気になったのは、一昨日、A SEED JAPANのセミナーに出て、ECOROPAのクリスティーナ・ヴァイツゼッカーさんとお話しをしたからです。最初にお会いしたときに、「どこかで見た顔だなぁ〜」と思ったもののすぐには思いだせなかったのですが、しばらくしてから、去年の春にドイツであった国際会議でお会いしていたことを思い出しました。後から「もしや」と尋ねたら、「私もどこかで見た顔だと... でも思い出せなかった」と(笑)。

 それはともかく、彼女が一語一語をゆっくりと説き伏せるように、なぜ名古屋プロトコルが必要なのか、ボンでは失敗したが、名古屋では失敗できないのだと、切々と語りかける姿は実に印象的でした。語り口は静かだけれど、実に熱いのです。

 歴史を振り返れば、植民地時代の頃から、先進国の人間は途上国の遺伝資源を無断で掠め取って来たのです。彼女のプレゼンテーションの最後のスライドには、こんな言葉がありました。(うろ覚えですが...)「自分たちの美しい庭に、何度も何度も他所からやって来る人たちがおり、そこに実るおいしい果実を代金も払わずに取っていってしまいう。果たしてそれが公正と言えるのか。お互いに信頼はできるのか。」

 「名古屋プロトコルができる可能性はどのぐらいなのか?」という質問に対して、クリスティーナさんは「それはわからない。でも私たちは出来る限りの準備を十分に重ね、最善の努力をし、そして最後にほんのちょっとの幸運が訪れることを諦めてはいけない」と答えていました。

 正直に言えば、僕はかなり困難な状況だと思います。日本はCOP9では、アメリカの片棒をかつぐような発言をして途上国から非難を受けています。COP10では議長国として公平に議論を進め、あるいは途上国に歩み寄る姿勢を示し、議論をリードすることができるのでしょうか? ぜひ、そのような態度を取り、「さすがは議長国」という国際的な評価を受けたいものです。

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2009年10月27日

対価を支払う意味

 先週のACBで、僕は"Business and Biodiversity"というセッションで話しをするつもりだったのですが、いつの間にセッションのタイトルは"Economics of Ecosystem and Biodiversity"に変わっていました(^^;) まぁ、こちらはどちらでもそれほど問題ないのですが、このタイトルを見ててっきりTEEBの話が聞けると思った参加者の方もいたようで...(^^;) (実際、TEEBのD2の話もプレナリーではありましたが)

 さて、その「生態系と生物多様性の経済学」のセッションでキーワードとなったのは、PES(Payment for Ecosystem Services)、つまり「生態系サービスへの支払い制度」でした。

 「生態系サービス」はこれまで無償と思われて来ましたし、実際私たちはその対価を払わずに使ってきたのですが、それを維持するためにきちんとお金を払おう、費用負担をしようという考え方です。

 ただよく誤解されるのですが、これは生態系サービスの価値を測定して、その対価を払うというのは少し違います。生態系サービスを維持するために必要なコストを払いましょうというものです。

 支払う相手も、その生態系にというわけではなく(当り前ですが(笑))、その生態系サービスを維持してくれる人に対してです。たとえば、水源を涵養する森林があったとしたら、その森林を維持管理してくださる方に、そのコストを支払おうというものです。

 そのような支払いを行うことで、これまではなかなか引き受けてがいなかった、あるいはボランティアでするしなかった生態系の維持や管理を、喜んで引き受けてくれる方が出て気安くなるだろうという発想なのです。生態系を保全するインセンティブを作って、生態系の保全を促進しようという、経済的手法(あるいは市場メカニズム)の代表的なものです。

 生物多様性条約やミレニアム生態系評価などの中でも今後広めていくべき手法として取り上げられていたのですが、それがいよいよアジアでも動き始めたのです。ただ若干キナ臭いのは、たとえばアジアで大々的に始めたのはアメリカの援助機関です。もしかして何か深い考えがあるのでは?と、ちょっと勘ぐりたくなります。

 まぁその疑問は横に置いておくにしても、もう一つ興味深いのは、今回紹介されたいくつかのPESの事例において、これが単に生態系を保全するための手法としてだけではなく、貧困削減のための手段としても期待されているということです。

