これは一つにはゴミ捨て場の近くの劣悪な環境がスラムになっているからなのですが、もう一つにはゴミ捨て場はスラムの住民にとって、生活の場だからです。仕分けしたゴミから生活に必要なものを見つけたり、それを売って収入源にしたり... 残念ながら、多くのゴミ捨て場で見かける現実の光景です。
それがどんな状況か容易には想像がつかないという方は、以下のリンクの写真を見てみてください。俄には信じがたい光景です。私たちはこんなにも多くのゴミを出してきたのかと思うと、暗澹たる気持ちになってきます。
■"Mooi Milieu!"(GigaPica)
「DAYS JAPAN」の6月号にも、第5回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞のパブリック・プライズを受賞した「インド 忘れられた人々」という作品が掲載されていますが、これもムンバイにあるインド最大のスラム、ダラビをテーマにしたものです。巨大なゴミ捨て場に圧倒されます。
そして、今年アカデミー賞を総なめにした「スラムドッグ$ミリオネア」も、ムンバイのスラムが重要な舞台でした。冒頭のシーンの広大なスラムには息を飲みました。そのぐらいすごいスラムなのです。
ただこの映画、正直言ってなぜこれほどまでに大絶賛されるのか。僕にはよくわかりませんでした。伏線が幾重にもうまく引かれていて、たしかによく考えられた映画だと思いますし、スピード感もあります。エンターテイメントとしては楽しめるとは思うのですが...
映画の中に映し出されたスラムを始めとするインドの現実に衝撃を受け、その中で逞しく生き抜く子どもたちの姿にキュンとなり、現代の「わらしべ長者」にハラハラする... のかもしれませんが、実際にはそんな軽い話ではないと思うのです。
さまざまなシーンはかなりリアリティを重視していると思いますし、それがインドの社会や、特に貧しい子どもたちが置かれた状況を世界に知らしめることに役立っているとは思うのですが... それをお伽話で終わらせていいものなのか。
お金にまったく執着のない主人公が見事ミリオネア(億万長者)になり、お金を追ったその兄が迎える最期との対比は象徴的で、映画はそのことをうまく対比させています。もしかしたら、そのことがこの映画の重要なメッセージなのかもしれません。しかし、残念ながらそのことぐらいではとても解決しない、根深い問題も存在しているのです。
もちろん製作者たちもそんなことは先刻ご承知なのでしょう。少しでも問題解決に貢献できるようにと、この映画でクイズショーの司会者役をつとめる俳優のアニル・カプール氏は、この作品の出演料全額を、制作会社は50万ポンド(約7,500万円)を、フォスター・プランを通じてスラムの子どもたちに寄付しています。
以下は、日本フォスター・プラン協会のサイトに掲載された、ムンバイのスラム街の問題です。
<人口の40%が暮らす・・・ムンバイのスラムの抱える問題>出典:「映画「スラムドッグ$ミリオネア」の制作会社、スラム街の子どもたちのために50万ポンドを寄付!」(日本フォスター・プラン協会)
●人口密度が、ムンバイの他の地域の約2倍。スペースが足りないうえに衛生設備が整っていないため、非常に不衛生な状況
●排水溝がつまってしばしば通路に汚水があふれ、子どもたちが皮膚病にかかってしまう
●95%の住人が公共のトイレを使用しているが、その設備や数は充分ではない。そのため、多くの子どもが線路で用を足し、事故にあってしまう
●飲料水や生活用水は、一日に一度、政府の配給により入手できるのみで、慢性的な水不足
●18才以下の子どもの80%が学校に通っていない
●ほとんどの子どもが出生登録されていないために、政府による社会サービスの対象になっていない
●多くの父親がアルコール中毒のため、家庭内暴力や子どもの虐待が起こりがち
まずは知ることが問題解決の第一歩であると言うのであれば、たしかにこうした映画や前出の写真も重要な役割を果たしていると思います。それではそこからもう一歩踏み出すためにはどうしたらいいのか?
巨大なゴミ捨て場の写真を眼の前に、正直どうしたものかと悩んでしまいます。もちろんこれを無くすことが、持続可能な社会の必要条件ではあるのですが...
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