さて、今年のBLOG ACTION DAYのテーマはClimate Change、気候変動です。このところ気候変動関係の気になるニュースもたくさんあったので、今日はそうしたニュースをざっと振り返ってみたいと思います。
まず、このままだと「北極の氷冠は20〜30年後の夏季には完全に消えてなくなる」というケンブリッジ大学の研究チームの発表。
既にどのぐらい北極の氷が溶けているかは、以下を見れば実感できます。
当然今後、日本もさまざまな影響を受けるわけですが、その被害額は年17兆円との試算。
全世界で追加的な対策をとらない場合、21世紀末までの日本の平均気温の上昇は、世界平均の予測値を0.3〜0.6度上回ると予測。洪水、土砂災害、砂浜の喪失、高潮被害、熱ストレスによる死亡リスクは増大し、被害額は年あたり約17兆円と試算している。出典:「日本の気候変動による影響、被害額は年17兆円−気象庁など公表」(ecool、2009年10月13日)
鳩山内閣の2020年25%削減という目標も、ようやく反対一辺倒ではなく、それをどう実現するかということに議論がシフトしつつあるようです。産業界からも、経済同友会の桜井正光代表幹事が「削減を実現するための具体的な方策作りなどで「積極的に支援、協力していきたい」と応援する姿勢を明らかにしたり、京セラの稲盛和夫名誉会長が「克服して乗り越える勇気が政府、産業界に必要」と述べるなど、積極的な意見が聞かれるようになりました。
出典:「温暖化防止で政府に協力=郵政民営化の逆行懸念−同友会代表幹事」(時事ドットコム、2009年10月6日)
「稲盛和夫氏:25%削減目標「克服する勇気が必要」」
(毎日jp、2009年10月6日)
ただ、2020年に25%削減というのは、もしかしたらだんだん当然のことになってくるかもしれません。国情もスタートラインも違うので簡単に比較はできないのですが、先のバンコク会合の最中に、ノルウェー政府が2020年の削減目標である30%にさらに10%を足して、40%としたのです! これはさすがにちょっとビックリです。ノルウェーは2030年にはカーボン・ニュートラルになることを既に目標に掲げているのですが、それにしても一体どうやって...
出典:"Norway proposes 40-pct carbon emissions cut by 2020" (Yahoo! News 2009年10月7日)
ただ、同じくバンコク会合で、心配なニュースもありました。REDD(森林減少からの排出削減)について議論が行われたのですが、その最終テキスト案からはなんと、「「天然林を人工林へ転換することの防止」という予防措置(セーフガード)が、最終テキスト案からは一切削除された」というのです。これでは一体何のためのREDDかわからなくなってしまいます。気候変動と生物多様性は車の両輪。生物多様性の減少を食い止めるためにも気候変動の緩和・防止が必要ですし、また気候変動の防止のためにも、生物多様性を保全することは意味があるのです。それなのに...!!
出典:「途上国における森林減少対策(REDD)に関する交渉進捗」(FoE、2009年10月8日)
最後にもう一つ気になるのは、中国がついにCO2の排出で世界一になってしまったというニュース。
2007年の世界全体のCO2排出量は288億トン。このうち、中国は61億トンと全体の21%を占め、米国の20%を上回り、地球温暖化の原因となるCO2の最大の排出国となった
出典:「CO2排出量、中国が世界最大に/07年は61億トンを排出」(ecool.jp、2009年10月7日)
巨大な隣人をどうするのか? 国内のこともさることながら、中国への協力も日本の大きな役割になるはずです。
気候変動の防止・緩和・適応に向けて世界はこのように動いています。さて、私たちはどんな新しい動きを始めますか?
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