 地域の貧しい住民の皆さん方に生態系の維持管理を委託し、その対価を支払うことにより、生態系と生物多様性の保全が図られ、同時にそうした方々への現金収入も発生するので一石二鳥だというわけです。実際、ベトナムの成功事例を聞きつけて、我が国でもという相談が実施した団体にはかなり舞い込んでいるそうです。

 PESは、今までタダであったものに、きちんと価値を認める、少なくともそのために働く人間の努力は認めようということです。さらに、その対価を支払う主体を継続的に作ることができれば、外部不経済を内部化することにもつながります。

 日本ではまだあまりPESの適応例は聞きませんが(森林環境税が少し似ていますが...)、今後かなり広がりそうなメカニズムですし、ひょっとしたらグローバルに採用される手法になるかもしれません。今のうちから慣れておく必要もあるでしょうし、また日本の生態系を保全する手法としても、活用を検討する価値がありそうです。

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2009年10月24日

帰国しました

シンガポールから帰って来ました。毎日朝から夜まで会議だった上、ホテルに戻ってから日本からのメールの処理もしなくてはいけなくて結構大変(海外出張のときはいつもそうなのですが...)。

会議の様子はtwitterでもごく断片的にはつぶやいてみましたが、雰囲気が伝わったかどうか...

そんなわけで、ブログ再開はまた明日から... こんな記事でゴメンナサイm(__)m

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2009年10月20日

シンガポールへ

 2週間ぶりぐらいの成田です。今日はこれからシンガポールへ。 明日からACB(ASEAN Centre for Biodiversity)のシンポジウム、ACB2009に参加するためです。

 明日以降また詳しく報告をしたいと思いますが、今回のシンポのテーマは、1. 生物多様性と気候変動、2. ABS、そして3.ビジネスと生物多様性、です。アジアでもいよいよ「ビジネスと生物多様性」が大きなテーマになってきて、嬉しい限りです。僕もそのセッションで日本の状況などを発表してきます。

 それでは、行ってきます〜

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2009年10月18日

エコ革命の時代へ

 この一カ月半ぐらい、ものすごく時間の進み方が早かったように思います。仕事が忙しかったというせいもあるのですが(^^;)、実際に世の中がドンドンと動いていくのを感じます。

 もちろんその最大の原因は、政権が変わったことです。今までのところ、民主党が予想以上に健闘しているというのもありますが、その変化を起こしたのは国民の選択だったということをまず忘れてはいけないでしょう。「どうせ自分が投票したって」、「自分一人が反対したって」では決してない。みんながオカシイと思ったことは、必ず是正される方向に動く。そのことを実感している方も多いのではないでしょうか。大げさな表現をすれば、はじめて日本で(少なくとも国政レベルでは)民主主義が機能し始めたのです。

 もちろん日本以外の国も激動しており、そのことは一つ前の記事「気候変動、世界が動く」でも書いた通りですが、国内で言えば、「2020年に25%削減」というのが短期間のうちに国策として受け入れられつつあるということがやはり、影響大です。

 今日、来日中のニコラス・スターン卿のお話(挨拶)をお聞きする機会があったのですが、もちろん鳩山政権の目標については評価していましたが、「今ふりかえると、スターンレビューの警告は弱過ぎたかもしれない」と恐ろしいことをおっしゃっていました。2006年当時は十分に衝撃的なものでしたが、それすら今冷静に考えると、遠慮し過ぎていたというのです。

 その後、比較的早く帰宅したので、NHKスペシャルの「自動車革命 トヨタ 新時代への苦闘」を見ながら夕食。トヨタと言えばプリウスでエコカーの分野では一人勝ちかと思いきや、さにあらず。世界は急速に電気自動車に向けてシフトしており、トヨタとしても計画を前倒しせざるを得ない状況。そのことで、広大な裾野を持つ自動車産業全体が激動していると...

