2009年11月05日

なぜ原子力推進なのか?

 鳩山政権になり、2020年25%削減に向けて大きく舵が切られたのはいいのですが... いくつかどうしても気になることがあります。最大の懸念は、CO2削減のために原子力発電を容認していることです。

 それを受けたというわけではないのでしょうが、今日ついに国内初のプルサーマル発電に向け玄海原発(九電)が稼働し、先ほど午後11時過ぎに臨界状態に到達。9日には試験的に発電を開始し、12月2日から営業運転を始めるとのことです。

 原子力発電はCO2の排出量が少ないと言われますが、核廃棄物や原子炉の解体処理等まで考えたとき、その何万年にもなるライフサイクルで本当に排出量が少ないと言えるのか? もしそうだとしても、どうやってそんな長期間の安全性を担保するのか? 当然、誰一人として関係者はそんな「長生き」はできないわけで、明らかに将来の世代にお荷物を残すことになります。こんな無責任な先送りが、とても「持続可能」なわけがありません。

 もっと短い間で考えても、これだけ地震の多い国で、あるいはテロリストの多い時代に、果たして本当に安全に一つの大事故もなく運転できるのか?(一つでも大事故があれば、大変なことになってしまいますからね...)

 CO2削減だけでなく、有限の化石燃料の代替としてウランを使うのだという主張もありますが、ウランももちろん有限な資源であり、しかもその寿命は化石燃料より短いのではという指摘もあります。

 だからプルサーマルで再利用なのだという主張なのですが、これも資源量のメリットはないという専門家の指摘もあります。(例えば、「プルサーマルはエネルギー支出を正当化できるのか」(温暖化いろいろ)参照)

 そしてそれ以上に、プルトニウムを使うことから、安全性に対しての疑問も強く持たれています。

 話は飛びますが、今日たまたま、東北自動車道で核燃料低レベル濃縮廃液を積んだワゴン車にライトバンが追突するという事故が発生しています。「廃液は青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場でサンプルとして採取されたもので、微量のウランを含む400CC入りの容器が2本積まれていた。ワゴン車は六ケ所村から神奈川県に向かう途中だった」そうですが、こういう事故だって、当然ある確率で起きるわけです。
出典:「<核廃棄物輸送車>東北道で追突事故 放射能漏れなし 岩手」(毎日新聞、2009年11月5日)

 つまり、取り返しのつかない重大な事故につながる可能性がある、資源は有限、廃棄物の処理方法は確立されていないし、放射能がなくなるまでにはきわめて長い時間がかかる、費用も莫大にかかる... (全省庁に渡る「事業仕分け」で税金の無駄の削減を試みながら、例えば高速増殖炉サイクル技術だけでも37億円増の384億円を配分)こんな厄介なものをなんでさらに進めようとするのか、理解に苦しみます。

 電力会社にしても、原発を作ることは、地元を説得するのも大変だし、運用するのも大変、本当に気を使うことばかりです。しかも日本のエネルギー総需要はそろそろ頭打ち、10年以内にはピークに達するであろうときに、わざわざ何を好き好のんで、将来確実に厄介な遺産になるものを抱えこもうとするのか... 

 とても合理的な判断とは思えないのです。もしかすると、こうしたデメリットをカバーして有り余る、僕が見落としている大きな理由があるのかもしれません。だとしたら、ぜひそれを知りたいなと思うのですが...

 もしそんな理由がないのであれば、原子力にかけるお金と労力を、本当に再生可能な自然エネルギーの普及に使う方が、はるかに意味があるのではないかと。その方が、政策全体として首尾一貫したものになりますし... ぜひ本当のところを知りたいものです。教えてください、鳩山さん!

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
よろしかったら、応援のクリックをお願いします!
読んだら一緒に、Click me!

posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントさせていただきます。いつも興味深く読ませていただいています。勉強になります!
昨日は原発関連のニュースが続き、世間の関心も高まっていることと思います。私は、あだなおさんの意見に激しく同意です。先のことを考えると(そんな先まで考えなくても)原発を採用するメリットが見えてこないです。
こんな流れを変えるために、私たち学生をはじめとする若い世代がやるべきことは何か、考えています。
Posted by なおこ at 2009年11月06日 09:40
こんにちは。
激しく共感しながら読ませていただきました。
未来へ責任の持てない恐ろしいことを続けるのに巨額の税金を使い続けるのはやめていただきたいです。先日のNHKスペシャルの解体することを想定しないで建てた原発の話も怖かったです。「なぜ原子力推進なのか?」今日本中の人が感じる疑問ではないかと思います。
鳩山さんにはぜひ、国民の声を聞くとともに、答えていただきたいです。
Posted by まる at 2009年11月06日 13:19
プルサーマルでリサイクルとうたっているけど、一割くらい。
一割のために再処理やるのに使うエネルギーやコストはと考えると疑問を感じる。
再処理工場で放射能を海や空へ排出することでの損失、温排水がどのくらい海水を暖めているのか。
そういったことに目をつむっての原子力推進はありえないと思います。
原子力を推進するならば、問題から目をそらさずに、解決をしてほしいと思います
Posted by atsusurf at 2009年11月07日 13:45
>なおこさん

こんにちは、コメントありがとうございます。
なおこさんもブログを書いていらっしゃるのですね。
原発は、将来にツケを残すやり方(政策)です。若い人ほど影響を受けます。是非なおこさんの考えを、お友だちにも話してみてください。

>まるさん
なんで原発に巨額の税金を流し込むのでしょうね? 僕もまったく理解できません。
この点は、民主党に是非考え直して欲しいですし、もしそれが出来ないのであれば、次の選挙で私たちの意志を示すしかないでしょうね。

>atsusurfさん
コメントありがとうございます。
プルサーマルのリサイクルって、そんなに効率悪いんですか?
エネルギー効率の悪さもさることながら、海を汚す、環境を破壊するという副作用は、果てしなく大きいですよね。
この点、きちんと検証して欲しいと思います。

Posted by あだなお。 at 2009年11月09日 23:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
Google
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。