一口にCSRと言っても、その活動内容は様々です。日本国内でも、何に力を入れているのか、何を目的にしているかは、企業ごと違います。海外となればさらにその違いは大きくなります。今回の講演の中でもイギリスのノッティンガム大学のMoon教授が、興味深い国際比較をしていました。
今回のAFCSRは「社会問題に対する企業からの回答」という全体テーマからもわかるように、社会的な課題にフォーカスが絞られていました。実際東南アジアや南アジアにおけるCSRは、ほとんどの国が発展途上ということもあり、貧困の軽減や、教育への貢献などが大きなトピックスになっており、実際にそうした活動をしている企業が非常に多く参加しています。
日本企業からすればCSRの課題としてはちょっと違和感があるかもしれませんが、社会にそうした課題と必要性がある以上、それはそういうものとして受け止め、特に東南アジアでビジネスを展開する企業は、しっかりと対応していく必要があるでしょう。さもなくば、これは日本企業にとっての大きな落とし穴になる可能性があります。
一方、逆の意味の落とし穴がある可能性も今回強く感じました。東南アジアの企業が語るCSRからは、環境のことがおそろしいほどすっぽりと抜けているのです。貧困をなくす、最低限のインフラを整備する、それが優先課題であることは痛いほどわかりますが、あまりに環境のことが後回しにされているのではないかと危うさを感じざるを得ませんでした。
ある程度経済的に豊かにならないと環境のことは考えられないという説がありますが、もしそれが仮にこれまでは正しかったとしても、本当にそれでいいのかということです。地球環境にはもはやそんな無駄を許す余裕はありませんし、途上国が先進国の失敗の轍を踏む必要などまったくありません。同じ失敗を繰り返さないようにすることこそ、知恵というものです。
そう考えるとアジアのCSRがあまりに社会的な課題ばかりに集中していることに、不安ともどかしさを感じてしまうのです。しかし別の見方をすれば、日本企業は今後アジアに貢献する大きな責任があるということだとも言えるかもしれません。
一つには、まだアジアのCSRの主要な課題に積極的に関わっていないので、今後大きな貢献をする余地がある(^^;)という点に関してです。そしてもう一つは、環境問題について、その重大性を伝え、またどう解決するかを指導するという点においてです。
今日訪れたセントーサ島の高級コンドミニアムは、たしかに頑張っている面もあるのですが、決して最先端の環境配慮技術を注ぎ込んでいるというほどではありませんでした。日本のエコ住宅に比べれば、まだまだ可愛いものです。けれど既にそういう需要も生じているということですから、ビジネスとしてもこれを見逃す手はありません。
まずはアジア各国の持続可能性を高めるために、そして日本の生き残りのためにも、アジアに貢献できることはたくさんありそうです。
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