 つまり、ガソリン車から電気自動車へバトンタッチするということは、そのぐらい影響力がある大変化であり、トヨタと言えども、あるいはトヨタと長らく共存してきた系列部品メーカーと言えども、安閑とはしていられないという報告です。

 もちろんそうなのでしょうが、僕はそれだけでは終わらないと思います。というより、そのぐらの変化では済まないと思うのです。ちょっと前に「未来の自動車?」でも書いたように、持続可能なモビリティは、カーボン・ニュートラルなエネルギーにシフトするだけでは実現できません。

 環境負荷、社会的コストを限りなく小さくして、子どもからお年寄りまで、誰もが自由に移動できる社会こそが目指すべき社会であり、そのためには自家用車から「卒業」もあり得ると思います。2025年までにはきっとそういう変化が起きると思うのですが、そのときの激震は、電気自動車へのシフトどころではないかもしれません。

 テレビを見ながらTwitterをしていたら@suesiさんが、「環境革命ってあんまり誰もいってないな。持続可能な社会になることは、今の社会からの卒業なんだから革命だろう、きっと。無血かもしれないが無傷は無理。」、「エコがお洒落の時代から、環境革命というシビアな時代に向かってるはずだ、今後はきっと。牧歌的なタームはもうすぐ終わり。」とちょっと怖いことを... でも、たしかにその通りだと思います。

 「エコ」が単なるファッションや流行だと思っている企業人の皆さん、要注意です! 世界は、いや日本も、きっと皆さんが想像する以上の速度で変化しています。巨大な津波は静かにやって来て、その中に巻き込まれてから気付いても遅いのです。

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2009年10月15日

気候変動、世界が動く

 今日は10月15日、以前ご紹介したBLOG ACTION DAYのその日です(「ブログが世界を変える」参照)。先ほどホームページで確認してみたところ、世界148カ国の8936のブログが参加していました。日本はもう15日は終わってしまいますが、ヨーロッパやアメリカでこれからも増えるでしょうから、最終的には世界で9000を超えるブログが参加することになりそうですね。すごいことです。(と思ったら、この記事を書いている間に、軽く9000を超えていました!)

 さて、今年のBLOG ACTION DAYのテーマはClimate Change、気候変動です。このところ気候変動関係の気になるニュースもたくさんあったので、今日はそうしたニュースをざっと振り返ってみたいと思います。
 まず、このままだと「北極の氷冠は20〜30年後の夏季には完全に消えてなくなる」というケンブリッジ大学の研究チームの発表。

 既にどのぐらい北極の氷が溶けているかは、以下を見れば実感できます。

 当然今後、日本もさまざまな影響を受けるわけですが、その被害額は年17兆円との試算。
全世界で追加的な対策をとらない場合、21世紀末までの日本の平均気温の上昇は、世界平均の予測値を0.3〜0.6度上回ると予測。洪水、土砂災害、砂浜の喪失、高潮被害、熱ストレスによる死亡リスクは増大し、被害額は年あたり約17兆円と試算している。
出典:「日本の気候変動による影響、被害額は年17兆円−気象庁など公表」(ecool、2009年10月13日)

 鳩山内閣の2020年25%削減という目標も、ようやく反対一辺倒ではなく、それをどう実現するかということに議論がシフトしつつあるようです。産業界からも、経済同友会の桜井正光代表幹事が「削減を実現するための具体的な方策作りなどで「積極的に支援、協力していきたい」と応援する姿勢を明らかにしたり、京セラの稲盛和夫名誉会長が「克服して乗り越える勇気が政府、産業界に必要」と述べるなど、積極的な意見が聞かれるようになりました。
出典:「温暖化防止で政府に協力=郵政民営化の逆行懸念−同友会代表幹事」(時事ドットコム、2009年10月6日)
稲盛和夫氏:25%削減目標「克服する勇気が必要」
(毎日jp、2009年10月6日)

 ただ、2020年に25%削減というのは、もしかしたらだんだん当然のことになってくるかもしれません。国情もスタートラインも違うので簡単に比較はできないのですが、先のバンコク会合の最中に、ノルウェー政府が2020年の削減目標である30%にさらに10%を足して、40%としたのです! これはさすがにちょっとビックリです。ノルウェーは2030年にはカーボン・ニュートラルになることを既に目標に掲げているのですが、それにしても一体どうやって...
出典:"Norway proposes 40-pct carbon emissions cut by 2020" (Yahoo! News 2009年10月7日)

