2010年07月26日

投資先にもご注意を!

 しばらく前にグリンピースがネスレに、使用しているパームオイルのことでネガティブ・キャンペーンを行ない、その結果、ネスレはインドネシアのシナール・マス・グループからの調達は止め、2015年までに持続可能な認証パームオイルを100%使用することを約束したことなどはご紹介しました。
《関連記事》
■「NGOを舐めてはいけません」(2010年5月31日)

 そしてそのグリンピースが、今度は英国の大手銀行、HSBCも動かしました。HSBCはもともと環境や社会面での配慮に熱心であり、森林の林産物セクターについての独自の厳しい投融資ポリシーを持っているほどです。しかし、シナール・マス傘下のプランテーション会社ゴールデン・アグリ・リソーシズ社に投資していたのです。これは同社のポリシーが、アセット・マネジメント・ファンドに対しては適用にならないという"穴"があったからです。

 グリンピースの指摘を受け、また1万人が抗議のメールが送られてきたこともあり、HSBCはまずゴールデン・アグリ・リソーシズ社の株式をすべて売却し、またポリシーの適用について9月に見直す予定といいます。

 グリンピースは現在、UBSやクレディ・スイスにも、ゴールデン・アグリ・リソーシズ社の株式を売却するように要請しているということです。
出典:"HSBC pulls investment from Sinar Mas after Greenpeace protest"(Guraridan、2010年7月8日)

 実は日本の銀行や機関投資家にも、オイルパーム農園に投融資を行っているところがかなりの数があるといいます。以前、インドネシアのNGOの方からリストを見せてもらったことがあるのですが、大手銀行はもちろん、地方銀行の名前までたくさん並んでいてびっくしたことがあります。

 僕の手元には数年前の古いデータしかありませんので、今その銀行名はここでは出しません。ただ、COP10に向けて、海外のNGOが日本企業を"標的"にする可能性も十分あると思います。「そんなつもりはなかった」では済まされませんので、自社のお金がどこに投融資されているのか、きちんと確認してみる必要性がありそうです。

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posted by あだなお。 at 12:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | CSR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月24日

本気でグローバル

 このところCSR業界(?)で話題のニュースと言えば、ファーストリテイリング、つまりユニクロがバングラディッシュで10月からソーシャルビジネスを行うことを決めたというものです。しかも合弁先はかのグラミン銀行。これはたしかにアッと驚かされます。

 ファーストリテイリングが、いや柳井さんがどう考えたのか聞いてみたいところですが、会見で述べたという「(バングラデシュは)将来大きな市場になる可能性がある。生活がよくなり、経済的に自立できる一助になれば、ビジネスとしてもやりがいがある」というセリフはかなりのところ本音だと思います。
出典:「ファストリ バングラデシュに衣料合 弁設立へ 脱貧困貢献・市場成長両にらみ」(サンケイビズ、2010年7月14日)

 そして何より興味深いのは、おそらくはビジネスで勝つことになによりも真剣なファーストリテイリングが、バングラディッシュという途上国で、ソーシャルビジネスを行うことに目をつけ、動き始めたということです。

 しばらく前からBOP(Bottom of the Pyramid=貧困層)を対象としたBOPビジネスが、CSRとビジネスを両立させるものとして喧伝されながら、日本企業のほとんどは、有効なモデルを実行できずにいます。そこに、CSRとあまり騒ぐことはないファーストリテイリングがやって来て、なるほどと思うようなモデルをさっと登場させたのです。多くの企業が「そう来たか!」と唸ったのではないでしょうか。

 僕もこのニュースを知ったときにはそう思いました。そして次の瞬間、ファーストリテイリングはグローバルなビジネス展開に本気なのだなと感じました。

 というのも、メルマガに書いているエッセーで、ちょうどユニクロのグローバルな人事戦略について紹介した直後のことだったからです。
《参考リンク》
■「本当のグローバル化が始まった(2)」(サステナブルCSRレター 84号)

 多くの日本企業が、グローバルにビジネスをしながら、意識はまったくドメスティックであるのに対して、「ファーストリテイリングは、2012年3月から社内の公用語を英語にし、外国人の採用を順次拡大し、幹部社員の賃金体系も世界で統一する」など、ビジネスの舞台はグローバル(地球全体)だと実質的に宣言したからです。

 CSRの課題は、地域ごとに異なります。CSRとは、企業の力を使って、社会の課題を解決する活動だからです。ですから、CSR「=企業の社会に対する責任」を果たすために、それぞれの社会の課題を理解し、それを解決する自分たちなりのやり方を考え、実行する必要があります。しかも、社会はものすごい勢いで変化しています。課題も、やり方も、どんどん変化させる必要があります。

 ファーストリテイリングは、そのことをしっかり理解しているのだと思います。だから常にアンテナを伸ばし、そのとき、その場所で必要とされることに挑戦しようとしているのでしょう。

 と思って同社のWebを見てみたら、「世界を良い方向に変えていくために、ユニクロができること   ユニクロでは、衣料の製造・販売だけでなく、企業としての社会的責任を果たすために、地域に根ざしたCSR活動をおこなっています。世界を良い方向に変えていくために。ユニクロのCSR活動はグローバルに展開していきます。」とありました!(CSR - UNIQLO) なるほど、よーくわかっていらっしゃる!

