もう少し詳しく、以下はコンサベーション・インターナショナルのリリースからの転載です。
2009年6月30日、米国政府は、インドネシアの有する3000万ドル(約29億円)の債務を、スマトラ島の自然生態系保全を推進することで帳消しにする“環境債務スワップ”の実施を発表しました。出典:"CIJ News 2009.7.3"
現在までで最も多額なこの環境債務スワップにおいて、米国政府は熱帯林保全法(TFCA)に基づいた2000万ドル、CI および現地のNGO、インドネシア生物多様性財団(KEHATI)が各100万ドルを支援しています。
インドネシア政府は、今後8年間で3000万ドルの基金を設立し、オランウータンやスマトラトラなどの野生生物が生息する貴重な森林地帯の保全と修復を行い、スマトラ島の自然生態系保全を推進します。
保全の対象となるスマトラ島の13の地域は、スマトラ島北部のAngkola原生生態系を含み、地域住民が管理する保全区を作ることで森林破壊からの二酸化炭素排出を防ぐことを目指しています。また、保護対象の一つであるリアウ州の泥炭地森林地帯はインドネシアで最大の二酸化炭素(推定値186億トン)が蓄積されている場所です。これらの森林はまた、スマトラゾウやスマトラトラにとって貴重な生息地でもあり、パルプ・製紙を扱う多国籍企業の操業によりインドネシアでも最も森林減少率の高い地域となっています。
なぜ僕がこのニュースに衝撃を受けたのか? 30億円近い環境債務スワップという金額もさることながら、アメリカがインドネシアに援助したということです。
アメリカはこれまでもTFCAに基づき途上国の熱帯林を保全するために環境債務スワップを行なってきましたが、中南米が中心でした。そして2002年にはアメリカとの関係性が深いフィリピン、2003年にはバングラディッシュが加わり、今回2009年、いよいよ東南アジア最大の熱帯雨林を擁するインドネシアへと「進出」を果たしたわけです。
うがった見方をすれば、アメリカによる熱帯林、ひいては生物多様性の支配が、お膝下の中南米からいよいよ東南アジアに広がってきたということです。しかも、金額はこれまで最大です。
なぜアメリカ政府がこれほどの金額を投じるのか。それは単なる「生物多様性の保全」のためだけではないかもしれません。アメリカは戦略的に考え、行動する国です。保全に協力することが、その国の生物資源への支配やアクセスを容易にするという考えがないとは言えないように思います。
また今回保全の対象になるスマトラ島は、森林破壊から二酸化炭素が放出されている地域でもあります。森林を保全することで温室効果ガスの削減に寄与しようとするREDDの仕組み作りが進んでいることも、当然意識しているでしょう。これを排出権につなげることも考えられるのです。
そもそも純粋に保全が目的であれば、現地のNGOや国際NGOに同じ金額を拠出すれば、同じ効果が期待できます。それをあえて債務の帳消しとしたのは、まず間違いなく政治的な駆け引きと考えていいでしょう。
つまり、森林保全のために債務を帳消しにするというのは「美しい」のですが、その背後にはかなり政治的な思惑が見え隠れてしているように思います。スワップがいけないというつもりはありませんが、その背景も十分に考えてみる必要がありそうです。
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インドネシアが自然保護の為に自分で3000万ドルものお金を管理するのですか…50%ぐらいは闇に消えそうですね…
又は8年間で1000万ぐらいしか拠出しないとか。
うーん心配だ…
こんにちは。鋭いご指摘、ありがとうございます。
たしかに、そうならないとも限らないところが恐ろしいですね(^^;)
もちろんアメリカだってわかっているハズです。なのにあえてインドネシア政府を通すところが、やはり「政治的」なのだと思いませんか?
うーん…オバマさん…いいのかそれで。
さておき、今日興味深いニュースを見つけました。既にご存知でしたらすみません。外来種関連です。故意に日本→アメリカへの移入を行うそうですよ。果たして吉と出るか凶と出るか。
良い効果を齎しても良い事なのかどうか。うーん。
【「サムライ甲虫」が米国を救う 「オオサカエンシス」と命名へ】
http://sankei.jp.msn.com/science/science/090715/scn0907152040006-n1.htm
政治的だとは思うのですが、こうした動きは随分と前から仕込まれていたはずなので、必ずしもオバマ政権の意図ではないかもしれません。そもそもオバマさんは、生物多様性をアジェンダに挙げていませんし(^^;)
サムライ甲虫というのは知りませんでしたが、どうなんでしょうね? きっと思いもよらなかった問題が後から出てきそうな気がします。外来種の動物でうまくコントロールできたなんて実例はあるんでしょうか?