 ただ、同じくバンコク会合で、心配なニュースもありました。REDD(森林減少からの排出削減)について議論が行われたのですが、その最終テキスト案からはなんと、「「天然林を人工林へ転換することの防止」という予防措置(セーフガード)が、最終テキスト案からは一切削除された」というのです。これでは一体何のためのREDDかわからなくなってしまいます。気候変動と生物多様性は車の両輪。生物多様性の減少を食い止めるためにも気候変動の緩和・防止が必要ですし、また気候変動の防止のためにも、生物多様性を保全することは意味があるのです。それなのに...!!
出典:「途上国における森林減少対策(REDD)に関する交渉進捗」(FoE、2009年10月8日)

 最後にもう一つ気になるのは、中国がついにCO2の排出で世界一になってしまったというニュース。
2007年の世界全体のCO2排出量は288億トン。このうち、中国は61億トンと全体の21%を占め、米国の20%を上回り、地球温暖化の原因となるCO2の最大の排出国となった
出典:「CO2排出量、中国が世界最大に/07年は61億トンを排出」(ecool.jp、2009年10月7日)

 巨大な隣人をどうするのか? 国内のこともさることながら、中国への協力も日本の大きな役割になるはずです。

 気候変動の防止・緩和・適応に向けて世界はこのように動いています。さて、私たちはどんな新しい動きを始めますか?

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2009年10月14日

「いきものがたり」ほか

 三井住友海上の主催によるシンポジウム、「企業が語るいきものがたりPart3」、3年目となるのでもうすっかりお馴染かと思いますが、今年は11月25日(水)に開催されます。
■「COP10に向け、企業の生物多様性保全に関するシンポジウムを開催」(三井住友海上)

 2007年から毎年少しずつパワーアップしている企業による生物多様性の保全に関するシンポジウムですが、今年は午前と午後の全日開催。分科会も全部で6つと、ますます充実しています。

 それぞれの分科会は以下のようなテーマになっていますが、いずれも生物多様性の保全を手がけている、あるいは手がけようとしている企業にとって興味のあるものばかりではないでしょうか。
分科会1 効果的な社員教育について考える
分科会2 継続的な取り組みを推進する方法を考える
分科会3 企業活動と生物多様性の関係の可視化について
分科会4 企業が使用している土地の生物多様性面からの評価について
分科会5 生物多様性の取り組み状況の傾向を分析する

 また、これ以外にも同時並行で先進企業の取組事例の紹介もあります。

 以上の分科会、またこのシンポジウム全体はJBIB(企業と生物多様性イニシアティブ)の協力のもと行われます。分科会の中では、JBIBのこの一年の活動の成果なども発表される予定です。

 一方、JBIBのWebページでは、先月28日からオリジナルの読み物、「JBIBリレートーク」が始まりました。JBIB会員企業の担当者が、個人的な想いを綴っていくという企画です。

 実務にすぐに役立つ最新の成果は「いきものがたり Part3」で、担当者の皆さんがどんな想いで活動をしているかはwebで、ぜひご覧ください。

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2009年10月13日

COP10のロゴ発表

 来年名古屋で開催されるCOP10までいよいよあと一年となりました。また、来年2010年は国際生物多様性年にあたります。環境省は今日、そのCOP10のロゴマークとスローガン、さらに生物多様性年のロゴマークとスローガンを同時に発表しました。

 COP10ロゴマークおよびスローガン
COP10logo.jpg
 (英 語)Life in harmony,into the future
 (日本語)いのちの共生を、未来へ


 このロゴには、以下のような意味が込められているそうです。
 このロゴマークでは、日本の折り紙を円形に配置し、中央に人間を配することにより、人類と多様ないきものとの共生を表現しています。また、人間の親子は、豊かな生物多様性を将来に引き継いでいこうという思いを表現しています。折り紙は日本の知恵と文化を象徴するものです。


 一方、国際生物多様性年のロゴマークとスローガンは以下の通りです。
IBDY_logo.jpg
 (英 語)Biodiversity is life. Biodiversity is our life.
 (日本語)生物多様性、それはいのち生物多様性、それは私たちの暮らし


 日本語のスローガンはよくわかるのですが、英語は... すぐに意味が通じるのかちょっと心配ですが、どうなんでしょう? ネイティブの人に聞いてみたいですね。

 なお、今回の発表について詳細は以下をご参照ください。
■「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)ロゴマーク及びスローガンの決定について(お知らせ)」(環境省)

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2009年10月11日

未来の自動車?

