その割合は民間企業では1.8%、ただし、重度の障害がある方は一人で二人とカウントしたり、業種によっては免除がある場合もあります(この免除枠を除外率と言いますが、現在段階的に削減中です)。
また、最近では障害者を多数雇用することを目的に設立された特定子会社と親会社で、雇用率を合算することも認められています。ただ、これに対しては「数合わせ」との批判もあるようです。
■障害者の雇用を促進するための法律・制度(TOKYOはたらくネット)
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/koyo/shogai/seido.html
と、これだけいろいろな便宜は図られているのですが、障害者雇用率が法定の1.8%に達している企業は、案外少ないのです。2005年の全国平均は1.46%だそうです。障害者は「お荷物」、特別な仕事しかできない、ただでさえ人件費は削りたいんだ。そんな思いがあるのかないのか、この目標を達成せずに、納付金を払っている企業もかなり多くあります。
障害者雇用はCSR的にも重要なテーマの一つですが、達成している企業が少ないだけでなく、この数値をサステナビリティ報告書で報告している企業も案外少なかったりします。お手元に報告書があったら、試しにいくつか見てみてください。
ところがです。しばらく前に知り合いの方から聞いたのですが、意外な企業が、意外にもこの分野で先進的でした。その企業の名前は... 株式会社ファーストリテイリング、そうユニクロを経営する会社です。法定雇用率が1.8%なのに対して、2005年のユニクロの雇用率は7.66%だったというから驚きです。実に目標の4倍以上、従業員の13人に一人の割合です。
ユニクロでも、「最初は、法定雇用率を満たすにはどうしたらいいか、という議論から始ま」ったそうですが、「実際に障害のあるスタッフが働くユニクロの店舗で、サービスが向上するケースが見られ」ることがわかってきたのです。「チームワークの意識が高まっ」たり、「店舗全体の雰囲気が向上し、サービスの質も上がって」いったのだそうです。そして、「一店舗一名以上の採用が私たちの目標ですが、現実的にはまだ七割から八割程度の店舗での採用に留まっているのが現状です。」とのこと。一年後の今は、どうなっているのでしょうか。
出典:Simple Questions「そもそもユニクロって?」(2)
ユニクロの事例は2004年5月3日の日経新聞でも紹介されていて、そこで柳井会長が言っているのですが、ユニクロの場合は「きれい事を言う気はない。障害者を雇うのはその方が顧客サービスが向上するからだ」と、しっかりそのメリットを認識しているのです。「障害者がいると弱点を補い得意な点を伸ばそうと他の従業員の支援意識が強まる。その気遣いは顧客へのきめ細かいサービスにつながり集客力が高まる」し、店員どうしが他人の悩みに気付くようになって、チームワークが向上するというのです。
つまりユニクロでは、温情や義務でではなく、戦力として障害者を雇っているのです。やらなければいけないので、しかたなくやる。積極的に進めて、そのメリットを享受する。どちらがより賢い企業経営かは、明白です。
柳井会長は「障害者を特別扱いしない」、「できないところは支援するが、それは未熟な健常者を熟練社員が教えるのと同じ」、「障害者、健常者を問わず従業員が仕事に達成感を持てるようにする」と言い切っていますが、おそらく最初からそう考えていたわけではないでしょう。こうしたことに気付き、確信が持てるようになることも、障害者の方と一緒に働くことの効果なのではないでしょうか。
自分と異なる立場、考え、背景の人たちと働くことは、必ず新しい発見と力をもたらしてくれます。これこそが、多様性の意味なのだと思います。
《参考サイト》
■ユニクロの障害者雇用(きこえぬ羊のホームページ)
■障害者雇用へ「特例子会社」続々 企業の社会的責任を意識(読売新聞)
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そうなんですよ、ユニクロはちょっとどうかなぁと思うところもあるんですけどね。だから、あえてこのことをあまりCSR!とか言って喧伝はしないのかもしれません。
それに「もうかるからやるんだ」という立場は徹底していますよね(笑) アリバイ的なCSRより気持ちがいいぐらいです(^^;)。