2006年07月12日

バックキャストで行こう!

 昨日のエントリーで書いたように、地球温暖化を止めるためには「マイナス6%ではなく、マイナス6億トン」が当座の目標で、究極的には、2050年にマイナス80%を目指す必要があります。

 そんなことができるのか? もちろん、今のやりかたでは無理でしょう。なりゆきにまかせていたら、今より増えてしまうかもしれません。多少頑張っても、単に努力を積み上げるだけでは数割削減できれば、万々歳です。

 では、どうしたらいいのか? そんなときに役に立つのが、バックキャスティングです。これは、まず最初にゴールを決め、そこから現在を振り返って見てそのギャップを認識する。そして、ゴールに到達するためにはどうしたら良いかを考えるというやり方です。

backcasting.jpg※クリックすると大きくなります
出典:2050 年脱温暖化シナリオの検討[PDF](首相官邸)

 現在から将来を予測する(forecaset)のが前方(fore)を見るやり方だとすれば、理想とする将来から現在に向かって遡って逆向き(back)に見るのが、バックキャスト(backcast)なのです。

 なんだかちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、実はこれ、私たちが日常的に使っている方法です。

 9時に会社に着こうと思ったら、そこから逆算して家を8時前に出る。16:30の飛行機に乗ろうと思ったら、チェックインは11:00、○時○分の電車に乗るために、オフィスは△時には出発しよう。私たちは無意識に、バックキャスティングをしているのです。

 ところが将来のことを考えるときには、私たちはこのことを忘れ、フォアキャスト(予測)しがちです。けれど、予測なんて当たったためしがありません。途中で何が起きるかわからないし、ついつい自分に都合の良いことを考えてしまうからですね。

 しかし、長期的なことにこそ、バックキャスティングは有効です。途中で道に迷わず、時間内にゴールに辿り着くためには、まずゴールをきちんと設定すること。そしてそれに到達できるように、スケジュールを組み立てること。それが重要なのです。

 これはもちろん、持続可能な社会を作るためにも役立ちます。2025年に私たちはどんな持続可能な社会に暮らしたいのか。まずはそのゴール(ビジョン)をはっきりと定め、そこから現在を振り返り(バックキャスティング)、まだ出来ていない課題が明確になったら、それを解決していく。

 これが私たちの理想とする未来を作る、簡単で、確実な方法です。最初にゴールをきちんと定めておけば、合意できるビジョンを作っておけば、後から「こんな社会を目指していたのではなかった...」などとはならないはずです。

 今日ご紹介したバックキャスティングは、僕のとても好きな考えかたです。2025年の持続可能な社会作りのためにはもちろん、「脱温暖化2050プロジェクト」でも使われています。皆さんもご自身の将来計画に、バックキャスティングを使ってみてはいかがですか?

今日も読んでくださって、ありがとうございました。
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posted by あだなお。 at 22:52| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(3) | 手法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもブログを楽しみに読ませていただいています。

今日はバックキャスティングと言う言葉を初めて聞かせて頂きました。

実際はよく日常で使う手法であり、成功哲学や成功セミナーなどでよく語る方法・・・みたいな感じですね。

全地球規模での目標達成が必要ですが、その為の現時点での必要な働きの一つがこのブログなのですね。

僕自身も何が出来るのか探って見ます。




Posted by keystone at 2006年07月13日 20:42
keystoneさん

コメントありがとうございます。

そうなんですよ、本当はごく当たり前のことなんですよね。そして、ふだんは無意識に使っているが故に、大きな目標については、案外使わなくなってしまうのです。
そういうときには意識的に考える必要がありますからね。

ところが、かなり先の、大きな目標を達成するときこそ、バックキャスティングが一番力を発揮するのです。皮肉なことですね。

keystoneさんの「何が出来るか」。考えが固まったら、ぜひ教えてくださいね。
Posted by あだなお。 at 2006年07月15日 01:10
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”6%”でなくて”6 ton”みたいです。。。
Excerpt: 「バックキャストで行こう!」(あだなおさんのブログ)によると、 地球温暖化を止めるためには「マイナス6%ではなく、マイナス6億トン」が当座の目標で、究極的には、2050年にマイナス80%を目指す..
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Tracked: 2006-07-13 16:12

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