以前サスラボでもご紹介したアムネスティのフィルムフェスティバルは今週末の開催でした(「いろいろな人権」参照)。昨日は一日仕事だったので、今日、少しだけ観に行って来ました。
イラクのアブグレイブ捕虜刑務所における米軍によるイラク人捕虜虐待事件を扱ったドキュメンタリー映画「スタンダード・オペレーティング・プロシージャー」などを観ました。現場で撮影された写真やビデオを使いながら、当事者たちへのインタビューで構成された作品です。
映画の内容が真実だとすれば(僕はそうだと思っていますが)、本当に酷い、醜い、耐え難い仕打ちが行われていたのです。ちょっと横道にそれますが、日本の新聞で報道されていたことなんて、可愛いもんです。なんでもっとリアルな状況を伝えないのか? たとえそれが目を背けたくなるような残酷なことであっても、だからこそそれをきちんと伝える必要があるのではないかと思うのですが...
タイトルの「スタンダード・オペレーティング・プロシージャー(S.O.P)」とは、「標準業務手順」といった意味ですが、容疑者(まったくの理由なく連行された人も多いようですが)を全裸にして、無理な姿勢で拘束し、顔をパンツで覆うことは捕虜虐待ではなく、S.O.P.なのだそうです。
《参考リンク》
■「被害者たちーハレド・アルマクタリ」(アムネスティ・インターナショナル日本)
※アグレイブ刑務所等で受けた仕打ちについて被害者が述べています。
この狂気のような虐待が「正義」の名のもとに行われたこと、そのことが世界に知られると「規律違反」ということで、現場の一番下っぱの兵隊だけが「正義」の名のもとに処分されたこと。そしてそもそも、米軍のイラク侵攻が「正義」の名の元に行われ、誰もそんなことを信じなくなった今でも撤退の見込がないこと。すべてが唾棄すべき、忌まわしいことばかりです。
拷問も行われたであろう尋問の様子は、写真やビデオが一切撮影されていないので闇の中です。S.O.P.以上の「本当の虐待」も行われていたのでしょうが、証拠がないので事件にはなっていません。(映画の中では拷問で死者が出たとき、そのことをどう隠蔽しようとしたかという話が紹介されていますが...)
この戦争で一体何が解決したのか? 無辜のイラク国民はもちろん、戦争に参加したアメリカ兵も、こうした一連の行為で世界からの信頼と尊敬を失ったアメリカ国民も、全員が不幸になった戦争であったとしか言いようがありません。もちろん、どんな戦争でもそうなのでしょうが。
アメリカはイラクにいくつもの刑務所を持つほか、キューバに悪名高いグアンタナモ収容所を持ち、ここでの人権侵害も同様に問題になっています。アムネスティ・インターナショナルは、グアンタナモ収容所の閉鎖を求めるグローバル・アクション"Tear It Down"を行っています。帰宅後、僕もさっそく署名をしましたが、ご興味のある方はぜひ、まずは日本語の参加説明方法「グアンタナモにNO!」をご覧ください。皆さんの声がオバマ新大統領に届き、ブッシュの退陣と共に、一刻も早くこのような状況がなくなることを痛切に祈ります。
映画の中にはアメリカ人のプロの尋問専門家も登場しますが、彼もこうした違法な行為を馬鹿げているとし、「脅すよりニンジンをぶら下げた方が人は協力するんだ」と言っていたことが印象的でした。ニンジンで釣ればいいのかとも思いますが、脅迫や暴力から平和や安全が生まれないことだけは確かです。イラクにも、ガザにも、一日にも早く平和が訪れますように。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。
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2009年01月18日
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