2009年11月03日

どこに行った、CSR?

 最近、以前よりCSRという言葉を聞かなくなったような気がします。仕事が生物多様性に関わるものが増えているせいなのかという気もしたのですが、CSRで検索してひっかかるニュースも減っているようです。

 CSRという言葉自体は広まっているようにも思うのですが、その一方、「CSR=社会貢献的な活動」と捉えているような発言もよく耳にします。例えば、「それはCSRでやればいいでしょう...」云々。なんか違うんですけど、一体どうしちゃったんでしょう? もちろんCSRがしっかりと根付いている会社もそれなりにあるのですが、やっぱりCSRはブームだったのかなぁ、とちょっと悲しい思いもしてきます。

 念のため確認しておくと、今流の、あるいは欧州でいうところのCSRとは、持続可能な社会を作るための企業の自発的な活動のことです。決して外から押し付けられた、一律の義務や社会貢献のことではありません。自分たちの社会が抱える様々な問題に対して、自社の力をいかに生かすか。お金だけではなく、技術やノウハウ、人材、その経験や知識、そして世界に広がるネットワークなど、自社が持つあらゆる資産を活用し、社会を持続可能にシフトさせていく。そのような企業の特性を活かした取り組みが、CSRです。

 ですからresponsibilityも、単なる義務ではなく、社会が直面する様々な困難な問題に対応(response)する能力(ability)のことだと思い、僕は自分の会社にResponse Abilityという名前を付けています。企業がその能力を最大限に発揮し、社会と共に持続可能であり続けることをお手伝いするのが目的だからです。

 また、responsibilityには「責任」以外に「信頼性(度)」という意味もあります。response abilityのある企業が信頼に足る企業であると思いますが、CSRとは社会から信頼を得る企業であるための活動という言い方もできると思います。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが... なんでこんな話しをしたかと言うと、CSRどころか、会社の信頼性をわざと失わせているとしか思えない企業が最近どうも目につくように気がするからです。あるいは、社会的責任をまったく果たしていない企業と言ってもいいと思います。

 例えば、福知山線列車事故で106名の死者を出しながら、原因究明の過程において組織的な不正を働いたJR西日本。あるいは、地元住民との約束を反古にして、だまし討ちのようなことをしながら無理やり上関原発の建設を進めようとする中国電力。いずれも、いかにトップが立派なことを言おうと、CSRの取り組みをしていると喧伝したところで、まったく説得力を持ちません。自らの行動が、信頼を壊しているのです。

 こうした際にしばしば、企業の責任者は弁明をしたり、それは誤解だとおっしゃったりします。もちろん中にはそういう場合もあるかもしれません。しかし、そんなことで信頼が維持できるわけはありません。信頼は、相手がするものだからです。企業がいかに自らの視点からの説明をしたところで、それが相手に伝わり、相手もそのように感じてくれないことには意味はないのです。

 CSRの本当の意味が理解され、また企業内に浸透していれば、こんなことは決して起きないと思います。やはり社会との関係性を再び忘れてしまった企業が増えているということなのでしょうか?

 鳩山政権は、これまでの施策の見直しを行い、様々な無駄を省き、透明性を高め、必要なところにお金がまわるように大掃除をしています。大変に素晴らしいことです。こうした良い緊張感は、常に必要です。

 社会全体を再点検、再構築するこのような流れは、必ず企業にも及ぶはずです。そのときに、今までのような不透明なやり方、自ら信頼を損なうようなやり方をしている企業は、決して生き残れないでしょう。

 信頼性、あるいは社会の要求に応えることこそ、企業の存在を維持する条件であることを、CSRの本質が忘れられそうになってきた今こそ、再度確認するときだと思います。

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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | CSR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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