2005年12月15日

同じ仕事でも...

 先日紹介した「ビッグイシュー」39号の記事にかなり気になる記事が載っていました。その名も「”非正規雇用”残酷物語」です。その中に出て来るいくつかの数字を見るだけで、非正規雇用者という苦しい立場の様子が如実に浮かび上がってきます。例えば、こんな数字はご存じでしたか?

・男性の83.%は正規雇用者ですが、女性雇用者の53.0%は非正規雇用者。
・女性雇用者のうち、年収150万円未満が45.4%。300万円未満を含めると75.8%。一方、男性雇用者のうち、年収150万円以下は9.0%で、500万円以上が38.7%を・めています。
・正規雇用の男性の一時間あたりの賃金を100とすれば、正規雇用の女性は67、パートの男性は41、パートの女性は37
・自給1000円の非正規雇用者が300万円の年収を得るためには、年間3000時間の労働が必要です。つまり、そのためには365日、毎日8時間以上働く必要があります(3000÷365=8.2)。

 もちろんこの数字の裏には、主婦はご主人の扶養家族でいられる範囲内でしかパートをしようとしないことや、男性と女性の雇用者での年齢層の違いなど、いくつかの事情もあります。しかし、全体としてみれば、非正規雇用者は圧倒的に収入が少なく、また多くの女性がその立場にある現状が伝わってきます。例えば、最近では事務補佐をする女性社員はほとんど派遣社員という会社も増えているように聞きます。

 さらに非正規雇用者は、単に賃金が安いだけでなく、雇用の不安定さ、立場の弱さ(それにつけこむ各種ハラスメント)、職業上の訓練の機会の少なさ、昇進の機会の少なさなど、数字には現れない問題が多くあります。一方、非正規雇用者はより自由であるというメリットがありそうですが、現状ではこれだけではデメリットと対抗できるものではなさそうです。

 そして、業績不振や競争激化のあおりで、男性でも非正規雇用者になる例が増えていると言います。39号の一つ前の記事は「いま、若い夫婦を経済危機が襲う」というものなのですが、年収が半分になり、しかも小さな子供を抱えているという、HIKS(Half Income with KidS、年収が半分になった子持ち夫婦)が20代,30代に増えているというのです。豊かな老後を謳歌する高齢者層とは対照的です。ここにも、非正規雇用者という立場の悲哀が見られます。

 CSR的にはどうかなとも思いますが、残念ながら非正規雇用者が増加する傾向には歯止めはかかりそうにありません。だとすれば、たとえ非正規雇用者であったとしても、安心して生活できる。正規雇用か非正規雇用かは、働くことに対する価値感の違いとして、むしろ積極的に選択できる。そうした社会環境を整えることが、急務なのではないでしょうか。

 ほとんど同じ仕事をしているのに、正規雇用と非正規雇用では待遇に雲泥の差。そんな社会には絶対になりませんように。

<関連リンク>
 ■男女雇用機会均等法:見直し(持続可能な社会と金融CSR)
 http://csrfinance.cocolog-nifty.com/mirai/2005/12/post_3f0b.html


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posted by あだなお。 at 00:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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