2010年03月30日

日本の森が危ない!

 NIKKEI NETに連載中の「経済を変える生物多様性」で、今月はPES(生態系サービスへの支払い)制度を日本に適用できるかというテーマを扱うのですが(今週中には公開予定です)、人手の足りない里山や山地の維持管理のためにPESの考え方を応用できるのではないかということを書いていたら... 本当に早く手をつけないと、日本の森が危ないというニュースが飛び込んで来ました。
《参考リンク》
■「経済を変える生物多様性 第3回『自然はタダではない〜PESとは何か?』

 正確に言えば、何か出来事が起きたということではなく、報告書が発表されたのです。東京財団が発行した「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点」がそれです。

 過疎で人手不足のため、耕作放棄や植林放棄が各地で進んでいますが、それに乗じて、外国資本がその森林を購入するケースが増えているのです。その背景にあるのは、今後世界的に顕在化するであろう水不足。言うまでもなく、森林は水源涵養地として重要な機能を持つのですが、私たち日本人が生態系と生物多様性の真価に気付かないうちに、いつしかこの貴重な国土資源が私たちの手から奪われてしまう。このままではそんな事態に成りかねないという衝撃の報告書です。
 埼玉や山梨、長野、岡山県など全国各地の水源に近い山林について、中国な どの外国資本が買収の打診をしてきていることが、東京財団がまとめた「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点」と題した調査報告書で明らかになった。類似した事例は昨年、三重県大台町、長野県天竜村でも確認され、林野庁が調査に乗り出す事態にもなった。
(略)
 報告書によると、ほとんどが森林で占められる5ヘクタール以上の土地取引は、平成20年の統計 で、10年前に比べ面積で倍以上、件数で1・5倍の増。また、具体的な事例を並べたうえで、山林買収は事実関係の把握が困難とも指摘した。
  背景として、世界の水需給の逼迫(ひつぱく)が予測され、日本の「水」が狙われている可能性に言及。特に中国の水需要が2004年までの7年間で4倍以上伸びており、日本から水を調達するために買収に触手を伸ばしている可能性を指摘している。
(略)
  報告書では、日本の土地制度が諸外国に比べて極めて強いとも指摘。いったん外国資本に所有されると、それを手放させることが難しいため、事前の実態把握と 事前届け出など諸規制を提言している。
出典:「日本の森と水、むさぼる外資 埼玉や山梨でも山林買収を打診」(MSN産経ニュース)

 報告書全文は、以下のリンクからダウンロードできます。
■「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点〜日本の水源林の危機 II 〜」(東京財団)

 サブタイトルからもお分かりのように、この報告書はシリーズ第二弾なのですが、最初の報告書は以下のリンクからダウンロードできます。
■「日本の水源林の危機 〜グローバル資本の参入から『森と水の循環』を守るには〜」(東京財団)

 森は水を提供してくれるだけでなく、これからの社会を支える資源と機能の宝庫です。その再評価と保全を今すぐ始めないと大変なことになってしまいそうです。

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posted by あだなお。 at 00:51| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 生物多様性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あだなお。さん、お久しぶりです。

重大な事実を教えてくださって大変にありがとうございます。

これは、ちょっとショックでした。

日本としては、ちゃんとした対策が必要ということですね。
Posted by けいこ at 2010年03月30日 07:13
あだなおさま、お久しぶりです。みかんです。
ビックリしました。グローバル企業が世界中の水源を買い占めているという話は聞いてましたが、まさか、日本の林野が狙われているとは。このお話、あだなおさんのサイトにリンクし、わたしもブログで取り上げました。もし、何か問題があったら、コメント欄にお知らせください。よろしくお願いいたします。
Posted by みかん at 2010年03月31日 00:37
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