2009年04月12日

ミツバチが消えた

 東京の桜はこの週末が最後でしたね。花が咲いてしばらくすると、当然実がなるわけですが... 今年は実りが悪い野菜や果物が多いかもしれません。(あ、桜の場合には、そもそも実は食用にならないので、人間には直接の影響はほとんどないでしょうが...)

 というのも、ここ数年来、世界中でミツバチが突然いなくなったり、大量死したりという現象(蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder、CCD))が報告されているのですが、その影響が日本でも深刻になってきたのです。
 メロンやスイカの受粉作業に欠かせないミツバチが大幅に減少していることが10日、農水省の調査で明らかになった。昨夏に起きた働きバチの大量死などが主因とみられ、21都県で不足状態に陥っているという。受粉が滞ると果実の収穫量が減り、価格も上昇しかねないため、同省は緊急対策に乗り出した。
 農水省によると、受粉用ミツバチが不足し始めたのは昨年秋ごろ。2007年10月以降、働きバチを産む女王バチの主要供給国であるオーストラリアでハチ特有の病気が流行し、輸入を停止していることが要因の一つだ。他の国からの代替輸入や豪からの輸入再開の見通しは立っていない。
 さらに、昨年夏には北海道や東北地方で働きバチが大量死。ハチに取り付くダニや新しいタイプの農薬が影響したもようだが、原因究明には至っていない。春先から夏にかけてはメロンやスイカが受粉期を迎えることもあり、農水省にはミツバチの購入価格が4−5割上昇したとの報告も寄せられている。
出典:「ミツバチ不足で果物値上がりも=農水省が緊急対策」(時事ドットコム、2009年4月11日)

 ミツバチなどの昆虫に授粉者としての役割があるのは皆さんご存じだと思いますが、実はその経済的価値はかなりのものです。ミツバチの仲間はもともとアメリカ大陸には存在していなかったのですが、今ではハチミツを取るためだけでなく、授粉者として働いてもらうために、全米でミツバチが飼育されています。
花粉媒介を行なう昆虫は、米国作物の種類のおよそ3分の1の受粉を媒介している。その作物には、アーモンド、桃、大豆、リンゴ、西洋梨、サクランボ、木苺、ブラックベリー、クランベリー、スイカ、メロン、胡瓜、苺がある。
カリフォルニアでは、ミツバチがほぼ独占的に[アーモンドへの]授粉を行なっており、2006年の作物の収穫高は15億ドルであった。2000年には、ミツバチに授粉を依存している米国の総収穫高は150億ドルを上回ると推定されている。
■出典:いずれも「蜂群崩壊症候群」(Wikipedia)

 このうちいくつかは、日本に輸入されているものもありますよね。このように私たちは、ミツバチという昆虫のおかげで様々な作物を手にすることが出来ているのです。ミツバチなどによる授粉もいわゆる生態系サービスの一つで、こういう恩恵を受けているというのが、私たちが生物多様性を大切にしなければならない理由の一つです。

 ミツバチの大量失踪の原因はまだわかっていませんが、推測されている原因のほとんどは人為的なものです。ここでもまた、私たちが自分で自分の首を絞めているという構図があります。

 「農水省は、足りている地域と不足地域の間でミツバチを融通する都道府県間の調整を促すほか、日本向けの輸出を希望しているアルゼンチン政府との間で輸入に向けて協議を急ぐ方針」なのだそうですが、いずれも緊急の対処療法でしかありません。早く本当の原因を突き止めて、ミツバチにとっても、人間にとっても、住みやすく、自然に近い環境を取り戻してあげたいですね。
出典:「21都県でミツバチ不足確認 輸入拡大を検討、農水省」(47News、共同通信、2009年4月10日)

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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ミツバチの急減、ぜひ科学的な検証を急いで欲しいですね。

ミツバチの経済効果には脱帽ですが、本来ハナバチ(花蜂)が多様なはずの日本で、本当に今後もそんなに「輸入頼み」でいいのか、ということも、もうひとつの大きなテーマですね。

そうした部分も含めて、日本の生態系の再評価と復元に、力を入れる必要がありそうに感じます。
Posted by miyagawa at 2009年04月13日 23:11
miyagawaさん

こんにちは、コメントありがとうございます。

そうですね、日本はハナバチは豊富ですよね。それがこんなに輸入しなくてはいけないというのは、やはりハナバチたちにとって住みやすい環境が少なくなってしまった、孤立化してしまったということなのでしょうね。

マルハナバチの場合には幸いにしてセイヨウオオマルハナバチが特定外来種に指定されましたが、それに加え、在来種を保全する体制も整備したいですね。
Posted by あだなお。 at 2009年04月15日 00:01
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