2006年05月31日

持続可能な魚はおいしいか?

 MSCとは耳慣れない言葉だと思いますが、Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)のことです。MSCが認証した海洋環境を保全しながら、持続可能な形で捕獲した海産物には、以下のようなMSCのロゴマークをつけて販売することができます。
marine_logo_msc.gif

 FSC(森林管理協議会)の認証制度をご存じの方であれば、それの海産物版だと言えばわかりやすいでしょう。詳しくは以下のWWFジャパンのサイトの説明をご覧下さい。

■MSCについて(WWFジャパン)
http://www.wwf.or.jp/activity/marine/sus-use/msc/index.htm

 ただ残念ながら、日本国内ではこれまでMSCの認証を受けた漁業者や水産加工会社はなく、国内ではこのマークをあまり見かけることはありませんでした。ごく少数が輸入されてはいるのですが、それもMSCをセールスポイントにはしていないようです。日本ではまだ、海産物の持続可能性を気にする消費者も少ないということなのかもしれません。

 昨日の「持続可能な原材料調達 連続セミナー」では、WWFジャパンの井沢さんがMSCの制度と同時に、築地市場の亀和商店さんが、日本で初めてMSCのCoC認証を取得したことを紹介されました。ものすごくタイムリーなのことに、昨日の早朝3時に連絡が届いたそうです。

 会場では早速MSCマークをつけたキングサーモンがお披露目になりましたが、セミナー終了後、講演者は役得でお土産にいただいてしまいました(^_^)V
kingsalmon.jpg

 セミナーの会場では、「MSCの魚はおいしいのですか?」という質問があったのですが(笑)、実直な亀和商店の和田社長は「MSCと味は関係ありません。MSCは捕獲し、生産する方法が持続可能な形で管理されていることを示しているに過ぎないのです」と説明なさっていました。しかし、実際には亀和商店で扱っているこのキングサーモンの品質に関しては絶対の自信をお持ちのようです。

 さて、このキングサーモン。本当は2日間かけて解凍&熟成させて食べるのがベストだそうですが、せっかちな僕はまずは一切れをいただいてしまいました。一応24時間以上は経っていますので、許してもらいましょう。

 え、おいしかったか、ですか? たしかにMSCは味を保証するマークではありません。しかし、こだわりの漁師が一本一本釣り上げて、その場で〆て、内蔵を取り、完全に血抜きをして、船上で急速冷凍した、アラスカ沖の天然キングサーモンですよ。おいしくないわけがありません。環境に配慮する生産者であれば、他のことにだって、ましてや一番重要な味についてこだわりをもつのは当然ですよね。明日はさらに熟成したものを食べるのが楽しみです(笑)

 ここまで読んで、このキングサーモンを食べたくなった方も多いと思います(笑)。羨ましがらせてしまったら申し訳ありませんが、でも、ご安心ください。このMSCマーク付のキングサーモンが、今日から楽天市場で販売開始になりました。気になる方は、ぜひご自分の舌でお試しください。

■日本初! MSC認証製品 ブルース・ゴア アラスカ産天然キングサーモン切身
http://www.rakuten.co.jp/kamewa/693466/

 また、これに限らず、もし魚売り場で冒頭の青いロゴマークを見つけたら、どうせだったらその魚を選んでみませんか? 私たちが持続可能な方法で捕獲された海産物を選ぶことが、海産物を持続可能にするのです。


