2010年01月30日

ボンでの議論

 昨日で三日間の会合が終わりました。毎日朝から夕方までワークショップ、その後も参加者の皆さんと食事に行ったりして、ホテルに戻るとぐったり。最低限のメールだけ処理してという日々でした。なかなかブログ書けません(^^;)

 今朝起きてみると、ボンは一面真っ白の雪景色。今も雪が待っています。昨日までは気温は低いものの、雪が積もっているという感じではなかったのですが... やはり降るときには降るんですね。今日はこれから日本に戻るだけなので、車窓からこの雪景色を楽しむことにします。

 さて、今回の会合ですが、生物多様性条約(CBD)の正式なプロセスにあるもので、Innovative Financial Mechanism、すなわち革新的資金メカニズムというものに関するワークショップです。生物多様性を保全するためのお金をどこから持ってくるか、あるいは経済メカニズムをどのように使うかということについて、各国から専門家が集まり、議論をしました。今回の結果は、5月にナイロビで開かれるWGRI3に勧告として送られ、そこでさらに議論されたものが10月のCOP10のアジェンダになります。

 IFMとして議論されたのは、主に以下の6つです。
1. PES (Payment for Ecosystem Managment、生態系サービスへの支払い)
2. 生物多様性オフセット
3. 環境に関する財政改革
4. グリーン商品市場
5. 国際開発金融における生物多様性
6. 気候変動ファンドにおける生物多様性

 生きものそのものではなく、お金の話が中心です。各国政府や国際機関の方が多いので、もろに財政的な話も盛り上がっていましたが、僕はやはりどう保全にそれを生かすかの方に興味があります。

 詳細な議論は以上の6つのWGに分かれて行われました。オフセットも非常に興味があったのですが、これについては他にも議論する機会はあるので、今回はグリーン商品市場のWGに参加しました。

 さまざまな商品がグリーン化されれば、あえて政府が特別な財源を用意しなくても、毎日の経済の中で生物多様性への配慮がなされるようになります。結構いい方法だと思いませんか?

 さて、それではそろそろ出発なので、続きはまた後日。

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posted by あだなお。 at 17:38| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月26日

生物多様性と経済、深まる議論

 企業というか、生物多様性と経済の関係について、さらに関心が高まっているように思います。

 先週、国連大学で開かれた、東北大学生態適応GCOE主催の生物多様性オフセットの国際シンポジウムには、定員の400名を超える申し込みがあり、一部の方には参加をお断りしなければいけない状況でした。私はパネルディスカッションのコーディネーターをしたのですが、会場から寄せられた質問票を見ると、レベルの高い、専門的な質問が多く、驚かされました。生物多様性オフセットに関する国際シンポとしては、これが国内で初めての本格的だったものと思うのですが(海外の専門家も、400名の参加者と聞いて驚いていました)、皆さん勉強なさっているようですね。

 今日はこれからドイツのボンに向かいます。明日から開催される、CBDの「革新的経済メカニズム」に関するワークショップに出席するためです。こちらも世界中から専門家が多数参加を希望し、会場の人数の都合で、参加できなかった方も多いと聞いています。どんな議論があるのか、明日以降またご紹介したいと思います。

 TEEBのレポートのドラフトも段々出来てきたようです。明日からのワークショップには関係者の方も参加なさるので、話しを聞いてこようと思います。

 来週ぐらいに公開予定のNIKKEI NETの連載「経済を変える生物多様性」には、生物多様性オフセットのことを取り上げることにしました。

 来月末には、GDM(グリーン開発メカニズム)、つまり、生物多様性を保全するための国際的な資金メカニズムについての会合がまたあります。COP10に向けて、どんどんと議論が進展しているのを感じます。

 なかなかブログを更新できなくて申し訳ありませんが、忙しいだけですので、ご心配なく。(体調をご心配いただいてメールをくださった方、ありがとうございました&ごめんなさい)。重要な事柄については、適宜ご紹介するようにしたいと思います。

 では、行ってきます!

