今日はインドネシアの生物多様性、特にサルの仲間にまつわる話題です。熱帯アジアに位置し2万近いの島々からなるインドネシアは、明らかに生物多様性の宝庫です。世界の国々の中でも生物種の数か多かったり、固有種が多い12カ国を「メガ・ダイバーシティ国家」と呼びますが、インドネシアはマレーシアと並び、東南アジアを代表するメガ・ダイバーシティ国家です。
ただ国土が広いだけに管理が行き届いていないことや、そもそも行政に十分なキャパシティがなく、貴重な生物多様性が十分に保護、保全されているとは言い難い状況にあるとの意見もしばしば聞かれます。
例えばオランウータンは、世界でもスマトラ島とボルネオ島にしか生息していない霊長類です(それぞれの島のオランウータンは今では別種とされています)。ボルネオ島の北部はマレーシアですが、大部分はインドネシアですから、主要な生息地はインドネシアです。
保護だけでなく調査研究も進んでいないので、こんな発見もあったりします。これは嬉しい「見過ごし」です。
一方、オランウータンに限らず、多くのサルが様々な理由で違法に輸出されていて、それに対する国際的な非難の声も上がっています。もっときちんと管理しなさいというわけです。
このニュースは「実験用」の輸出についてのものですが、それ以外にもペットとして密輸されているという話もよく聞きます。ちょっと信じられないかも知れませんが、自宅でオランウータンまで飼おうとする人がいるのだそうです。どんな家に住んでいるんだか... 過去に、日本のペットショップでオランウータンが見つかったこともあるそうです。
《参考リンク》
■「オランウータン売買絶えず 年間200−500頭が流通」(47News、2005年9月6日)
で、オランウータン以外にも、いろんな野生動物が売られているという指摘もあります。スローロリスもサルの仲間です。
スローロリスは小型で可愛らしいのでペットとしての需要も多く、日本でも見かけることがあります。ただし、日本では2007年9月以降は国内流通規制の対象となり、売買はもちろん、借りることも原則禁止となっています。
今日の記事は、インドネシアはけしからんという趣旨ではありません。様々な理由があって、生物多様性が非常に豊かで、貴重な生物種を多く抱えているのに、保全には十分に手が回っておらず、生物多様性の危機はますます高まっている。残念ながらそれが現状です。
そしておそらく日本も、そのことに間接的に加担しているでしょう。私たちが必要とする資源のために生息地が破壊されていたり、私たちが使う薬や化粧品の動物実験のために、あるいはペットとして、輸入されている動物もいるでしょう。
日本はそのように間接的に与えている影響を小さくすることもできるはずですし、あるいは保護や保全のために様々な支援をすることもできるはずです。そうしたことをせずに、インドネシア(に限らないのですが)はダメだねぇと言っても無意味、いや無責任だと思うのです。この国は何でも売っちゃうねぇ、と言う前に、それを誰が買っているのか、あるいはそうしないために私たちはどれだけ協力しているかを考える必要があります。
生物多様性は、それを擁する国にとってこれからますます重要になる資源です。しかしそれと同時に、私たち人類にとっても、地球全体にとっても、重要な資源、重要な存在です。自分たちの地域だけではなく、他の地域や国も含めて、生物多様性の保全を考えることが必要ですよね。
特に日本について言えば、生物多様性の宝庫である東南アジアは、地理的に近いこともありますし、さらに力を入れて保全に協力したい地域ではないでしょうか。
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2009年04月18日
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某所のインターンののせです。
自分もインドネシアに居た頃、路上でよくサルやインコ類が売られているのを見ましたよ。
http://www.foejapan.org/img/monkey_s.jpg
慣習林でも保護林でもない森に住んでいるサルを捕ってきて売っているらしく、値段は200,000Rp(※約2,000円)でした。交渉すれば100,000Rpぐらいに下がると思います(^_^;
「生活に苦しいから仕方ないのだ」、とは彼ら売り手からよく聞く言い分ですが、実際他にも仕事はあるハズで、結局は楽に稼げる方法に甘んじている様にしか感じませんでした。
こんにちは、コメントありがとうございます!
のせさんはインドネシアにいらっしゃったのですか? 今度その話も聞かせてくださいね。
写真はブタオザルですかね? 人懐っこいですよね。たしかに生活が楽ではない場合もあるのでしょうが、売れるものならなんでもという感じは僕も受けました。
これもインドネシアです↓
http://suslab.seesaa.net/article/13163462.html