今日も読んでくださって、ありがとうございました。
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posted by あだなお。 at 23:42| 東京 🌁| Comment(10) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。このセミナーに参加させて頂いた企業セクターの者です。どうも、参加者の割合が、企業の人が少なく(セミナーの名前は調達セミナーなのですが)発言しずらかったので、ここに発言させていただきます。参加者の発言の中で、「私は、エビもマグロも滅多に食べなくなった」という発言のあと、足立さんが、「そうは言っても、市場は良くて安いものを要求している。」という発言がありました。その通りです。当たり前のことですが、市場経済の中、インセンティブが働く仕組みを作らないと、何もかわりません。どうも企業の活動を、悪と見る向きもありますが、本当は、企業も人なので、自然も壊したくないし、社会からの信頼も得たいのです。誰でも嫌われるのは嫌なのです。企業は人々が欲しているものを提供し、その対価を頂いていて、生きているのです。製品サービスが人々の要求にそぐわないものだったら、市場から追い出され死ぬ(倒産)だけです。
ちょっと脱線しましたが、漁獲については、ガンジガラメの規制の中、行われています。その規制を破ることは、とことん糾弾して良いと思います。違反操業の監視に社会的コストが廻らないため、どうしても出回る違反品を、SCMの人達が断る努力をするという理屈も間違っていないと思います。ただし、確証がない中で、しかるべき機関の証明が降りてものは、社会的分業の中で、信じざるを得ないと思います。(耐震偽造は、確証があった中で、物事を進めたことで、大きな違いがあると思います。)また、企業活動に言及する前に、その土台となっている、規制やそれを運営する仕組みにまずメスをいれる努力をすべきではないでしょうか?言っていて、半分以上諦めているのですが、これは、ご存知のとおり、とんでもない政治力を必要とします。1企業ではできませんし、企業団体は行わない。それこそ、政治です。企業は規制以上の倫理的な判断をもって、事業活動を行わないと、糾弾される過去の事件もありますが、本当は、人々社会が求めるに見合った、法規制にして欲しいのです。その中で公正な競争をしたいのです。後藤さんが見えていたので思い出したのですが、企業に影響力を持たせすぎた「政府の失敗」という言葉がありますが、これはとりも直さず我々人々の失敗なのです。
MSC等のエコマークも、本来は、そういう規制の中で、解決できれば、ダブルスタンダード的にならくて済むのです。亀和の社長が、MSCの認証を取るのは、「清水の舞台から飛び降りる」という表現を使いました。企業の社長としては、付加価値、差別化の効果が見えない中で、相当の認証費用等の先行投資をしたことを、このような表現にこめられたと推測しました。エコマーク全般に言えることですが、そのマークを、消費者が認知しなければ、何の意味もないということです。そういう意味では、認証費用のミニマム化、どうすれば取得できるのかのやさしい説明広報、消費者にどう伝えるかなど、やることは山積みでないでしょうか?認証機関が儲けている実態はありませんか?認証のための認証になっていませんか?何故なら、先ほど言いましたとおり、経済的インセンティブが働かないと企業は動かないからです。社長は、「昔高かったエビやマグロは食べないようにしている」という発言を、そういう意味では複雑な気持ちで聞いたのではないでしょうか?
日本の自給率が4割。水産物は殆どを輸入に頼る中、買い付け現場は、欧州や中国に買い負けるという現象が起きています。日本人は、欧州や中国より高い値段をつけなければ、魚が食べられなくなるということが、現実化しています。
Posted by いのしし at 2006年06月01日 10:30
いのししさん

丁寧なコメントありがとうございます。また、セミナーにもお越しいただいたそうで、あわせてお礼を申し上げます。

セミナーの際にも申し上げましたが、きちんとした行動をしている企業はよく評価すべきですし、それがなければ企業も前に進めませんよね。しかし残念なことに、日本の消費者、生活者は、文句もあまり言わない代わりに、「誉める」ということをほとんどしないように思います。言葉に出すのが難しければ、せめてそういう企業の製品を「買う」という行動で賛意を示して欲しいですよね。

企業活動の土台になる仕組みというのが、この場合何に相当するか難しいのですが、企業活動が国境を超え(漁業も国際的ですよね?)、また企業の動きがきわめて素早いことを考えれば、僕は法律で制御するのは難しいかなと感じています。ましてや国際条約となると、重要な国際条約に入らない大国もいますからね(^^;)

だからこそ必要とされているのが、企業が自分で自分を律する力であり、それがCSRの真意だと思います。そして、清水の舞台から飛び降りるつもりで、正しいと思った道を選択した企業を支持する消費者の声と行動です。

認証が「認証のための認証」に堕してはいけないことはもちろんですが、多少のコストはかかっても、あらゆる場面にチェック&バランスの緊張関係を持ち込むことが、今のところ一番現実的な解であるように、僕は感じています。企業からしてみれば、たしかにコストはかかるようになるのですが、自分たちの行動をより明確に、信頼性のある方法で主張することができますからね。

