<参考リンク>
■「COP15 (コペンハーゲン会合) 世界の最貧困層の人々にとって最悪の結果に」(FoE Japan、2009年12月21日)
■「COP15:コペンハーゲン会議終了!」(WWF Japan、2009年12月21日)
■「コペンハーゲン会議、歴史的な合意ならず ――期待を裏切る犯罪的結果と、グリーンピース国際事務局長」(Greenpeace Japan、2009年12月19日)
COPでは全締約国が合意しなければ、決議とはなりません。にも関わらず、アメリカをはじめとする先進諸国の首脳は、自分たちで決議文だけを用意し、他の国々がこれに合意するのを確認することなく、帰国してしまいました。
残された国々は、その決議文をのむか、あるいは決議を流すかしかなかったわけです。ちょっと乱暴というか、小国を馬鹿にしたような態度にも思えます。
「いや、他にも重要な、一刻を争うような問題がたくさんあるのだ」とおっしゃるのかもしれませんが、これからの地球全体の運命を決める問題以上に重要な問題などあるのでしょうか?無責任と言われてもしかたないでしょう。
ところで先進国は、途上国支援として、2012年までに300億ドル、2020年までには最大1000億ドルの資金提供を今回約束しました。これは一応、歓迎すべきことではあります。
一方、海面上昇で国家消滅の危機にさらされているツバルの代表は、「our future is not for saleと公然と拒絶の姿勢を見せた」そうです。眼の前のニンジンなどには騙されないぞというわけです。
前回も紹介したように、多くの途上国が大変な切実感をもってこの問題の解決を考えているのに、先進国のリーダーたちは本当にその切実感を受け止めて、自分たちに出来得る限りの努力をしたと言えるのでしょうか。
@ks91020さんが、「私が選ぶ声明 暫定3位 」として、オーストラリア首相の言葉を紹介しています。「世界のリーダーたちに問いかけたい。今週末、家庭に戻ったとき、自分が持てるすべての力を発揮して、気候変動の危険に立ち向かったと、自分のこどもの目を見て言い切れますか」
この言葉を、今一度、私たち全員が深く噛みしめる必要があるのではないでしょうか。
それにしても、これだけ多くの国が、異なった利害や思惑を抱える中で、全員一致しなくては前に進めないというのは、制度的に無理があるのではないかとも思えます。今回、数値目標について合意がなくても日本政府が25%削減の目標を取り下げなかったのは不幸中の幸いでした。
一方、数値目標について国際合意に至らなかったことを歓迎しているかのような発言をしている企業もあるようですが、気候変動は自然科学の法則に従って起きる物理現象であって、政治で決まる問題ではないのだということを今一度思い起こしていただきたいと思います。
政治的には合意に至らなくとも、気候変動の進行が足踏みしたり、ましてや止まるわけではないのです。近い将来、必ず対処しなければいけない問題なのですから、それこそ「自主的に」、どんどんと先手を打っていくことこそ、企業経営上も望ましい方策であるはずです。
私たちには、悠長に次のCOPを待っている時間はありません。国際合意も重要ですが、完全な合意を待たずに、自主的に動いていくことの重要性、必要性を、今回の教訓にすべきなのではないでしょうか。合意の有無に関係なく、今こそ前進すべきときだと思います。
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