2010年08月27日

新刊発行予定です

 この数ヶ月、かなりエネルギーを注ぎ込んでいた新刊の発行スケジュールが確定しました。タイトルは「生物多様性経営 持続可能な資源戦略」で、9月27日の発行予定です。

 ちょっと大仰なタイトルですが、企業が生物多様性を保全することは、単なる社会貢献ではないことはもちろん、リスク管理としての対応でもなく、もっと大きな意味がある。そういう本です。

 そのココロは、生物こそ21世紀以降のビジネスを支える持続可能な資源ということです。しかも、生物資源は再生可能な資源であるだけでなく、これまでの私たちの技術や生活を一変させるような、そんな可能性も秘めているのです。

 そんな生物資源を活用することが21世紀以降のビジネスが成功する鍵なのですが、そのためには、生物をよく理解すること、多様な生物を保全することが重要であるのは言うまでもありません。

 そしてそのような生物多様性を活かした経営をするためには、いくつか注意しなければならない点があります。それは... 本書を読んでのお楽しみということで(笑)

 このように、この本はこれまでの生物多様性の本とは違って、現状を解説するだけではなく、未来の可能性について語る、ちょっと異色の本になったと思います。既にアマゾンで予約可能になっていますので、ご興味のある方は、ぜひ予約なさってくださいね(と、宣伝(笑))。

 ところで、COP10まであと一ヶ月半ということで、このところ急速にメディアからの取材が増えています。新聞、テレビ、ラジオ等々、ほぼ連日のように取材の方がいらっしゃって、COP10が近づいて来たのだなと感じます。嬉しいのは、最近は「生物」の話題としてではなく、「経済」の話題として取り上げてようとしてくださるメディアも増えてきていることです。生物多様性条約の本当の意味が、徐々に浸透しているのかなと感じます。

 そうは言うものの、これまでのところ取材をいただいたのは、やはり環境関連と経済関連のメディアの方が圧倒的です。さすがに一般の週刊紙とか、そういう広がりはまだありません。生物多様性というのは本来は私たちの日常生活、日常のビジネスと関わりがある問題ですので、COP10を機に、関心がどこまで広がるか、広げられるかだと思います。

 皆さんもぜひ、周りの方々と生物多様性を話題にしてみてくださいね。
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posted by あだなお。 at 10:19| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

地球2.3個を消費!

 WWFジャパンから「エコロジカル・フットプリント」の2009年の日本のレポートが発行されました。

エコロジカル・フットプリントについては以前の記事「あなたの足、大き過ぎませんか?」を参照していただきたいと思いますが、つまりは、私たち一人ひとりが生きるために、地球の土地や水面をどれだけ使っているか、踏みつけているかという指標です。

 『エコロジカル・フットプリント・レポート 日本2009』によれば、私たちは一人あたり4.1グローバルヘクタール(gha)を使っているのですが、これは世界人口一人あたりに割り当てられる1.8ghaの2.3倍。つまり、日本人は割当の2.3倍の面積を使っており、世界中の人がそんな生活をしたら、地球が2.3個必要ということです。

 なぜ私たちはそんなに大きな足跡なのか、これを小さくするのはどうしたらいいのか? 詳しくは以下のサイトをご覧ください。
■「エコロジカル・フットプリントで見る、日本がかけている地球への負担」(WWFジャパン)

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posted by あだなお。 at 01:13| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 持続可能性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

石油って大丈夫なんだろうか?

 石油があと何年持つのか? タイトルを見てそういう話かと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら今回はそういう話ではありません。あるいは、気候変動の話でもありません。もちろんそれらも重要な問題ではあるのですが、最近それ以外にも本当に石油はまずくなって来たのではないかと思うことが続くのです。

 一つは言うまでもなく、メキシコ湾におけるBPの原油流出事故です。最近の報道では、BPの被害額は61億ドルにも上るとの予測が出ていますし、この油田に10%の権益を持つ石油開発会社には4億8千万ドル、つまり412億円あまりの請求が届いたとのことです。実はこの会社、三井物産が70%出資する三井石油開発の米子会社です。BPの今回の処理コストは61億ドルに達するという別の報道もありますので、この請求書はさらに膨れ上がるかもしれません。

 1600mという水深で起きた油漏れが完全に止められたかはまだわからないようですが、その影響はこれまでだけでも非常に深刻なものです。油による影響だけでなく、その被害を食い止めるために大量に使われた化学分散剤が海洋生態系に深刻な影響を与えているのではないかという疑いです。

 そもそもなぜ水深1600mなどという危険な場所で操業をすることになったのか。もちろんそれは、もっと浅い、より簡単に採掘できる油井が底をつきつつあるからです。今回の事故はなんとか収束したとしても、今後さらに深海での採掘現場が増えれば、同様の事故の可能性がないとは限りません。本当にそこまでのリスクを追って開発する必要があるのでしょうか。

 では、既存の陸上の油井であれば、問題はないのでしょうか。いえ、それとはまったく別のリスクが顕在化しています。商船三井のタンカーが、ホルムズ海峡でテロにあったというのがそれです。

 今回は船体が傷つく程度でしかなかったことは幸いでしたが、民間のタンカーがテロのターゲットになるというのはやはり衝撃的です。運んでいるものがものだけに、当たりどころが悪ければ大惨事につながるところです。

 ホルムズ海峡と言えば、世界の原油の4割(!)が通るという大動脈です。たとえ航行不能とまではいかなくても、夜間の航行が出来なくなったり、保険料上がったりするなどすれば、経済への影響も甚大です。

 問題はそれだけではありません。実はこれは既に長い間問題になってきたのですが、ナイジェリアのニジェールデルタではこれまで数十年にわたって、少なくとも150万トンの原油が流出したと言います。これは、エクソンバルディーズ号が座礁した際に流失した量の50倍であり、BPのメキシコ湾事故の数倍にもなる量です。

 日本ではほとんど報道さえされませんが、それほどの流出が50年近くも続いているのです。これほどの環境破壊を起し、リスクを孕んでいるのです。石油が有限で持続可能性がないことは言うまでもありませんが、石油を使い続けることが、私たちの持続可能性を危うくしているのです。気候変動対策としてはもちろんですが、一刻も早く卒業しなければいけないのは明らかでしょう。

 なぜそれが出来ないのか。そもそもなぜこの国ではこのような大切な問題が議論されないのか。不思議ではありませんか?

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posted by あだなお。 at 07:52| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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