2010年10月07日

ワクワクする村

 今日からマニラなんですが、その話をする前に、先週岡山で聞いてきたおもしろい話をご紹介しましょう。
 岡山市で企業にとっての生物多様性の意味を考えるシンポジウムが開催されて、僕も参加して来たのですが、そこでお聞きした西粟倉村(にしあわくらむら)の取り組みが大変素晴らしいものでした。

 僕もそうですが、この村の名前を聞いて、どこにあるかすぐに分かる方はほとんどいらっしゃらないと思います。岡山県をネコのような動物の顔に喩えると、右上に耳のよう飛び出た小さな突起部分が、西粟倉村です。岡山に残る2つの村の一つです。

 つまりなんとか市町村合併を逃れた、しかし人口1600人あまりの、老齢化した山村です。失礼な言い方をお許しいただければ、森しかない、そんな村です。もちろんその森も、林業も、ご多分に漏れず衰退気味だったのです。

 しかし、一つ他の山村と違ったのは、諦めなかったことです。まだなんとか体力の残っているうちに、現状を変えようと思ったことです。誰が? おそらくもっとも腹を括ったのは村長さんでしょう。

 日本の山村はどこも、個人の小さな山持ちの集まりで、効率の良い施行が出来ず、そのことが林業がもうからない理由になっていると言われます。そこでこうした土地を買ったり、借りたりして、大面積で施行しようとするのですが、土地に対するこだわりもあり、なかなかうまく行かないのです。

 ところが西粟倉村では、すべてのリスクは村が負いますから、森だけ貸してください。50年前に植えられた樹を、これから50年間は村が守り、100年かけて資産価値の高い美しい森にするという「100年の森構想」を打ち出したのです。

 村人がすることは、村と管理協定を結び、土地を提供するだけ。費用や作業の負担はありません。なにしろ、すべてのリスクは村が取るのですから... 森林管理はもちろん生物多様性などにも十分に配慮した形で行い、何年か後には、全村(!)がFSC認証の森になる計画だそうです。
《参考リンク》
■「あなたの山をお預かりいたします。百年の森構想」(西粟倉村)

 森林管理の方法としてのアイディアもすごいのですが、それ以上に、自治体がこんなことを出来るのだというのが、本当に驚きでした。

 しかし驚くのはこれだけではありません。森林管理は村が事業として行うのですが、この木材を使って新しい産業を起すことが、こちらは他の地域からやって来た元気な若い人たちによって行われています。既に40人(すみません、いま出張中で手元にメモがないのでもしかしたら記憶が違っているかもしれませんが(^^;))がIターンで移住してきているのです。木工作家を始めとする才能と自由な発想に溢れた若者たちが、西粟倉で育った木を使って、新しい価値を生み出しているのです。
《参考リンク》
■「ニシアワー」(西粟倉・森の学校)

 その結果、まるで村全体が一つの組織のように(説明してくれた牧大介さんは会社のようとおっしゃっていましたが)、機能しているのです。この上のリンクの「西粟倉・森の学校」も、自社のことを「西粟倉村の営業部」と自称しているほどです。

 いやー、おもしろいなぁ。こんな風に出来るんだな。楽しそうだな。そんな月並みな言葉しか出てきませんが、話を聞いているだけで興奮してくる、ワクワクしてくるなんて、久しぶりの経験です。しかも、そんな場所が日本の中で現在進行中というのがすごく嬉しいですね。

 今回はお話をお聞きするだけでしたが、必ず一度訪問して、自分の目でいろいろと見たいと思っています。村長さんにもお会いしたいなぁ。そのときには、よろしくお願いします。>西粟倉村の皆様

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posted by あだなお。 at 01:14| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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