2009年11月09日

さらばBAU

BAUと聞いてピンと来る方は、かなりの通とお見かけします(笑) BAUとは、Business As Usual、つまり「これまでどおりのビジネス(やり方)」という意味です。気候変動予測のシナリオなどにおいて、特別な対応をせず、これまでのやり方を続けたらどうなるかなどというときに、「BAUでは...」なんて書いてあったりします。

 もちろんBAUでは困るので、なんらかの対策を取るわけですが、対策Aの場合、対策Bの場合、BAUに比べてどのぐらい改善、改悪などと比較するわけです。

 BAUは気候変動に限った言葉ではありません。生物多様性の分野でも「対策なし」という意味でしばしばBAUが出てきます。

 3週間前のACB2009の基調講演でもETH-ZentrumのFischlin博士が、今のままのビジネス(BAU)では、生態系の構造とサービスを大きく変えてしまい、生物多様性は大きく損なわれる(大量絶滅が起きる)。その結果、陸上生態系が炭素発生源になり、生態系のレジリアンスを超えてしまうという恐ろしい指摘をしていました。もっともFischlin博士はIPCCのメンバーでもあるので、BAUという言葉はお馴染なのかもしれませんが...(レジリエンスについては、「アダプテーションが試金石」をご参照ください)

 気候変動が生物多様性に与える影響を正確に紹介すると、例えば平均気温のわずか1.5-2.5度の上昇で、20〜30%の高等植物と動物が絶滅の危機に瀕すると言います。今生物種はものすごい勢いで減少していますが、それにしても20〜30%が絶滅に瀕するとは尋常ではありません。気候変化が生物多様性に与える影響いかに大きいかがわかるでしょう。

 気候が変化すれば、たとえば温暖化によってメリットを受ける生物もあるのではないか? そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。もちろんそうなのですが、Fischlin博士によれば、気候変動によってプラスの影響を受ける「勝ち組」は全体のわずか3%に過ぎないと言います。うまく適応できるものは15%、また変化を受けないのが9%ですが、残りの73%がなんと気候変動によってマイナスの影響を受けてしまう「負け組」なのです!

 つまりBAUは気候変動を確実に、しかもかなり速くもたらしますが、そのような倍、実に7割以上の生物種が被害を被るというのです。となれば、BAUというシナリオはあり得ません。生物多様性のためにも、ビジネスのあり方を変えなければいけません。早くBAUに別れを告げる必要がありそうです。

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posted by あだなお。 at 23:44| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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