2009年04月10日

知らされなかったG20

 今日は満月なのでメルマガ「サステナブルCSRレーター」の発行日でした。毎回その時々の旬のネタからCSRに関連性が高いものを「巻頭言」で紹介しており、今回は一週間前のG20の共同声明(最終コミュニケ)を取り上げました。

 具体的な内容については実際にその巻頭言「世界はどこへ向かうのか?」をお読みいただければと思うのですが、今回はいつもより反応が良かったので、ちょっと気を良くして少しそれに関連する話を書いてみようと思います。

 そもそも今回の巻頭言を書こうと思ったのは、とある海外の方から「G20の最終コミュニケでCSRについての言及がある!」と教えてもらったからなのですが、実際にそれを読んでみてびっくりしました。
■"The Global Plan for Recovery and Reform"(PDF, London Summit)

 CSRについては、「きちんと持続可能な報酬制度になるように、企業も社会的責任を考えた報酬の決め方をしましょうね」というようなことがサラリと書いてあるだけなのですが、今の世界的な経済危機から回復するために、単に財政出動して経済を刺激しましょうというだけでなく、持続可能な経済低炭素な経済を目指そうということが繰り返し出てきます。

 記憶力のいい読者の方であれば、それってなんかしばらく前の記事で書いていた話と違うんじゃないの、と思われるかも知れません。いや、実際そうなんです。4月3日に「どちらの出口へ?」では、G20の首脳宣言にはどこにも低炭素経済なんて言葉はなかったと書いてしまったのですが、原文にあたるとちゃ〜んと書いてあるではなりませんか! つまり、(僕が読んだ)日本の報道ではそういう表現が使われていなかっただけなのです(^^;)。

 また、途上国への配慮などについても割愛された報道が多かったですし、どうも経済面、特に景気刺激策やその規模ばかりが報道されたように思うのです。気になる方は、「G20 宣言」で実際にググッてみてください。

 もちろん景気刺激策が一番関心が高い部分かもしれませんし、うがった見方をすれば、当の首脳陣の多くも、経済回復が一番の目的で、環境やら、公正性、持続可能性なんていうのは、ポーズで「付け足し」ただけだったのかもしれません。

 それでも、この先にどんな世界を描いているのか、そしてその実現のために具体的にどのような方法を考えているかがわからないければ、誤った方向感を持ってしまうのではないでしょうか。

 実際、G20後の日本での議論を見ていると、案の定、金額の話ばかりで、例えば今回の世界不況の原因である金融破綻が再来しないように、いかに金融監督と規制を強化するかなどといったことは、ほとんど話題になっていません。日本の金融機関はまったく問題なくて、今回も影響を受けなかったとでも思っているのでしょうか?

 今回のメルマガを読んだ知人が、外務省のサイトに仮訳と骨子が掲載されているけれど、骨子にはこうした点がほとんど触れられていないと教えてくれました。
■「第2回 金融・世界経済に関する首脳会合(ロンドン・サミット)首脳声明「回復と改革のためのグローバル・プラン」(仮訳)」(外務省)
■「ロンドン・サミット首脳声明(骨子)」(外務省)

 意図的に省略したのか、興味がなかったのか、それとも本当にその意味を重視しなかったのか、理由はわかりませんが、この骨子や、一般のメディアの報道だけを読んでいたのでは、随分と違った印象を持つことになりそうです。私たち日本人がいかに"untaught people(知らされていない国民)"であるかを、痛感せずにはいられません。

 単に経済を建て直すのではなく、世界経済が持続可能になるようにどうルールを作るか、それこそがもっとも重要な課題なのです。なのに、規制強化や持続可能な経済に向けての方策を考えずに財政出動の額だけを問題にしているようでは、一人だけ世界の流れから置いてきぼりになってしまいそうです。

 今回のメルマガの記事に対する反応の高さはその危機感の表れであると思いますし、たとえ日本のメディアや政府が私たちに伝えないとしても、今や私たちはインターネットを通じて他の国や地域の方々と同じ一次情報をリアルタイムで共有することが出来るのです。これらのことに望みを託して、教えられなくてもなんとかする人でいたいと思います。

 なお、4月17日に行われる「国際連帯税を推進する市民の会(アシスト)」の第一回勉強会が今回のG20の結果をテーマに取り上げるそうです。ご参考まで。

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日の記事はお役に立ちましたか?
応援してくださる方は、Click me!



posted by あだなお。 at 01:15| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
Google
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。