2009年02月19日

気候変動と生物多様性

 今日は仙台へ出張。東北大学生態適応GCOE環境機関コンソーシアムの設立記念シンポジウム「気候変動と生態適応」でした。

 生態適応とはちょっと耳慣れない言葉かもしれませんが... 生物や生態系はある程度の環境変化に対して適応する能力を持っています。これからの時代は気候変動などで環境が激変することが予想されますが、そうした環境の変化に、生物や生態系の適応力でどう対応するか。つまり、どう生態系サービスを維持するかが今後の大きな課題なのです。そのために生物多様性や生態系の適応力を高く保つための条件を明らかにしたり、そうした能力を利用して生態系を管理していこうということを、このグローバルCOE(研究拠点)では目指しているのです。

 生態適応やGCOEで目指していることの説明の後、アフリカやアジア、そして日本で、気候変動の影響が実際にどのように出てきているのか、また将来どのような影響が考えられるのかという報告が続きました。

 既に各地で異常気象が多発しているのは皆さんご存じの通りだと思いますが、気候変動の影響はそれだけではありません。このまま放っておくと、現在辛うじて維持されている生物の生息域が、何十年か後には生息には不適な場所となってしまい... そのままその生物種が絶滅してしまうということがかなり高い確率で起きてしまうのです。

 知識としては知っていても、実際にそのシミュレーション結果を次々に見せられると、慄然とせざるを得ません。今でさえ、生物多様性の保全はけっして易しいことではありません。それなのに、これに気候変動の影響が加われば、今後保全はますます困難になります。それを防ぐためには、気候変動を少しでも軽減すると同時に、その影響に対する対応策を少しでも早く開始しなければいけないのです。

 正直に言えば、日本ではこの対応策はまだほとんど進んでいません。というより、議論も十分に行われてはいないと言っていいでしょう。「頑張れば、なんとか機構変動はなんとか未然に防げる」と、みんなが無邪気に信じているのです。

 しかし今の日本の「頑張り」程度では、気候変動はとても未然防止はできませんし、既に影響は出てきています。今後それはますます明瞭になるでしょう。日本の認識は、相当に「甘い」のです。現実を直視していないと言ってもいいでしょう。

 イギリスから参加した研究者の方が最後に、「この先何が起きるかを、日本人は知らされていないのではないか」と感想をもらしていました。非常に耳の痛い言葉です。

 今日のシンポジウムにご参加いただいた皆さんには、気候変動の結果として何が起きるのかや、気候変動と生物多様性がいかに密接した問題であるかを、よくご理解いただけたと思います。この困難な課題にどう取り組むかが、今後コンソーシアムが全力で取り組むべきことです。しかしその前に、これがいかに深刻な問題であるかを、まずは伝えなければいけないのかもしれません。

今日もご訪問、ありがとうございます。
問題の切実さ、少しは伝わったでしょうか?
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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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