しかしよく考えると、これはちょっと変ではありませんか? 中国人の名前、例えば毛沢東は英語でもMao Zedongであって、Zedong Maoとは言いません。韓国人の場合も、金大中はKim Dae Jungで、 Dae Jung Kimとは呼ばないですし、それでまったく問題がありません。なのに、なぜ日本人だけ、英文中でJunichiro Koizumiと姓と名を逆に、つまり欧米風の順番にするのでしょうか?
おそらく明治時代か何かに、英語や欧州語では欧米風にと気を利かせた人がいたのでしょうが、それでは逆に、欧米人の名前を日本語表記にするときには、日本風に姓、名の順番にするでしょか? George Bushはカタカナ表記でも、ジョージ・ブッシュであって、ブッシュ・ジョージとは誰も言いませんよね。
「郷にいっては郷に従え」というのは、どうもきちんとした理由や説明にはなっていないように思えます。
もし相手国の文化に合わせると本気で考えているのであれば、例えばイスラム圏ではどうするのでしょうか? イスラム圏には姓は存在せず、自分の名前、父親の名前で呼びます。ウサマ・ビン・ラディンは、ウサマが自分の名前え、ラディンは父親の名前です。ちなみにビンは「〜の息子」という意味ですので、この名前全体で「ラディンの息子のウサマ」ということがわかるわけです。
もちろんイスラム圏で自己紹介をするときに「太郎の息子の次郎です」と紹介する日本人は稀でしょう。そう考えれば、英語でだけ名、姓の順番にするのは、欧米文化を意識し過ぎたおかしな行為のように思えるのです。
おそらく世界中には、私たちが想像もつかないような、いろいろな名前の制度があることでしょう。文化の多様性を尊重するという意味からは、名前はそれぞれの国の順番に表記するのが、もっとも自然であると思います。
したがって、ファーストネーム(first name)が常に最初に来るというのは、欧米の習慣でしかありませんし、日本人がそれを真似する意味はないと思います。そもそも、ファーストネームという呼び方が欧米的な習慣を背景にしたものであり、ギブンネーム(given name)と呼ぶ方が正確でしょう。
日本人の名前を日本式の順番で書いたのでは、姓と名を取り違えられるとおっしゃる方もいると思います。しかし、それを避けるためには、姓はすべて大文字、名は最初に一文字だけを大文字にしたり(つまり、KOIZUMI Junichiro)、あるいは姓のあとにカンマを入れる(Koizumi, Junichiro)という表記方法があります。後者は名、姓を逆にしたという意味ですので、名、姓の順番が標準であることを前提にはしていますが、このようなやり方を使えば、混乱はしないはずです。
いやむしろ、表記方法で姓と名が自動的にわかればいいということではなくて、初対面の方には「あなたの名前のどの部分が自分の名前で、どの部分が姓なのですか?」と尋ねることが、お互いの文化を正しく理解しようとする態度であると思うのです。
ちなみに日本のパスポートは、姓、名の順番に表記されているはずです。また、政治家では小池百合子環境大臣が、いつもKoike Yurikoという日本式の順番を使っていらっしゃるようです。イスラム圏に留学したことが関係しているのではないかと推測しますが、実際はどうなのでしょうか。
というわけで、自己紹介の際には姓、名の順番で名前を言って、できればその順番についても一言説明を加えると、日本の文化や習慣に興味を持ってもらうきっかけになるかもしれませんね。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
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でも、私は小心者なので、英語で自己紹介するときはついついファーストネームから言っちゃいますけど・・・。 メールのヘッダーとか署名とかささやかなところで、姓−名で書いて自己主張してます(^ ^)。
同感していただいて、嬉しく思います。
たしかにね、ついついファーストネームから言いそうになりますよね(^^;) で、そこはぐっと堪えてです(笑)
メールのヘッダーも、姓ー名の方が検索しやすくていいですよね。僕もそうしています。