先日ご紹介した「イノベーション思考法」にご興味を持ってくださった方が多いようです(「本当のイノベーションのために」参照)。(さらには、黒川清先生ご自身にもこのブログを「発見」していただいたようで、感激しています) とてもおもしろくて役に立つ本なので、ぜひ実際にお読みいただきたいと思うのですが、「なぜイノベーションなのか?」という点についてだけ、もう少し説明を加えたいと思います。
前回も書いたように、イノベーションは単なる技術革新だけではなく、市場や人々の生活を変えるところまでいって、そういうための社会制度の変革まで含んで、はじめて本当の(シュンペーターが言うところの)イノベーションです。
ところが実際には、日本では単なる技術革新のことをイノベーションと呼んでいることが多く、迫力不足どころか、誤解すら招いています。
多くの日本企業では、技術改良で一つひとつ「カイゼン」を積み重ねているに過ぎない「段階的(イクリメンタル)イノベーション」に留まっている場合も少なくありません(p.77)。しかし本来的なイノベーションは、旧弊を内部から壊すような「破壊的(デストラクティブ)イノベーション」である必要があるのです。そんなイノベーションであれば、それによってどんな新しい地平が開けるのか、ワクワクするのはもちろんです。
イノベーションの具体例として、この本の中で紹介されていたものの中で僕が一番ハッとして、ワクワクしたのは、リニア新幹線です。東京ー大阪間を1.4時間で結ぶリニア新幹線。たしかに速いけれど、新幹線もあるのに、今さら巨大な投資をして、環境にも負荷をかけ、建設する意味があるのか。この本を読むまでは、そう思っていました。
しかし、リニア新幹線のCO2排出量は現行ののぞみに比べれば3倍だけれども、飛行機(B777-200)に比べれば1/3以下なのだそうです。東京ー大坂間は燃費の悪いB747も随分飛んでいますから、それに比べれば1/5ぐらいになるかもしれません。
つまり、新幹線の代わりではなく、飛行機の代わりと考えれば、所用時間は半分になるのに、CO2排出量は1/3にできるのです。これはスゴイことです。短距離の幹線であれば、飛行機なんていらなくなってしまいます。
そして、リニア新幹線が意味を持つのは東京ー大坂間だけではありません。ワシントンーニューヨーク間、北京ー上海間など、世界中の様々な区間で飛行機に取って代わることができるはずです。そう考えるとリニア新幹線が俄然魅力的なものに思えてきました(電磁波の問題はまた別に考えなければいけないでしょうが...)。
さらにリニアモーターカーは日本の技術として、世界に売り込むこともできるはずです。世界の環境問題解決に寄与しながら、日本のブランドを作り、日本の経済を発展させることもできるかもしれません。
こんな風に考えると、なるほどリニア新幹線はかなり「イノベーティブ」だなと思えますし、それがイノベーションになり得るのは、環境問題の解決、飛行機に代わる交通手段の提案という、世界のニーズに応える視点でリニアモーターカーの応用を考えたからなのですね。
というわけで、僕も改善ではなく、改革と呼べるような新しい仕組みや制度を考えてみたくなりました。皆さんも、いかがですか?
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
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2009年01月19日
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