2006年07月09日

日本の不都合な真実

 先日、アメリカ政府にとっての「不都合な真実」(=地球温暖化は現実に進行している)を紹介しましたが、今日は、日本にとっての不都合な真実を紹介しましょう(^^;)

 昨年から、地球温暖化防止大規模国民運動(長っ!)として、「チームマイナス6%」が展開されています。これは、京都議定書の中で日本が公約した、第一約束期間(2008〜2012年)に日本は温室効果ガス(GHG)を1990年比で6%削減する義務があるため、それを実現しようというものです。

 しかし、ご存じのように、実際には日本のGHG排出量は1990年より8%増えており、これから約14ポイントも削減しないと公約は守れません! かなり本気で取り組まないと実現できず、クールビズなど、貢献量としては焼け石に水です。(もちろん、関心を高める上でや、エコマインドを育てる上では意味があると思いますよ)

 そして、ここから先が「不都合な真実」なのですが... 6%削減というのは、京都議定書で決まった政治的な妥協の産物でしかなく、日本が6%削減したところで、地球温暖化は止められないのです。

 そりゃあ、そうでしょう。日本が6%程度減らしたところで、それよりもっとGHGを出している中国、日本とほぼ同じ量を出しているインドでは、年々排出量が増加していますし、アメリカはまったくやる気がありません(^^;)からね。

 いいえ、そういうことでもないのです。それもたしかに「真実」なのですが、今問題にしているのは、日本がどうしなくてはならないかです。

 気温上昇が2℃以上変化すると予測しがたい非線型な変化、場合によっては壊滅的な変化が起きることから、なんとか気温上昇を2℃以下に抑えようというのが、国際的なコンセンサスになりつつあります。

 そのためには、大気中のGHG濃度を、二酸化炭素換算で475ppm以下にする必要があります。これを実現するためには、2050年のGHG排出量を世界全体で、1990年比で50%以下に削減する必要があるのです! つまり1990年の半分にしろということです。

 日本は、それ以上、おそらくは60-80%の削減をする必要があるであろうということが、国立環境研究所の研究者などにより、既に昨年、中央環境審議会地球環境部会の気候変動に関する国際戦略専門委員会に情報提供されています。

 国立環境研究所などでは現在、「脱温暖化2050研究プロジェクト」を進めていますが、ここでは2050年にGHG排出量を1990年比で80%削減が目標となっています。

 もちろん今すぐにではないのですが、将来は80%削減しないといけないのですよ! 6%より、この数値をもっと知らしめた方がいいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

 ちなみに、もしこれから毎年一定の割合で削減して行くとすれば、毎年どれだけ減らす必要があるのでしょうか? ちょっと計算してみました。

 44年間で80%削減するためには、毎年3.5%の削減が必要です。でも、今はもう8%増えてますから、それを考えると、毎年3.8%近く減らす必要があります。毎年3.8%というのだって、ずいぶん大きな目標ですよね。


 というわけで、今日の結論。

 気候変動防止のためには、マイナス6%では生易しい、マイナス80%ですよ、皆さん!

今日も長文を読んでくださって、ありがとうございました。
今日のエントリーは役に立ちましたか? 役に立ったと思ったら、人気blogランキングへの投票をお願いします。役に立たなかったら、遠慮せずにスルーしてくださいね。
banner_04.gif役に立ったら、Click me!


posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(2) | 気候変動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あるシンポジウムに参加したときのこと、著名な教授が「チームマイナス6%なんて焼け石に水のようなことを悠長にやっている場合じゃないんです!!チームマイナス6億tですよ!!」と熱く渇を入れられていました。のん気な私には強烈過ぎてショックでした・・・。そのときの話はTBします。
Posted by あいか at 2006年07月10日 12:11
あいかさん

コメントありがとうございました。あいかさんのブログの記事も拝見しました。

そうですね、山本先生は+2℃に一生懸命ですよね。でも、その気持ちは僕も痛いほどわかります。本当にマイナス6%なんてのんきに構えている場合じゃないんですよ。


あまり危機感を煽るのもどうかとは思うものの、でもこれはやはりみんなが知っておくべきことだと思います。まだ乗り越える道はあるわけですから。
Posted by あだなお。 at 2006年07月11日 01:08
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

衝撃の『Point of no return』〜地球温暖化へのリミット〜
Excerpt: 今年の4月に市ヶ谷の自動車会館にて開催された 指導教授が理事を務める「日本環境管理監査人協会:JEMAS」 のシンポジウムへ参加したときの事。 東大の生産技術研究所、山本良一教授の話は そ..
Weblog: 幸せ putti eco育児日誌
Tracked: 2006-07-10 11:46

+2℃について記述した単行本現る
Excerpt: 気候変動 +2℃(著)山本 良一,Think the Earth Project出版社/メーカー:ダイヤモンド社価格:¥ 1,260ISBN/ASIN:4478871086Rating:ZERO ま..
Weblog: 温暖化いろいろ
Tracked: 2006-07-11 08:10
Google
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。