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2010年01月19日

どうなる辺野古? 何を信じる?

 ここ数日、政治資金規制法違反関連の報道に注目しています。いえ、小沢幹事長に飛び火するかとか、そういうレベルの興味ではありません。政治資金収支報告書への「虚偽記入」だけでいきなり現職国会議員を逮捕というあり得ない特捜部のやり方を、メディアがどう報道するかに注目していたのです。

 で、結局わかったのは、やはり大手メディアは特捜部の主張をそのまま繰り返しているように思えるということです。というか、本来であればわかるはずのない取り調べ内容を「...などと話しているという。」と書いていることは、捜査内容が意図的にリークされ、しかもメディアはそれをそのまま垂れ流しているだけという構造を自ら肯定しています。
 参考までに、以下、関連リンクとしてきっこの日記です。「またまた」と思われる方も、どうぞ眉に唾をつけながらでも読んでみてください(笑)。
■「■2010/01/14 (木) チャンスを棒に振る自民党 1」(きっこの部屋)

 でも、今日の主題は政治資金の方では、ありません。もっと許せないのは、辺野古への移設問題についても、意図的なねじ曲げがメディア側、行政側にありそうだということです。
「我々は皆、(辺野古への移設案が)ベ ストだと思っている」。米国務省でのクローリー国務次官補への記者会見で、こう言い放ったのは、日経の記者。誰だ?「all of us」とは? 日経は昨年末、わざわざマイケル・グリーンを呼んで、危機感をいたずらに煽っていた。国益を損なっているのは誰?
出典:http://twitter.com/iwakamiyasumi/status/7560649091/

 さらには、昨年末、「クリントン国務長官が藤崎駐米大使を呼び出した」と日本国内で報道された問題も、とうの藤崎大使はもちろん、誤報(というか意図的?)したメディア各社もその後はダンマリで一切お咎めなし。
《参国リンク》
■「日本メディアは襟を正せ!」(すみっち通信)

 いえ、実はその前からもあるのです。例えば....
■「NHKは世論操作をやめて! 普天間・辺野古」(池田香代子ブログ)

 どうも、マスコミや一部の行政が、そろって辺野古移転を強行させようとしているようにしか思えません。ついつい、裏には何があるんだろうと考えてしまいます。

 辺野古は、沖縄の中でも辛うじて残された豊かな里海です。昨年11月には、大浦湾ではなんと36種もの新種のエビ・カニ類が、また、国内初確認の種も25種見つかったといいます。生物多様性年に、まさかそんなところを本当に埋め立ててしまうつもりなのでしょうか。
出典:「大浦湾に36新種 エビ・カニ類、県に保全働き掛けへ」(琉球新報、2009年11月25日)

 日本はCOP10で里山・里海の意義を主張するのであれば、むしろ国を挙げてこの豊かな里海を守らなければいけないはずです。それなのに、それとはまったく逆のこの動き。一体どういう構図になっているのか、理解に苦しみます。

 と思っている間に、いよいよ名護市長選も公示されました。いやぁ、どうなることやら...

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2010年01月10日

2025年に向けて...

 サステナ・ラボではこれまでも、持続可能性をテーマに様々な話題を紹介して来ました。将来の社会を持続可能なものにするために、そのヒントになるようにと考えてです。一方、僕は本業ではCSRのコンサルティングをしていますが、これも、持続可能な社会を作る責任ある企業を支援したいとの思いでやっています。この会社のビジョン(=実現したいこと)は、「2025年までに持続可能な社会の基礎を作り、次の世代に手渡す」ことです。

 今年はこのことをもっとわかりやすく表現し、自分たちでもいつも意識するようにと思い、新しくコーポレート・メッセージを作りました。「2025年を創る会社」というのがそれです。年賀状で紹介したところ、嬉しいことに多くの皆さんからお褒めの言葉をいただきました。もちろん口だけではだめなので、これからさらにしっかりと有言実行していきますが...