 最近、エコカーに関するニュースが増えています。政府が2020年までGHGの排出量を25%削減するという目標を示したこともあり、自動車会社もようやく本気でエコカーへのシフトを加速しているようです。

 ハイブリッドはどこまで増えるのか、やはりEVが本命なのか、電池はどうするのか... そんな議論が多く聞かれますが、より本質的に考えれば、燃料がどう変わろうと、この先本当に今のような自動車が使われ続けるのでしょうか?

 たとえ再生可能エネルギー100%となったところで、60kgの人間を移動させるのに1トン以上の鉄の固まりを動かす。ぶつかられた人は怪我をするか、下手をしたら死ぬ。貴重な都市の土地のかなりの部分を道路にしても、渋滞は減らない。駐車場のために駅前の一等地が使われる... どう考えても、持続可能な交通機関には思えないのです(特に都市部の場合)。

 自動車会社も問題意識は持っているのだと思います。エネルギーに関して環境に優しいだけでなく、小型で、都市環境に適した興味深いコンセプトカーが発表されています。

 たしかにこんなのはちょっと楽しそう、運転してみたくなります。

 事故を防止するための技術も、単にソナーを付けるというところから、さらにもう一歩進んだレベルに進化しそうです。

 さらに、人間が移動するというだけであれば、こんなのでもいいですよね。

 なるほど、アシモの技術がこんなところで役に立っているのか、と思いました。

 もちろんこうした「未来の自動車」に加えて、公共交通機関も進化が必要でしょうし、さらには自動車と公共交通機関の連携や、さまざまなソフトが重要なのでしょうね。

 単に今の代替や改善ではなく、環境と地域社会への負荷を限りなく小さくして、より多くの人が、自由に移動できるようになることが可能になることを願っています。それが、持続可能なモビリティです。
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2009年10月10日

台風のメッセージ

 日本列島を縦断した先日の台風18号、皆さんのところでは被害はなかったでしょうか? 不幸にも被害を受けられた方々には、心からお見舞を申し上げます。

 伊勢湾台風並と言われながらも、そして列島を縦断したのに、日本国内での被害は予想よりは小規模に留まったのは何よりでしたが、電車が止まるなどして苦労をなさった方も多かったのではないかと思います。

 都心部でもお昼過ぎ、路線によっては一日中混乱が続きました。既に雨は止んでいるのに、電車は動かない。いつも当り前に利用している電車が動かなくなった途端、人がホームから溢れ、タクシーは長蛇の列、駅前の喫茶店も満席。一体どこへ行けばいいのか、あるいは会社にどうやって辿りつけばいいのか。

 高度に築き上げられた近代社会も、天災の前にはいかに無力であるかがさらけ出されたわけです。私たちは天候をコントロールすることもできないし、自然の力は人間の社会も生活も、いとも簡単に破壊できるのです。ともすれば忘れがちな自然の力の大きさを、再度私たちは見せつけられました。

 特にそれを感じざるを得ないのは、フィリピンや台湾の被害です。多くの人命が失われ、本当になんと言っていいのか... マニラの友人から、自分の家は大丈夫だったが、友だちの家が被害を受けたというメールをもらったりすると、とても他人事というわけにはいきません。

 今年が特に台風の当たり年なのかどうかはわかりませんが、自然災害による被害が最近増えているのは、統計上も明らかです。そして、因果関係を直接的に証明することは出来なくても、やはりこれは気候変動の影響であると考えるのが素直なのではないでしょうか。

 首都圏を台風が直撃したのは久しぶりのことだったと思います。いろいろと不便があって大変だったなというだけでなく、これを自然の警告であると捉えることはできないでしょうか。ウォルマートのリー・スコットCEO(当時)の目を覚まさせたのは、2005年のハリケーン・カトリーナであったといいます(「誰がウォルマートを変えたのか?」参照)。

