皆様、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
さて、ご存じの方も多いと思いますが、今年2010年の10月には、生物多様性条約(CBD)のCOP10(第10回締約国会議)が名古屋で開催されます。そんなこともあって、日本ではお正月から「生物多様性」という言葉が様々なところで目に付くのではないかと... 想像します(笑)
そしてそれに加えて、今年2010年は、国連が定めた「国際生物多様性年」でもあるのです。私たちの毎日の生活や経済活動が深く依存している生物多様性、しかし人間活動が原因でその生物多様性が急速な勢いで損なわれているのは皆さんご存じのためです。
このままでは私たち自身の生活や地球の未来が危うくなってしまいますので、これ以上生物多様性が失われることがないよう、このかけがえのない生物多様性を守るため、私たち一人ひとりが行動をしましょう。そういう年なのです。
以前にもご紹介しましたが、以下がそのロゴです。
スローガンは、"
Biodiversity is life. Biodiversity is our life." 日本語にすると、「
生物多様性、それはいのち。生物多様性、それは私たちの暮らし」です。
前回12月31日の記事でも書いたように、僕はこの年末年始はとある南の島で過ごしています。リラックスしながらも、ふだんと違う環境、特に街の喧噪からは離れたところで、一気に原稿を仕上げてしまおうという計画です。
ただせっかくなのでいつもと少し違ったこともしようと、元旦には馬に乗ってみました。と言っても、自由に馬を乗りこなせる技術を持っているわけではないので、乗馬倶楽部のスタッフに見守られながら、海辺をゆっくりお散歩するようなものです。
それにしても、ふだんと違うことはやってみるもので、馬に乗るってことはすごいことですね。自動車のような機会ではなく、生きものの上にまたがって、その生きものがこちらの意志に従って、歩いたり、止まったり、ちょっと駆け足したり... とても愛らしくなって首のところをなでてあげると、これがまた暖かくて、滑らかで、当り前なのですがすごく生命感があるのです。ほれぼれしちゃいます。
よく映画などで、野生の馬を捕まえて調教してみたいなシーンがありますが、実際はそんなに容易いものではなかったのではないかと思います。人間がどのぐらい時間をかけて、どうやって馬を手なずけてきたのか。その過程でどんなドラマがあったのか。そして、馬と人間の間に築かれた信頼関係はどのようなものなのか... いろいろなことを想像してしまいます。
一時間ほどの「初乗り」を終えてリゾートに戻ると、近所の農家のおじさんが一日から田んぼで仕事をしていました。まぁ、生きもの相手ですから、当然なのかもしれませんが....
ちょっとそれを横で見ていると、早苗を植えたばかりの田では、田に満々と水を湛えるようにしてあり、苗が少し育っている田では、泥の中に溝を切り、水がそこを流れるようにしています。ですから苗は水の中に浸かるのではなく、水面より上に出た泥の上に並んでいるのです。
その作業をすべて手で、一つひとつ丁寧に続けていました。とても手のかかる仕事です。そういえば、苗代を作って田植えをするのは日本の習慣で、東南アジアでは種もみを直播きするのが普通と聞いたことがあります。でも、この田んぼの様子は、明らかに田植えをしています。この辺ではちゃんと苗代を作る習慣があるのか、それともこの田んぼの世話をしている方が特別丁寧なのか... 直接聞いてみれば良かったのですが、そのことを疑問に思ったのはしばらく経ってからで、もう農家の方の姿は見えなくなってからでした。残念。
それにしてもここ数日、田んぼの中で暮らしていると、本当に生きものが豊かなことに驚かされます。鳥や虫はもちろん、そこかしこにカエルがいて、ときに蛇も出現します。鳥の鳴き声も時間帯によって全然違うし、人間を恐れず、すぐ近くまでやって来ます。もちろん鳥や蛇は、カエルや虫を食べて生きているわけです。虫は数も多いけれど、命は短く、そこかしかこに死体も見かけます。すると今度はそこに蟻がたくさん集まってきて... 命が循環していること、田んぼがその舞台であることを実感しました。
そうしてこうした光景を見たり、感じたりしていると、日頃の東京の環境が、いかに生命と切り離された人工的なものであるかも気付かされます。庭木や街路樹など、多少の緑はあるにしても、この田んぼに見られるような生きものの多さとはまったく異なります。
日本の里山も昔はこういう光景が広がっていたのでしょうが、それに比べて今の日本の田畑は静かなものです。その日本が「SATOYAMA」を言ったところで、果たして世界はどう思うことやら...
おっと、話が脱線しましたが、この濃密な生きものたちに囲まれながら、そしてその生きもの世界を廻す唯一のエネルギーである太陽の光を受けながら、どうしたら生きものと私たちの生活の関係を再生できるのか、そんなことを考えています。
2010年を単にCOP10という「イベントがあった年」ではなく、COP10をきっかけに、人間と生きものを関係を回復する動きが本格化する年にしたいと思います。生命の年の、始まりです。
今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
よろしかったら、応援のクリックをお願いします!
読んだ印に、Click me!
posted by あだなお。 at 02:18| 東京 ☀|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
生物多様性
|
|