先日京都に出張した際、お土産を買って行こうと思ったら、地元の方がそれならこれをと紹介してくださったのが「山椒餅」でした。
えっ、お菓子なのに、山椒!? なんだか訳が分からないでいると、「本当においしいんだから」と自信たっぷりに勧められ、結局その方からお土産にいただいてしまいました。
薄い木の箱を空けてみると、直径4cmぐらいでしょうか、空豆を大きくしたような形のお餅が無雑作に詰められています。平たいお餅には和三盆がまぶしてあるのですが、そのすっきりと上品な甘味とひりりと辛いのがなんとも不思議な組み合わせで、食べ出すとついついもう一つと手が伸びてしまいます。なるほど、これはおいしいですね(^_^)
仙太郎というお菓子屋さんの作るもので、正確な名前は「和三盆山椒餅」というのだそうです。その名のとおり、「椒(はじかみ)のひりり辛さを餅に託し、甘さは徳島の和三盆糖に任せました」というごくごくシンプルなものです。
こんなにシンプルなのに、飽きが来ないし、ほんわり豊かな気持ちになれるのはなぜなんでしょうね。和菓子をはじめ、日本の食べ物は本当に素材の生かし方がうまいと思います。西洋の御菓子や料理がどんどんと作り込んでいく「足し算のおいしさ」だとすれば、和菓子や日本料理は、必要最小限度までどんどんと削っていく「引き算のおいしさ」なのではないかと思いました。
味の「ひりり」を楽しみながらふと、サンショウクイという名前の鳥がいたなと、もう長らく忘れていたことを思い出しました。夏山で見かけるスラッとしているけれど、わりと地味な鳥です。鳴き声が「ヒリリー」と聞こえるので、山椒を食べたと思われたのですね。本当はクモなどの昆虫を食べるのですが...(笑)
そんなことを思い出すにつれ、日本人は本当に自然と近しく暮らしてきたんだなと感じました。そう言えば山椒餅を作っているお菓子屋の仙太郎さんの店頭には、「身土不二」という言葉が大きく掲げられていました。自分の身体を作るのは地元の土、つまり地元の旬の食品は身体に良いということで、これも身近な自然を大切にする考え方です。
身の回りにいろいろな生き物がいて、四季折々の変化があって、それを愛でたり、食べたり。そしてそんな身の回りの生き物や食べ物によって、自分の身体も作られる。そういう命のリレーを感じます。
山椒餅からどんどんと話が広がってしまいましたが... このように身近に自然を感じ、その恵みを楽しんできたことこそ、日本の生物多様性の豊かさの証左なのでしょうね。生物多様性を身近に感じるには食べ物を考えるの一番と思っているのですが、その思いをさらに強くします。
そうそう、その食べ物の豊かさ、多様さを絵解きにした本が、間もなく登場します。書店に並んだころにご紹介したいと思いますので、どうぞ楽しみにお待ちください。
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2009年03月02日
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