 今年は2010年ですが、2025年までは実はもう15年しかありません。2025年というと随分と先のようにも思えるのですが、実は案外もうすぐでもあるのです。ですから、2025年に何をどうするのか、そのために今何をしなければいけないのか。もう少し自分自身も、そして世の中の方々にも、きちんと考えていただきたいと思っています。何しろ、2025年までに持続可能な社会の基礎が出来ていないようであれば、本当にとんでもないことになってしまいますから...

 そんなわけで、2025年に向けた一般向けの本を出すことにしました。年末からお正月にかけて原稿を仕上げ(なんと5日が入稿〆切でした(^^;))、この連休はゲラと戦っています。大急ぎで準備した原稿なので、細かいところで手を入れたいところがたくさんあり、なかなか大変です。

 月曜日までが一つの大きな山なのですが、それを超えられれば、来月には皆さんにも本をご披露できます! どうかそれまで、楽しみに待っていてくださいね。

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2010年01月06日

個人の力を増幅するもの

 今日の日経の「春秋」にも取り上げられているように、鳩山首相が御正月からツイッターを始めました(@hatoyamayukio)。どんな対話ができるようになるのか、どんな成果が出るのか、まだまだわかりませんが、それでもこの一歩には期待したいと思います。(春秋の書き手は、かなり皮肉な見方をしているようですが....)

 もちろんツイッターのユーザーからは大歓迎。既にフォローワーも115,000名を超えています。ツイッターのユーザーでもあり、鳩山首相に直接お誘いしたというさとなお氏(@satonao310)が、ブログで素敵な歓迎をしています。大賛成です。
■「ボクはネットの善の力を信じている」(さとなお.com)

 そして今日、同じくTwitterで知った素敵なニュース。インターネットによる署名活動で10日間で約10万通の署名を集め、「漢方薬保険外し問題」を阻止するのに大きな力を発揮したのだそうです。特にツイッターがもっとも、大きな力を発揮したようです。もっとも、僕はこのニュースをツイッターで知るまでは、署名集めそのものは知りませんでしたが...(^^;)
■「【インタビュー】署名サイトを運営した東京大学医科学研究所病院・湯地晃一郎氏」(薬事日報ウェブサイト)


 これからいよいよ、選挙活動へのインターネットの使用も解禁になります。直接民主主義的な動きが、インターネットを通じて一気に盛り上がりそうです。僕も、ネットの善の力を、そして個人の善の力を、信じたいと思います。そして勿論、この個人の力を増幅し、つないでくれるネットの力にも...

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2010年01月03日

生命の年、始まる

皆様、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

 さて、ご存じの方も多いと思いますが、今年2010年の10月には、生物多様性条約(CBD)のCOP10(第10回締約国会議)が名古屋で開催されます。そんなこともあって、日本ではお正月から「生物多様性」という言葉が様々なところで目に付くのではないかと... 想像します(笑)

 そしてそれに加えて、今年2010年は、国連が定めた「国際生物多様性年」でもあるのです。私たちの毎日の生活や経済活動が深く依存している生物多様性、しかし人間活動が原因でその生物多様性が急速な勢いで損なわれているのは皆さんご存じのためです。

 このままでは私たち自身の生活や地球の未来が危うくなってしまいますので、これ以上生物多様性が失われることがないよう、このかけがえのない生物多様性を守るため、私たち一人ひとりが行動をしましょう。そういう年なのです。

 以前にもご紹介しましたが、以下がそのロゴです。
 IBDY_logo.jpg
 スローガンは、"Biodiversity is life. Biodiversity is our life." 日本語にすると、「生物多様性、それはいのち。生物多様性、それは私たちの暮らし」です。

