実際、健康的でバランスの取れた食事は、東京などの都市生活者にとってはどうしても高価になりがちです。
アメリカでは、こうした状況に対する批判も多く、カロリーの高い食品を提供する企業の「社会的責任」すら問われています。そうした批判の声に反応して、例えば本家のディズニーランドも、2年前にはカロリー制限(脂肪分と糖分のカット)を発表しています。
それでも経済的余裕がなくなれば、やはり安くてお腹いっぱいになるものに流れがちです。この不況でこうした傾向がさらに助長されるのではないかと懸念する声も上がっています。
そして、こうした現象はアメリカなど先進国に限ったことではなく、途上国の貧困層でも同じだといいます。スラムで暮らすなどしてリアルなルポを書いているライターの石井光太氏は最新作「絶対貧困」の中でも、また、ブログの中でも以下のように書いています。
ちょっと状況は違うけど、途上国のスラムで暮らしていると、貧しい人たちが肉しか食べていないことに気が付く。出典:「貧しいから太る」(石井光太 − 旅の物語、物語の旅 −)
朝から晩までひたすら肉しか食わないのだ。野菜のビタミンなんかはビタミン剤でまかなってしまう。お金がないから、カロリーの高い肉だけ食べて、カロリーがあまりない野菜などは錠剤で補ってしまうという考え方なのだ。
それゆえ、スラムの住人といえども、ぶくぶくと太っていく。おかげで、アフリカのスラムには肥満の人ばかりで足の踏み場もない。
一瞬「えっ?」と思いますが、ちょっと考えると納得がいきます。貧しいからこそ、まずカロリーの摂取なのえす。栄養のバランスなんて言ってはいられないのです。
そして、さらにじっくりと振り返って考えると、食事をお手軽るに済ませようという今の日本の風潮も、結果的に同じ方向に進んでいるのではないかとも思えます。
地のもの、旬のものを、ゆっくりと楽しむ。やはりそれがあらゆる意味で理に適っていそうですね。持続可能な社会はきっと、スローフードがあたり前の社会だと思います。
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