2005年12月14日

あなたの足、大き過ぎませんか?

 世界の人口が増えれば、当然それだけ環境負荷は増えます。それが今の地球環境問題の最大の限界です。それでは、地球はいったい何人の人間を養うことができるのでしょうか? 2050年には地球人口は90億人に達すると言われていますが、その時、地球はもつのでしょうか?

 ある場所にどれだけの生物が棲むことができるか、それを生態学の用語で環境収容力(carrying capacity)と呼びます。その数であれば、その系は持続可能だということです。しかし、実際にある生態系の環境収容力を定量することは困難です。ましてやきわめて過剰な消費をし、生物学的な原則だけでは計りきれないヒトという生き物の環境収容力を試算するのは大変です。

 しかし、その目安をわかりやすく示してくれる指標があります。エコロジカル・フットプリント(ecological footprint)、つまり「生態学的な足跡」です。人間が生活するために、どれだけ自然資源を生産する土地(水面の面積も含みます)を踏みつけているか、人間活動の足跡の大きさを示す指標なのです。

footprint.jpg
出典:http://www.wwf.or.jp/lib/wwf/lpr2004/ecoprint.htm

 これがそのエコロジカル・フットプリントが1961年どのように拡大しているかを示すグラフです。フットプリントの大きさが1未満であれば、とりあえず人間の生活は、自然の再生速度(生産力)の中にあることになりますが、ご覧のように1980年代後半には既に1を超えています。

 いや、本当に1未満だったらいいのでしょうか? いいえ、地球には人間以外の生物もたくさんいて、その生物もまた自然が再生する生物資源を必要としています。人間以外の生物にどのぐらいの資源を残しておけば良いのかは難しい問いですが、たとえそれが全体の1割とか2割というごく小さなものだとしても、人間が使える資源はその分小さくなります。そのことを考えると、人間が自然の再生能力の内側で生活してきたのは、おそらく1970年代後半までと言っていいのではないでしょうか。

 もし人間が地球上のすべての資源を独占すること許されていたとしても、2001年には人間活動のフットプリントは1.2、つまり地球の再生能力を20%も超過していたのです。あとは今までの貯金を食い潰すだけ。こんな生活はいつまで続けられるのでしょうか? とても持続可能ではありません。

 エコロジカル・フットプリントを指標にすれば、人間が地球に与える負荷をある程度総合的に定量化することができます(資源についてだけですが)。また、それを1に収めることを目的にすれば、自然資源については持続可能な生活の条件を満たすことができます。ちなみに日本のエコロジカル・フットプリントは...  地球全体に割り当てられたものの2.4倍です(^^;) つまり、世界中の人が今の日本人と同じ生活をするためには、地球は2.4個必要になるのです。

 でも、安心してください。アメリカのフットプリントは、割当量の5.3倍です。日本なんてまだまだ可愛いですね(笑) って、笑っている場合じゃありませんよね。

 日本では、環境白書で紹介され、また国土交通省が2003年に各都道府県のエコロジカルフットプリントを試算するという調査をしています。まだ現状を調べただけですが、これが将来の国土政策に反映されるとすれば、素晴らしいことです。

 で、この記事を書くために検索してみたら、なんとNPOまで出来ているんですね。
 ■エコロジカル・フットプリント・ジャパン
  http://www.ecofoot.jp/

 みんなが一人分の足跡を目指せば、持続可能な社会の達成でできます。もしアメリカに友だちがいれば、ぜひこのことを伝えてもらいたいところですが、それはともかく、自分たちの行動をまず振り返りたいですね。

<参考リンク>
 ■エコロジカルフットプリント − 生きている地球レポート2002
  http://www.wwf.or.jp/activity/lpr2002/efp.htm
  ※説明はこれがわかりやすく、また詳しいと思います。
 ■エコロジカルフットプリント(生きている地球レポート2004)
  http://www.wwf.or.jp/lib/wwf/lpr2004/ecoprint.htm
  ※最新版の数値です。
 ■『エコロジカル・フットプリント』とマティス・ワカナゲル氏
  http://www.ecology.or.jp/pioneer/0505.html


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posted by あだなお。 at 01:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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