■「「日雇派遣」の原則禁止案に対する意見」(経済同友会)
具体的な内容ですが、まず日雇派遣労働の問題点として、以下の4つを挙げています。
1. 派遣会社のコンプライアンス違反
2. 危険業務に対する不十分な安全衛生教育
3. 低所得かつ不安定な雇用形態
4. マージンの高さ
また、日雇派遣という働き方についての同友会の考え方としても、「学生、主婦の短期アルバイト等、短期の就労を希望する者にとっては便利な仕組みである」という企業がよく述べる考えだけでなく、「望まずしてこれを生業とせざるを得ない者、特に就職氷河期において正社員になれなかった若者にとっては、未来に希望を持てない働き方と言わざるを得ない」と理解を示し、問題を共有しています。
その上で原則禁止論については、「日雇派遣を単純に禁止することによって問題が根本的に解決されるかどうか疑問」として、問題点の抜本的な解決を図り、労使双方のメリットを活かすための具体的な問題解決の方向性を提案しています。具体的に各問題について、以下のような対応を提案しています。
1. 派遣会社のコンプライアンス違反に対しては、許可の取消等、厳格な処分を実施すべきである(現行法を維持し、運用を強化)。
2. 危険が伴う業務に対する安全衛生教育を強化する、もしくは、危険が伴う業務に対する日雇派遣を禁止とすべきである。
3. 低所得かつ不安定な雇用形態を改善するためには、新たな支援制度を設けるべきである。
4. 職種別賃金を開示すべきである。
そして《終わりに》には、以下のような文章がありました。
日雇派遣という働き方は、やはり、それを生業とする者にとっては、決して望ましい働き方ではない。雇用の多様化は、「働かせ方」の多様化ではなく、「働き方」の多様化でなければならない。本当にその通りです。働き方の多様化を、働かせ方の多様化にすり替えてはいけないのです。あくまで選択の主体は働く人です。
このように、今回の意見書は日雇派遣の問題について良い方向性を出したものと評価できると思いますが、その背景にもう一つ重要な本質的な問題、構造があることには触れられてていませんでした。
その問題とは、現在の多くの企業の収益ないし競争力は、派遣労働などの「安い」非正規雇用に支えられているということです。これは経営上の問題であるだけでなく、「高い」正規労働者と非正規労働者(派遣労働者も含まれます)の対立構造にも繋がりかねません。
少子高齢化社会において、日雇派遣労働者だけでなく、望まずに非正規雇用に留まっている若者たちを積極的に登用していくことは、わが国の社会基盤を維持し、成長力を高めるために不可欠であろう。このように意見書を結んだ同友会の経営者の方々には、非正規雇用の問題をどう考えるのか、どう解決していくのかについて、引き続き、お考えをお聞かいただきたいと感じました。
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