 前回12月31日の記事でも書いたように、僕はこの年末年始はとある南の島で過ごしています。リラックスしながらも、ふだんと違う環境、特に街の喧噪からは離れたところで、一気に原稿を仕上げてしまおうという計画です。

 ただせっかくなのでいつもと少し違ったこともしようと、元旦には馬に乗ってみました。と言っても、自由に馬を乗りこなせる技術を持っているわけではないので、乗馬倶楽部のスタッフに見守られながら、海辺をゆっくりお散歩するようなものです。

 それにしても、ふだんと違うことはやってみるもので、馬に乗るってことはすごいことですね。自動車のような機会ではなく、生きものの上にまたがって、その生きものがこちらの意志に従って、歩いたり、止まったり、ちょっと駆け足したり... とても愛らしくなって首のところをなでてあげると、これがまた暖かくて、滑らかで、当り前なのですがすごく生命感があるのです。ほれぼれしちゃいます。

 よく映画などで、野生の馬を捕まえて調教してみたいなシーンがありますが、実際はそんなに容易いものではなかったのではないかと思います。人間がどのぐらい時間をかけて、どうやって馬を手なずけてきたのか。その過程でどんなドラマがあったのか。そして、馬と人間の間に築かれた信頼関係はどのようなものなのか... いろいろなことを想像してしまいます。

 一時間ほどの「初乗り」を終えてリゾートに戻ると、近所の農家のおじさんが一日から田んぼで仕事をしていました。まぁ、生きもの相手ですから、当然なのかもしれませんが....

 ちょっとそれを横で見ていると、早苗を植えたばかりの田では、田に満々と水を湛えるようにしてあり、苗が少し育っている田では、泥の中に溝を切り、水がそこを流れるようにしています。ですから苗は水の中に浸かるのではなく、水面より上に出た泥の上に並んでいるのです。

 その作業をすべて手で、一つひとつ丁寧に続けていました。とても手のかかる仕事です。そういえば、苗代を作って田植えをするのは日本の習慣で、東南アジアでは種もみを直播きするのが普通と聞いたことがあります。でも、この田んぼの様子は、明らかに田植えをしています。この辺ではちゃんと苗代を作る習慣があるのか、それともこの田んぼの世話をしている方が特別丁寧なのか... 直接聞いてみれば良かったのですが、そのことを疑問に思ったのはしばらく経ってからで、もう農家の方の姿は見えなくなってからでした。残念。

 それにしてもここ数日、田んぼの中で暮らしていると、本当に生きものが豊かなことに驚かされます。鳥や虫はもちろん、そこかしこにカエルがいて、ときに蛇も出現します。鳥の鳴き声も時間帯によって全然違うし、人間を恐れず、すぐ近くまでやって来ます。もちろん鳥や蛇は、カエルや虫を食べて生きているわけです。虫は数も多いけれど、命は短く、そこかしかこに死体も見かけます。すると今度はそこに蟻がたくさん集まってきて... 命が循環していること、田んぼがその舞台であることを実感しました。

 そうしてこうした光景を見たり、感じたりしていると、日頃の東京の環境が、いかに生命と切り離された人工的なものであるかも気付かされます。庭木や街路樹など、多少の緑はあるにしても、この田んぼに見られるような生きものの多さとはまったく異なります。

 日本の里山も昔はこういう光景が広がっていたのでしょうが、それに比べて今の日本の田畑は静かなものです。その日本が「SATOYAMA」を言ったところで、果たして世界はどう思うことやら...

 おっと、話が脱線しましたが、この濃密な生きものたちに囲まれながら、そしてその生きもの世界を廻す唯一のエネルギーである太陽の光を受けながら、どうしたら生きものと私たちの生活の関係を再生できるのか、そんなことを考えています。

 2010年を単にCOP10という「イベントがあった年」ではなく、COP10をきっかけに、人間と生きものを関係を回復する動きが本格化する年にしたいと思います。生命の年の、始まりです。

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posted by あだなお。 at 02:18| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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