2006年06月25日

Say No to Racism

 "Say No to Racism"とは、「人種差別にNoを」という意味です。これだけ見ると、何を今さらあたり前のことをと思うかもしれません。でも、これが今年のワールドカップのスローガンだってご存じでしたか?

 二日続けてサッカーがテーマですが、昨日も書いたように僕自身はサッカーまったく興味ありません(^^;) オマケに、基本的にテレビは見ません。っていうか、見ている暇ありません(;_;) そんなわけで、このスローガンについて、どの程度報道されているのかまったく知らないのですが、サッカーファンの皆さん、どうでしたか? 

 ネットで調べてみたところ、FIFA(国際サッカー連盟)のリリースなどは流れているのですが、あとはあまり報道されていないみたいです。(Yahoo!)
2006年FIFAワールドカップで反人種差別を展開
FIFA、W杯で新規定を適用(uefa.com)
FARE(Football Against Racism in Europe)

 しかし現実には、ワールドカップをめぐって、人種差別事件は起きているようです。もちろんそれが故に、FIFAはこのようなスローガンを設けたのでしょう。人種差別をしてはいけないという当たり前のことをスローガンにしなければならないところに、問題の根の深さを感じます。
点検「300億人」の祭典:サッカー・ドイツW杯/3 人種差別、危機感と対策(毎日新聞)

 で、これが"Say No to Racism"のロゴマークです。
1681034068.jpg


さてFIFAはこの大会で、Say no to racismのロゴの他に次のような取組をするという。
●人種差別反対のテレビスポット
●準々決勝の全4試合はこのために捧げられ、キックオフの前に主将はサッカーと社会から差別撤廃の宣言文を読み上げる。
●6月28日 FIFAはベルリンSMC(スタジアム・メディア・センター)での記者会見でFIFA反人種差別デーを開始し、サッカーの代表者と世界のリーダーを通じて人種差別に対する戦いへの支援を示す
●あらゆる出身、宗教、国籍および肌の色の人々に向けられた前向きで包括的な雰囲気を醸成するため、「サッカーは団結」と呼ばれるプロジェクト
● 世界中からやってくるファンがドイツ人やドイツ在住の移民の若者たちと触れ合う機会を設け、人権尊重を啓蒙する。FIFAワールドカップにおける移民と少数民族の社会的統合を図り、彼らマイノリティのサッカー試合の観戦、クラブでのプレー、あるいはクラブの応援への増進を図る。
●LOCとKOS(ドイツファンプロジェクト協調センター)との協調のもと、スチュワードとボランティアは人種偏見、極右翼、差別に関する訓練を受けた。
●「基本的冊子」を用意し、ネオナチと極右グループがよく使う記号、シンボル、唱和を説明し具体的な行動についてのヒントを提供
●FAREは反人種差別のファン向け雑誌を英語、ドイツ語で出版し選手の声明とサッカーにおける人種差別の情報を掲載する。
などだ。
出典:http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/weblog/details.php?blog_id=70


 このリストを見るとFIFAもなかなかやるなと思うのですが、その一方、FIFAは本気なのかという批判もあります。莫大なお金が動くビジネスであるワールドカップにおいて、ポーズとしては人種差別反対を謳っても、その影響力を十分には発動していないのではないか、やる気があればもっと出来るだろうという批判です。そしてこれにはさらに、ネオナチ、メディアの責任、ナショナリズム、植民地主義、児童労働... と、実にさまざまなことが複雑に絡みあっています。詳しくは、富山大学経済学部教授の小倉利丸さんが書かれた以下のブログが詳しいので、そちらをご参照ください。
スポーツの脱政治化? ワールドカップ報道が伝えないこと(うぇブログ)

 日本のマスコミは、スポーツを政治的に利用しないとよく言います。しかし、もともとこれだけ政治的な要素に取り囲まれているのに、それを「政治的」という理由で報道しないことは、かえって政治的な判断だとも思えるのですが、どうでしょうか? そして小倉さんのエントリーでも指摘されているように、海外で日本のサポーターがどのように見られているかは、やはり意識すべきでしょう。そしてその際には、政治を意識せざるを得ないのです。

 ところで、なぜサッカーが世界中で愛されているか、ご存じですか? 野球は道具がなければできません。グローブも、ミットも、バットもなければできないのです。他の多くのスポーツもそうです。ところがサッカーは、ボールが1つあれば、どこでもすぐに始められます。ボール1つで、20人以上の子どもが楽しめるのです。貧しい国の子供たちにとって、これほど参加しやすく、親しみやすいスポーツはないのです。

 世界中の共通言語となる可能性を秘めながらも、それが故に人種差別や政治的思惑も意識せざるを得ないスポーツ。サッカーのそうした背景を理解することも、世界の舞台でプレーしたり、応援するために、必要なことのように思います。無関心にはレッドカード!です。

 最後になりましたが、このエントリーを書くきっかけの情報をくださったフェイさん、この場を借りてありがとう!