 後になってから、「ああ、そう言えばあれが...」では遅過ぎます。毎日起きている現象が何を意味しているのか、その背景に何があるのか。私たちは今回の台風からどんなメッセージを受け取ったのでしょうか。
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2009年10月07日

表現方法いろいろ

 環境問題に取り組んでもらうためには、まずこの問題に興味を持ってもらうことが重要です。そのために、世界各国であの手、この手の活動が行われています。

 日比谷公園で開かれた「グローバルフェスタJAPAN2009」で、「環境・気候変動・地球」をテーマにした直径6メートルのフラワーカーペットが披露されたというのは、まぁ普通の取組ですね。
■「環境問題がテーマのフラワーカーペット」(AFP、2009年10月3日)

 セレブが集まって歌で気候変動対策を訴えるというのも、立派ですが、常識の範囲内です。 

 しかし、ブルゴーニュのワイン用ブドウ畑で集団ヌード撮影会となると、ちょっと訳が分からなくなってきます(^^;) たしかに気候変動の影響でブルゴーニュではブドウを作るのが難しくなるようですが、まぁ話題作りでしょうか?

 そして、今回もっとも気合いが入っていると思ったのは、これ。気候変動によって国が沈んでしまう危機を世界に訴えるため、なんと水中で閣議を開いてしまうというモルディブ!
 モハメド・ナシード大統領こそスキューバダイビングのライセンスを持っているそうですが、もちろん閣僚の中にはダイビングなどしたことがないという方もいて、なんと「前週末、14人の閣僚たちは首都マレ(Male)に近い島でスキューバダイビングの講習を受けた」のだそうです! 大臣も大変ですね(^^;)

 以上の皆さんの努力が伝わったことを願っています。さて、皆さんは周囲の方に、どうやって地球環境問題に興味を持ってもらいますか? いいアイディアがあったら、教えてくださいね。

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2009年10月06日

熱帯林と生物多様性の話、いかがですか?

 またまた更新が滞ってしまい、スミマセン。連日、かなりドタバタしています(^^;)

 さて、そんなことをしているうちにもう明後日に迫ってしまったのですが、明日からパシフィコ横浜で開催されるバイオジャパン2009の小判鮫で(笑)、「生物多様性ビジネス二つの潮流 利用するビジネスと保全するビジネス」というセミナーに参加します。

 マレーシアを中心にバイオプロスペクティング(生物資源探査)の事業(研究開発)を行っているニムラ・ジェネティック・ソリューションズ(NGS)の主催によるもので、同社の代表取締役の二村聡さんと、あだなお。が掛け合い、じゃなかった(^^;)、お話しをさせていただきます。

 実は二村さんとは僕がマレーシアにいた頃からの友人で、二人で話をすることは多いのですが、こういう形で皆様の前で一緒にお話をさせていただくのは始めてなので、大変楽しみにしています。

 というのも、パイオプロスペクティングなんていうと、実験室で怪しげな液体が入った試験管を振ったり、途上国の生物資源を食いものにしたり、なんてよろしくないイメージが膨らむ方もいらっしゃるかもしれませんが...

 二村さんはこうしたイメージとはまったく正反対で、実験室で白衣を着ることもおそらくないのではと勝手に想像していますが(笑)、とにかくジャングルが大好き、街にいるより(もしかして家にいるより?)森の中の方が安心できるという方ですし、遺伝資源を原産国と使用国でどう公平に共有できるかということを真剣に考え、実践していらっしゃる方です。

 実際、NGSのメインのラボはマレーシアの森林研究所(FRIM, 僕のかつての職場でもあります)の中にあり、マレーシアのスタッフが研究を進めています。

 COP10では、ABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)について、どう公平なルール作りをするかが大きな争点になると言われていますが、NGSの確立した方式がいいモデルになるのになぁと、僕は秘かに思っています。

 ABSなんていうと急に難しい話のように思えるかもしれませんが、当日は生物多様性というより、熱帯林の魅力についても面白おかしくいろいろお聞きできるのではないかと思います。お時間のある方は、ぜひご参加ください。もちろん無料、まだ少し席もあると聞いています。(お申し込みは以下のリンクからどうぞ)

■「生物多様性ビジネスに関する講演のお知らせ」(NGS)

