化石燃料と違って、再生産可能な植物から作られた燃料であり、大気中のCO2の量も増やさない(カーボン・ニュートラル)であるため、最近にわかに着目されています。
■拡がるバイオディーゼル燃料(BDF)利用
http://www.npobin.net/hakusho/2005/topics4.html
日本では、京都市の廃食油燃料化事業や、滋賀県で始まった菜の花プロジェクトネットワークなどが、廃食油を回収して、BDFを作っています。これは、使い古した食用油を再利用する、とても賢い利用の仕方ですね。
しかし、最近はちょっと気になることがあります。こうした廃食油を使うのではなく、BDFを作るだけの目的で、大規模に作物を作る動きがあるのです。このようなことをしたのでは、大量の土地を必要とし、新たな環境問題を引き起こしたり、今まで食用に使っていた油の値段がつり上がったり、使えなくなる人が出てきてしまうことです。
現在特に問題になりつつあるのは、東南アジアにおけるパームオイルや、南米の大豆油などです。いずれも元は熱帯雨林だったところを切り拓き、広大なモノカルチャーのプランテーションを作り、BDFを生産しようとしています。
今週発行の環境新聞の一面トップの見出しは、「輸入BDFにも波及は必至」でした。これは、先日NGOが「パーム油は環境に優しいと言わないで」とライオンにテレビCMの表現変更などを求めたことと絡めて、日本が大量にBDFを輸入することになれば、さらに大きな問題が生じ得ることを指摘したものです。
実際、僕がマレーシアやインドネシアで調査したときにも、BDFとしての需要でオイルパームのプランテーションがさらに拡大し、プランテーションをめぐる問題もより深刻になることを懸念する地元関係者の声を多く聞きました(農園関係者はビジネスチャンスと、逆に喜んでいましたが...)。
フロンやPCBのように、発明されたときには夢の化学物質と大称賛されたものが、時間が経ってから環境にきわめて悪影響を与えることがわかったものもあります。ですから、私たちが事前にすべての影響を考えることは不可能です。しかし、どのような悪影響が発生しそうか予想がつくものについては、十分に慎重になるべきではないでしょうか。
BDFも、カーボン・ニュートラルという一点を取り出して見れば、気候変動を防止する夢の燃料かもしれません。しかし、川上の生産現場まで遡って考えると、実はいくつもの落とし穴があることがわかります。環境影響を考えるときには、使用段階での影響だけではなく、製品のライフサイクル全体で考えなければいけない所以です。
一方、菜の花プロジェクトのように、製品のライフサイクルを延長するよう、再利用するしくみを作れば、環境負荷は減らして、私たちにとっての効用は増やすことができます。
製品のライフサイクル全体で、環境や社会にどのような影響があるかを考えながら使えば、より持続可能な仕組みが作れそうですね。ある一面だけ見て飛びつくのではなく、常にライフサイクル全体を意識することが、持続可能な社会のためには重要そうですね。
今日も長文を読んでくださって、ありがとうございました。
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コメントありがとうございました。
BDFはまだ案外無批判なのですが、食物原料からエタノールを作ることについては、さすがに各方面から懸念が出てきましたね。食品原料の残りを活用する動きになりつつありそうで、これは歓迎すべきことです。
パームオイルやナンヨウアブラギリなどについては、これからもウォッチしていきたいと思います。何か情報がありましたら、ぜひ教えてください。