 サスラボでは、以前、同社の障害者雇用率が非常に高いことを紹介したことがあります。しかもユニクロはそれをCSRとして行っているのではありません。「きれい事を言う気はない。障害者を雇うのはその方が顧客サービスが向上するからだ」と言い切っています。最初は法定雇用率を達成するために始まったそうですが、その意外な効用に気付くと、今度はそのことを積極的に活かすようにしたのです。こういうレスポンスの良さが、同社の成功の要因なのかもしれませんね。
■「それでも お荷物ですか?」(サステナ・ラボ)

 バングラディッシュでの新ビジネスは、簡単ではないかもしれません。しかしもしそこで多少の失敗はしても、同社であれば、きっとそれを成功のための大きなヒントにするのではないでしょうか。ファーストリテイリングからは今後ますます目が放せません。

 それにしても、今までのやり方、今までの考え方に固執している企業は... 一体どうなってしまうのでしょうね? そちらはかなり心配です(^^;)

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posted by あだなお。 at 00:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | CSR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月12日

ビックリ選挙

 選挙から一夜明けました。今回、いろいろな意味でビックリすることが多かったので、ちょっとまとめておきたいと思います。

 まず選挙結果にビックリです。たしかに鳩山政権はマニフェストの内容を実現できなかったばかりか、選挙前には党首交代。しかも菅首相は交代するなり、選挙前に消費税値上げなど言い出すものですから、ある程度議席を減らすことは予測できましたが、まさかここまでとは... そしてこのオウンゴールで民主が票を減らすのはしかたがないにしても、その結果、自民がここまで復活するのもビックリです。

 もう一つビックリしたのは、普天間問題がほとんどまったくと言っていいほど、選挙の争点にならなかったことです。鳩山失脚の原因の一つは普天間問題の対応を誤ったことだと思いますし、これがきちんと決着したとは今だとても思えないのですが、それがまったく争点にならなかったのはビックリです。

 争点という意味では、環境問題も見事なほどに争点にならなかったと言っていいのではないでしょうか。2020年に温室効果ガス排出量を1990年比25%削減とする地球温暖化対策基本法案の再提出がかかっています。基本法反対派(?)のメディアは「これが争点」「慎重に議論を」などと言っていましたが、実際には多くの候補者はほとんどこのことを口にはしなかったのではないでしょうか。もちろん、それ以外の環境問題などゼロと言ってもいいと思います。

 選挙では様々な組織が自らの利害関係のため、組織的に票を投じることがあると言われます。今回の参院選のように投票率が低い(57.92%で前回よりマイナス0.71ポイント)と、この組織票の大きな政党や候補が有利と言われます。さて、それでは今回はその組織票はどうだったのか? もちろん正確な中身は誰にもわからないわけですが、組織力(=票?)の一覧がテレビで報道されたのだそうです。報道したのはテレビ東京、これはなかなか事件なのではないでしょうか。ちなみに投票率に関しては、沖縄県が7.88ポイント減と大幅減少していますが、この意味を政治家はもちろん、私たち全員が噛みしめる必要があるのではないでしょうか。
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出典:「テレビ東京すげえ!ある意味タブーの組織票を一覧にまでして報道!

 そして一番ビックリしたのは... 僕は半人前どころか、1/4人前でしかなかったということです。どういうこととかと言うと... 「一人一票実現国民会議」のWebサイトで自分の一票の価値がどのぐらいあるのか、一票の力がもっとも大きい選挙区と自分の選挙区で比較するページがあります。そこで調べて見ると、なんと僕の一票はもっとも人口あたりの議員数が多い選挙区を一人一票とすれば、0.23票にしかならないのです!! つまり、昨日せっかく投じた一票も、人口が少ないその選挙区の有権者の1/4の発言権しかなかったということです。今の時代であれば、IT技術を使えば完全に公平な投票権も技術的には可能です。多少の誤差はしかたないと思いますが、4倍以上というのはあまりにヒドイ。技術的、制度的に解決できない問題というより、意図的に放置しているとしか思えません。
■「あなたの一票の価値は」(一人一票実現国民会議)

 こうしてみると、結局はかなり卑近な問題というか自分たちにとっての短期的な利害で票を投じる層、あるいはタレントやスポーツ選手など有名人に投じる層、そうしたポピュリズムが蔓延していることを示す結果と言っていいのではないでしょうか。そして守旧派は、むしろそうした現状を都合が良いものとして肯定しているように思います。

 こうした問題を解決するためには、選挙区の抜本的見直しネット選挙の導入などが効果的だと思いますが、今までの仕組みや既得権を変えたくない方々は、こういう制度変更には強硬に抵抗するのでしょうね。たくさんビックリして、最後はかなり呆れてしまった参院選でした。

 衆参ねじれた政治がこれからどのようになるかは注意深く見守りたいと思いますが、考えようによっては、このような状態だからこそ、緊張感が生まれ、きちんと政策で争うという状況にもなるかもしれません。社会も、環境も、経済も、すべてがまったなしの状況です。まっとうな政治主導で3年後にはビックリするような進展があるようにしたいですね。

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posted by あだなお。 at 12:04| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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