東京都日野市の三階建て分譲マンション「きなりの家」。屋上の菜園では無農薬の野菜や果物を育てている。太陽光で温めた水を風呂に使ったり、再生できる建材を採用したり。企画・設計したアンビエックス(東京・目黒)の相根昭典代表(54)は「循環型の暮らしを目指した」と話す。出典:「エコを貫く(1)自然派住宅、高まる意識(くらし変化球) 」(日経、2008年6月26日)
設備や暮らし方は住民の話し合いで決まる。例えば「世界一遅いエレベーター」。必要なときしか乗らないよう、歩くより遅いものを選んだ。
なるほど。目から鱗です。やはり人の心理を読んで設計する必要があるのですね。この記事を読んで思い出したのが、あるゼネコンのオフィスビルです。
エレベーターより手前に、吹き抜けの空間に面した大きな明るい階段があるのです。2階上下に移動するぐらいだったら、自然と誰もがエレベーターではなく、この階段を使うのだそうです。環境負荷が減るだけでなく、メタボ予防にもなりますし(笑)、異なる部署の社員同士の会話が増えたそうです。
エレベーターの横に「2アップ3ダウンまでは階段を利用しましょう」などという貼り紙をするより、よほど気が利いていますよね。要は、自然と人がそう動くような環境や仕組み作りなのです。
さて、冒頭で紹介した記事には、その後にさらにおもしろい話が載っています。このマンションは、住民の人生まで変えたのだそうです。
マンションの広告を見た石黒則夫さん(55)は、設計の自由度に魅力を感じて入居。農業や環境など問題意識の高い人と触れ合い、生き方を揺さぶられた。「会社で残業している場合じゃない」出典:同上
石黒さんは〇七年秋、電機大手を退職。最近は環境保全に取り組む非営利組織(NPO)を手伝うため、新潟に行くことが多い。「ここに住むまでこんな人生考えられなかった」と笑う。
そこまで意図はしていなかったのでしょうか、思わず乗せられてしまった方の楽しそうな笑顔が目に浮かぶようです。
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