2011年01月20日

食料危機がやって来る?

 今週は今年最初の海外出張で中国に来ています。移動の途中でニュースを読んでいて気になったのは、Financial Timesの"Indonesian crop failures add to food fears"(インドネシアの穀物不作が食料危機を加速)という記事です(2011年1月17日)。これによると、インドネシアでは主食の米の価格が、生産量の低下が原因で、過去一年で3割も上昇したそうです。また、食事の際にはサンバルという唐辛子ソースが「何はなくても」なのですが、その原料である唐辛子は、ここ数週間で5倍(!)にも値上がりしたというのです。両方とも庶民にとっては大打撃です。政府は「野菜を家で育てよう(Grow Your Own Vegetables)」キャンペーンを行っているそうですが、果たしてその程度でこの問題に対応できるかどうかは疑問です。

 なぜなら、そもそも主食の米はどうするのかという問題に加えて、これは今シーズンだけの一過的な、あるいはインドネシアだけの問題ではないからです。ロシア周辺諸国の干ばつに始まり、オーストラリアの洪水、そしてインドネシアやインドなどアジア各国の不作など、世界全体で食料生産が減少する傾向が連鎖しています。言うまでもなくその原因の一つは異常気象であり、おそらくそれは気候変動の影響でしょう。となると、こうした問題は今後も頻繁に、もしかしたらより規模を拡大して発生するかもしれません。

 実際、フィナンシャルタイムズの記事の中でも、インドネシアの農業副大臣は「これは食料危機ではなく、天候の危機だ」として、食料の価格高騰による暴動が起きないように警戒しているとありました。

 その後少し調べてみたら、少し前に国連食糧農業機関(FAO)が、世界の主要食料価格指数が上昇し、昨年末には世界各地で暴動が起きた2007〜2008年の食料危機時を上まわったことを発表したそうです。
出展:「世界の食料価格が高騰 異常気象、新興国の需要拡大で過去最高に」(MSN産経ニュース、2011年1月10日)

 今年は世界人口がついに70億に達する見込みです。まずは今年の不作が世界的な食料危機にならないことは祈るばかりですが、抜本的な対策についても真剣に考えなければならない時期だと思います。

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posted by あだなお。 at 17:28| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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