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posted by あだなお。 at 18:49| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月03日

オランウータン会議

 ちょっとまた更新が途切れてしまいましたが、昨日まではマレーシアのキタコナバル郊外で、断片化したオランウータンの生息地をどう守るかという会議に出席していました。朝から晩までプログラムがビッシリの上に、急遽この場で講演をすることになり、その準備に追われていました(^^;)
■"The Orang Utan Conservation Colloquium (OUCC 2009)"

 「断片化」という言葉は耳慣れないかもしれませんが、プランテーションなどの開発のためにどんどん森が切り開かれて行くと、残された森はプランテーションの海に浮かぶ小さな小島のようなもので、この中だけではオランウータンやゾウなどの大型動物はとても生きていくことができないのです。

 もちろんその断片化した森から別の断片化した森へと移動する個体もいますが、その際、人間との軋轢など、様々な悲劇が生まれます。

 それにそもそも、開発が進むということは、それだけ動物たちが住む場所が狭くなってしまっているということです。自然を開発するということは常に、そこにすんでいた生き物たちの住み処を奪ってしまうということになるのです。

 今回は特にサバ州のキナバタンガン川下流に焦点を絞って議論がされました。というのもこの地域ではこの10年、20年ぐらいの間にオイルパームのプランテーションのための森林開発がものすごい勢いで進んでおり、その結果、なんと2002年〜2007年のわずか5年間で、オランウータンの個体数が3割も減ってしまったという研究結果も出ています。

 島状に残された森を少しでも保全し、またオランウータンたちにとってより意味のある生息地になるように、そうした森を「緑の回廊」でつなごうという考え方があるのですが、そのためには現在あるプランテーションの一部を、再緑化する必要があります。

 既に十分に保全のための手をうっているとする産業団体の主張と、いやいやまだまだ不十分だというNGOなどの間で話はやや平行線のようにも思えましたが... 非常に興味深いのは、そうは言いながらも、双方が一緒のテーブルに着いて、それではどうしたらいいのかという建設的な議論をしていることです。

 結局二日間かけて、キナバタンガン川下流をオランウータンを保全しながら、持続可能なパームオイルを作っているモデル地域にするための方策をまとめ、それをサバ州の観光・文化・環境省の大臣に提言として手渡しました。

 サバ州としては、オイルパームももちろん重要なのですが、観光資源として、あるいは生物多様性の観点からも、オランウータンが絶滅に追いやられていくのを座視するわけにはいきません。大臣はかなりこの問題の解決に対して積極的なようで、保全に必要な場所は強制収容するというスゴイ発言もしていましたので、今後どうなるか、展開に目が離せません。

 こういう話を聞くと、ふーん、どこか遠くの国ではなんだかスゴイことになっているなぁと思われるかもしれませんが、このプランテーションでとれた油が、私たちが食べている食品や、毎日使っている洗剤やシャンプーに使われていることを考えれば、決して無関係ではないのです。この問題が解決するためには、消費国や消費者が、コストを負担するかどうかが大きな鍵となっています。

 関係者たちがギリギリの妥協点を巡って議論した結果が良い方向に作用することを願うと同時に、消費国の私たちも、もっとその責任を考え、応分の負担をしなくてはとの思いを深めました。

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posted by あだなお。 at 18:55| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

サバへ

 明日から会議があるので、今日は午後に東京を出て、韓国の仁川経由でマレーシアはサバ州のコタキナバルへ。空港に着いたのが、ちょうど日本の真夜中でした。

 会場は郊外のリゾートホテルなので、車で小一時間ほどドライブ。運転手のお兄さんがあまり英語が出来なくて、マレー語で会話。もうすっかり忘れていたと思っていたら、必要になると案外しゃべれるものです(とは言っても、簡単な話ばかりですけど...)。

 もう雨期のようで、毎日雨が降るなんて話をしているうちに、真夜中のスコールが... あぁ、言葉も、空気も、景色も、みんな懐かしいなぁ...

 ホテルに着いて、お風呂に入って、メールをチェックして、一息。あぁ、これで明日の朝から会議でなければ最高なんですが...(^^;)

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posted by あだなお。 at 02:04| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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