2008年08月17日

TV番組2題

 お盆の週末最後の今日やっと時間を取ることが出来、以前から見たかった番組をビデオで見ました。NHK BS1が6月(^^;)に放映した<シリーズ 地球は訴える 〜大地〜>「アグリビジネスの巨人 “モンサント”の世界戦略」です。

 化学会社からはじまり、農業関連分野で文字どおり世界を席捲する勢いのアメリカ、モンサント社のビジネスに疑問を投げかけるフランス製作のドキュメンタリーです。
■「アグリビジネスの巨人 “モンサント”の世界戦略 前編」(NHK)
■「アグリビジネスの巨人 “モンサント”の世界戦略 後編」(NHK)



 詳細な内容については以下のブログなどをご参照いただきたいと思いますが、この番組ではおもにモンサントが開発した除草剤ラウンドアップと、ラウンドアップへの耐性を持つ遺伝子組換え作物(GMO)を中心にストーリーが展開していきます。
■「食糧を武器にしたモンサントの世界戦略の脅威 PART I」(COCCOLITH EARTH WATCH REPORT)
■「食糧を武器にしたモンサントの世界戦略の脅威 PART II」(COCCOLITH EARTH WATCH REPORT)
■「<シリーズ 地球は訴える 〜大地〜> アグリビジネスの巨人“モンサント”の世界戦略 前編」(TVから世界へ情報発信! )
■「<シリーズ 地球は訴える 〜大地〜>アグリビジネスの巨人“モンサント”の世界戦略 後編」(TVから世界へ情報発信! )

 しかし、本当の問題はGMOではありません。いみじくもモンサントの社長も言っているように、GMOそのものがいいのでも悪いのでもなく、使い方の問題です。GMOを利用して、世界の農業を囲い込んでしまおうというモンサントの強引なやり方こそもっとも非難されるべきものでしょう。

 そもそもこの番組は反モンサントの立場のフランスのジャーナリストが製作したものですので、どうしてもモンサントには都合の悪い話ばかりが並び、もしかしたら一方的なのかもしれません。しかしそれにしてもモンサントのやり方は、GMOやそれにまつわる危険性についてある程度の予備知識を持って見ても、驚くことの連続です。

 GMOを認可させるために自国(=米国)政府に圧力をかけるのはあたり前。そればかりか、イギリス政府にも圧力をかけ、モンサントに疑問を投げかける研究者は次々に職を追われています。

 日本では現在、GMOを原料に使う場合には表示することが義務づけられています。欧州よりはかなりゆるい基準ではあるのですが、もともとはアメリカ政府に配慮してなかなか義務化しようとしなかった日本政府が、消費者感情に対応する流通業の動きがあってなんとか義務化になったのです。ところがアメリカでは、なんとGMOを使っていることを表示しては「いけない」のです。表示することが法律で禁止されているのです。これにはビックリしますね。

 そしてモンサントによる種子の独占と、農家に対する徹底的な締めつけ。ちょっとでも反動的な農家は訴訟の対象になり、裁判に敗けて破産するか、根負けして和解するかしかありません。巨大企業を相手に、農家にはとても勝ち目はないのです。

 政府がGMOの導入を認めない国でも安心はできません。意図的にGMOをばらまき、遺伝子を汚染させようとしているのではとの疑いもあるようです。

 さらに悲惨なのは、GMOとセットの強力な農薬の影響による健康被害や、農薬や種子代の経済的負担に耐えられず、絶望して死を選ぶ農民が増えていることです。

 こうしたモンサントのやり方を見ていると、単に自社の利益を考えているだけではなく、食料を通じて世界を支配しようとしている巨人の姿が浮かび上がってきてゾッとします。

 モンサントの言い分も聞いてみたいとは思いますが、「対話」を方針としておきながら取材は拒否するところをみると、相互の理解は難しいかもしれません。

 さて、今日はこれに続いて珍しくテレビも見てしまいました。「世界ウルルン滞在記」が残念ながら間もなく終了するそうで、今日は東ちづるさんのドイツ国際平和村でした。

 東ちづるさんとドイツ国際平和村のことはサスラボでも何度か取り上げましたが(「平和は祈るものではない」、「ウルルンにうるうる」)、最初に訪れてからもう9年が経つのだそうです。その間、しっかりと平和村を支援する活動を続ける東さんの姿勢には本当に毎回感心します。

 そして今回とても嬉しかったのは、そんな東さんの姿がきっかけになったのでしょう。これまで9年間で総勢133名もの日本人ボランティアが平和村を訪れ、子どもたちの世話をして来たのだそうです。今日番組に登場した方には、ここでボランティアをするために大学でドイツ語を勉強したという方もいて驚かされました。そして、熱心で献身的な日本人ボランティアの影響で、平和村の運営方針も少なからず変化したといいます。そして今や平和村には日本語サイトもあるのです。人々の行動が組織や仕組みを動かすのです。

 そこまでは出来なくいけれどと、番組を通じて寄せられた募金だけでも10億円近いのだそうです。これだけの人に影響を与え行動を起こさせた東さんと姿勢と行動には本当に頭が下がります。そして、彼女に感銘を受けて行動に移したボランティアの方々にも、同じように敬意を表したいと思います。

 それにしても、今日の番組に出てきた日本人のボランティアは女性ばかりでした。男性もまったくいなかったわけではないのでしょうが、なぜ女性が圧倒的なのでしょうかね?(^^;) 

 一方、今日の番組を見ていて本当に憤りを感じるのは、こうした子どもたちは自分たちの利益を争う人間の争いの被害者であるということです。最近の平和村に運び込まれる子どもたちは明らかに症状が違ってきたと言います。爆発や銃撃で直接怪我をしたのではなく、おそらく化学兵器か放射能の影響と思われる原因不明の病気や障害が増えているのだそうです。

 自分の利益だけ考えてとてつもなく愚かしいことをする人間もいれば、他の人のために私欲のない行動をする人間もいるわけですが、その両方がいることに、そして自分の利益とは無関係の行動をする人に動かされる人がいることが、私たちの希望だと思います。

 自分の仕事が、行動が、社会と言わずとも、周囲の人いどういう影響を与えられるかを考えて、また明日からの仕事に励みたいと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
今日の記事はお役に立てましたか?
応援してくださる方は、Click me!



posted by あだなお。 at 23:59| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
モンサントの番組は、録画したのですが、まだ、みてません。あの時期、BSドキュメンタリーは気になる番組ばかりで、ほとんど、録画してるのですが、なかなかテレビの前に座る機会がなく、ぼちぼち、みてます。
モンサントもそうですが、ネスレなどの多国籍企業が水資源の独占化をはかっているというのも気になります。
彼らは、自分たちだけが地球上で生き残ればよいとでも思っているのでしょうか?
Posted by みかん at 2008年08月19日 20:50
みかんさん

モンサントの番組、ぜひご覧ください。かなりショッキングですけれどね...

水資源の民営化も大きな問題ですね。国によっては既に8割、9割が民営化されたところもあります。特に影響が大きいのは途上国です。

多国籍企業といえど、マーケットが存在しないことにはビジネスも続けられないはずなのですが...
Posted by あだなお。 at 2008年08月24日 00:05
あだなおさま

お忙しいなか、お返事ありがとうございます。
そんなにショッキングなのですか。
近いうちに、みますね。
Posted by みかん at 2008年08月27日 19:00
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
Google
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。