2009年08月03日

海からの声を聞こう

 北大西洋の高緯度地方で冷たく密度の高い海水が沈み込み、海底をベルトコンベアのように流れた海水は、1200年後に北東大平洋で再び海面に戻る。その海水は今度は海洋面を南下、そして大平洋からインド洋への西向きに流れ、最後はまた大西洋北部に達する。この海洋大循環(下図参照)のことはお聞きになったことがあるかもしれませんし、このベルトコンベアが気候変動による気温上昇で止まってしまうかもしれない(!)という説も最近はかなり有名になりました。
《参照リンク》
■「熱塩循環」(Wikipedia)
Weltfoerderband.png
図出典:Wikipedia

 こうした大きな海水の流れ以外にも、深層から表層に海水が湧き上がる湧昇(ゆうしょう)という現象は、一つひとつは小規模ながら、世界各地で発生しており、これが栄養塩循環の重要な駆動力となり、きわめて高い生産性、多様性を生み出すことが知られています。

 ところがこうした海水の動きが生物の動きを生むのではなく、逆に生物の動きが海水の動きに影響を与えるという、コペルニクス的転換ともいうべき状況が証明されつつあるようです。
 もちろんこれが海水の動きの大部分を説明するわけではありません。きちんと証明されたとしても、おそらく全体のごく一部には過ぎないでしょう。ただ、生物がこれだけダイナミックに環境に影響を与えているというのは、なかなか興味深いことだと思います。先日書いた「ファインディング・ニモ」の最後のシーンをちょっと思い出します(笑)

 さて、もう一つ海の生物がらみのニュースを紹介すると、フランスでは、2年連続でカキの生産量が減る危機に直面しているとのこと。原因はどうやら、水温上昇でバクテリアが繁茂したことのようです。
 海洋生物の生活は、非常に微妙なバランスの上に成り立っており、気候変動はこんなところにも影響を及ぼしかねないということです。そして一旦このような変化が起き始めてしまえば、それを元に戻すのはかなり難しいでしょう。「何が起きているのか、あなたたちはまだわからないの?」そんな声が海の中からも聞こえてきそうです。

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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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