今日も長文を読んでくださって、ありがとうございました。
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posted by あだなお。 at 22:53| 東京 🌁| Comment(7) | TrackBack(5) | ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
人種差別にNoを。
ベスト8が出揃った今日まで気づきませんでした。
本日今より
A time to make friends,
Say No to Racism
を意識してから試合を見るようにしたいと思います。
家族や友達にも伝えようと思います。
Goodな記事をありがとうございました。
Posted by seiko at 2006年06月28日 09:47
seikoさん

こんにちは、コメントありがとうございました。
そうでしたか、やはりあまりニュースなどでは触れられないのでしょうね。

人種差別なんかしているより、友だちを増やした方が楽しいですよね。ぜひ、お友だちにもこのことをお伝えください。
Posted by あだなお。 at 2006年06月28日 23:49
こんにちは、sanouaです。
SAY NO TO RACISM、
この間、試合を初めて最初から見たときに気づきました。
ああ、スポーツの祭典だし、ウンウン、そうだよね・・・。と平和に思っておりましたので
この記事で色々知ることができて
勉強になりました。
いつもながら、ありがとうございました!
Posted by sanoua at 2006年06月30日 12:24
sanouaさん

そうですか、テレビでもちゃんとやっていましたか?

僕は無責任なことに、こんなエントリーを見た後も、結局ワールドカップの試合はまったく見ていません(^^;)

それでも、少しはお役に立てたようであれば嬉しいですね。
Posted by あだなお。 at 2006年07月02日 00:23
昨日のサッカーの試合で、試合開始前に、Say No to Racismのアピールがあったようです。(日本のTVで解説者が何か言っていたようです)
詳細は分かりませんが、とりあえず、放送されていたようで、嬉しい限りです。
Posted by フェイ at 2006年07月02日 22:35
このスローガンいいなぁと思いましたが、日本のサッカー番組ではあんまりとりあげられていないような気がしました。

ただ、サッカーは欧米でも低所得層もみれるし参加できるスポーツなので、選手自身もフーリガンもレイシストが多いから、こうゆう風になるのかもしれませんね。

>サッカーは、ボールが1つあれば、どこでもすぐに始められます。

低所得国のまずしい子たちにも希望がみえますね。今回、最近まで内戦のつづいていたアンゴラが出場しました。NHKで、なんとかいう選手にインタビューした番組してましたが、その選手も自分がサッカーで活躍することで、子供達の未来に希望が与えられればといっていました。



Posted by あずーる at 2006年07月04日 01:02
>フェイさん

いつも情報やコメントをありがとうございます。
あとは、その意味が、重たさが、どれだけの人に届いたかですね。一歩前進を期待しましょう。


>あずーるさん

こんちは、コメントありがとうございました。
日本では、幸か不幸か、切実感がないんでしょうね。

貧しかった少年が、世界のひのき舞台に立つスタープレーヤーに。サッカー選手は、いろいろな国で、子供たちの憧れと希望の星なんでしょうね。
Posted by あだなお。 at 2006年07月04日 01:14
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「『人種差別』にNo」(FIFAワールドカップのスローガン)
Excerpt: 小倉利丸さんの文章でびっくり。 スポーツの脱政治化? ワールドカップ報道が伝えないこと http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/we..
Weblog: 今日、考えたこと
Tracked: 2006-06-26 01:01

Say No to ・・・
Excerpt: 様々な思惑がありそうですね。
Weblog: ロボティック・ライフスタイル
Tracked: 2006-07-03 22:59

SAY NO TO RACISM/『拉致問題で歪む日本の民主主義 〜石を投げるなら私に投げよ』/「9条守ろう! ブロガーズ・リンク」
Excerpt: 2006.7.8.16:30ころ 1) 「SAY NO TO RACISM」 と
Weblog: 多文化・多民族・多国籍社会で「人として」
Tracked: 2006-07-08 16:36

SAY NO TO RACISM/『拉致問題で歪む日本の民主主義 〜石を投げるなら私に投げよ』/「9条守ろう! ブロガーズ・リンク」
Excerpt: 2006.7.8.16:30ころ 1) 「SAY NO TO RACISM」 と
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Tracked: 2006-07-10 06:45

W杯ドイツ大会〜「Say no to racism」について知っていましたか?
Excerpt: W杯決勝は7月9日にベルリンで行われ、1−1で突入したPK戦を、イタリアがフランスを5−3で制して、82年以来4度目の優勝を果たしました。 その決勝戦において、現役最終戦だったフランス主将のMFジネ..
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