今度はぜひ、セミナーの席でもご遠慮なさらずにコメントをお願いします。そこから議論が広がっていきます。もちろん休憩時間等に個人的に声をかけていただいても結構です。お待ちしています。
Posted by あだなお。 at 2006年06月02日 01:04
いのししさん

おっしゃること、よく分かります。NGOにもすべき課題が多いことも認識しています。結局のところ「誰が悪い」と責任を押しつけあっても問題は解決しません。是非いっしょに取り組んでいきたいですね。
Posted by いざわ at 2006年06月04日 15:38
いざわさん、フォローをありがとうございました。

そうですね、「誰が悪い」ではなくて、自分に出来ることをみんなでやっていきたいですね。僕は企業を応援もするし、ダメなところは指摘もします。

そう言えば、いざわさんがおっしゃっていたと思いますが、亀和商店のことは海外メディアの方が積極的に取り上げているようですね。なぜでしょう?

http://search.yahoo.com/search?p=%22kamewa+shoten%22&prssweb=Search&ei=UTF-8&fr=FP-tab-web-t&x=wrt
Posted by あだなお。 at 2006年06月06日 01:25
「すべての場面に、緊張感を!」なるほどと思いました。全てのステークホルダーが持つべきですね。CSR→SRが、シナジーを生むと思います。
自分に出きることをやる→イニシアティブは自分にある→持続可能でなくなる
という循環から抜け出ない気がします。企業の立場を離れ、一個人になると、非常に心配です。二重人格症候群ですね。
日経エコロジーの7月最新号の環環諤諤で、大橋巨泉氏が言っているように、主義、から離脱できるかをテーマにしなくてはと、私も思います。
(でも大橋氏は、絶望するしかないと文書を締めくくって投げてしまっていることには、ちょっと)
いざわさんや足立さんの、エネルギーの発生源や、活動ビジョンや最終目標に、興味が湧いてきました。
 
Posted by いのしし at 2006年06月07日 16:40
いのししさん

そうですね、ISOや欧州のように、これからはCSRではなく、SRという言葉が普通になっていくかもしれませんね。

私たちはこれまで、企業人(あるいは仕事での立場)と一個人としての二つの異なる側面を持っていながら、その両者がしばしば矛盾したことを私たちに求め、二重人格的な苦しみを感じていたのではないでしょうか。企業がよりCSRを重視すれば、両者はもっと近づくはずです。たとえアプローチは異なっても、少なくとも方向性は一致するはずです。そうなれば、そんな二重人格的苦しみはなくなり、むしろ相乗効果が生まれるのではないでしょうか。早くそうなるように、みんなで力を合わせましょう!
Posted by あだなお。 at 2006年06月13日 12:41
6月23日午後と24日に、ナショナル物産麻布スーパーで、
MSC認証製品である、ブルースゴアのキングサーモンを、店頭試食販売します!

試しに食べにきてください!

いくら食べても、環境への負荷は低いはずです.....

お腹への負荷はべつですが!

ナショナル物産麻布スーパー
東京都港区南麻布4-5-2
電話:03−3442−3181
Posted by 和田一彦 at 2006年06月20日 21:27
和田さん

直々に宣伝をしていただいて、ありがとうございます。
メディアもお客さんも、海外の方が関心が高いんでしょうかね?

せっかくの試食販売ですから、日本人のお客さんがこの機会に増えるといいですね。
Posted by あだなお。 at 2006年06月22日 00:26
麻布スーパーの記事、読売新聞に、大きく掲載されましたね。いざわさんが、頑張ったのたかなあ。記事を社内ブログに掲載しました。
Posted by いのしし at 2006年06月30日 13:29
いのししさん、こんにちは。

新聞記事は、これですね?
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20060630ok02.htm

ちなみに110gというのは間違いで、220gだそうです(^^;)

また、僕はまだ未確認ですが、本日(7月1日)付け日本経済新聞夕刊6面のコラムの「グリーン通信」にもMSC認証が紹介されているそうですよ。
Posted by あだなお。 at 2006年07月02日 00:36
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Weblog: 鯵、環境民俗学ヲ嗜ム
Tracked: 2006-06-01 21:19

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