その結果どうなったかと言えば、イギリスおよびアメリカで飛行機に乗る際の保安検査が異常に厳しくなっています。例えばイギリス国内空港を出発する全便(国内線、国際線とも)では、原則としてあらゆる手荷物の機内持ち込みが禁止されました。
ハンドバックはおろか、何かをポケットに入れることすら禁止です。パソコンはもちろん、iPodもダメだし、空港で買った雑誌もダメ。ティッシュや衛生用品も、箱入りはダメ。つまり、基本的には何も持ち込むなといことです。唯一OKなのは、ケースに入っていない眼鏡、機内で飲む分の薬ぐらいのものです。赤ちゃんのミルクは、付き添っている親がその場で中味を飲んで、中味が危険物でないことを証明する必要があるそうです。
《参考リンク》
■イギリスにおける 航空保安の強化について(JAL)
https://www.jal.co.jp/cms/other/ja/info6.html
米国発着便の場合にはこれよりは緩くて、液状のものがすべて持ち込み不可になっています。
《参考リンク》
■米国発着便における航空保安の強化について(JAL)
https://www.jal.co.jp/cms/other/ja/info7.html
これは、今回の事件が、ペットボトルに仕込んだ液状の爆発物を電子発火装置で爆発させる計画だったためだそうですが、なんとも不自由になったものです。もちろん安全のためにはいたしかたないのですが、この新しい空の旅をちょっと想像してみてください。憂鬱になりませんか? もちろん空港での混乱も大変なものです。この新しいルールに対応するために、何時間もかけて検査を行い、出発が遅れる便やキャンセルする便まで出ているそうです。
《参考リンク》
■英航空機テロ未遂:国際社会への脅威、改めて見せつける(毎日新聞)
イギリスから日本に戻るときには約12時間のフライトなのに、機内ではPCで仕事をすることもできなければ、好きな音楽を聞くことも、本を読むことも、書類に目を通すこともできないのです! 飛行機の中では、映画を見て、たっぷり寝て、英気を養うつもりの場合にはいいかもしれませんが、実際はそうもいかないでしょう。長いフライは、集中して本を読んだり、原稿を書いたり、メールに返事を書いたり... 案外そういう作業には向いている貴重な時間でもあるのです。
さらに気が滅入ることには、ヒースロー空港の当局者は、これは暫定的ではなく、恒久的な措置であると言っているのだそうです。イギリスからのフライトは、まさに12時間も飛行機の中で囚われの身です。空の旅は、これまでとはまったく異質なものになってしまったのです。空港の売店だって、商売あがったりでしょう。
こうしてみると今回のテロは、航空機を爆発させて人的・物的な被害を出すことはできなかったものの、国際社会を恐怖に陥れ、その自由を奪ったという点からすれば、やはり成功だったと言えるのかもしれません。
いかなる理由があってもテロは正当化できるものではありません。犯人グループが悪いのはもちろんです。テロをしかけたことも、その影響についても、まずは犯人やその背後のグループの卑劣さが責められるべきでしょう。しかし、彼らの怒りをもたらした側には、つまり徒にイスラム原理グループと対立を招いたブッシュ政権の政策はどうでしょうか。僕は、そのやり方にも責任の一端はあるように思います。さらに言えば、そのブッシュ政権のやり方を傍観し、止めようとしなかった私たちはどうなのでしょうか。まったくの無責任と言い切れるのかどうか、僕にはその自信がありません。
力でねじ伏せようとすることはもちろん、自分で直接手を下さずとも、それを無批判に見逃すことにも、憎悪の連鎖を増幅させ、社会を不安定に、不自由に、そして持続不可能な方向に導いている責任があるのではないでしょうか。今回の事件を単なる大規模テロ未遂として終わらせてしまうのではなく、それが残した影響と、それをもたらした真の原因について、私たちはもっときちんと考えてみるべきなのではないでしょうか。皆さんはどう思われますか?
今日も長文を読んでくださって、ありがとうございました。
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で、テロを制御できないことが暴露された世界ってのはいままでの世界とはまるで変わってしまうのではないだろうか。
テロ防止というのは象徴的には「信頼できない他者はいない。いたとしても例外として制御可能だ」という暗黙の前提を担保することなんだと思う。するとテロを例外とできないとなれば、相互信頼に基づく市民社会という近代社会の大前提が崩壊する。これって新しい中世だよね。
低炭素社会への移行にかかるコストは多く見積もっても1000億ドルといわれていますが、ブッシュ政権になってからのアメリカの軍事費の増加額はそれをはるかに上回ります。
アメリカという国は世界を変え得るだけの影響力を持っているのに、サステナブルな社会の実現よりも戦争を選びました。
この過ちを取り戻す時間が人類に残されているかどうか・・・。PNRが迫っている今、それに気づいて変わろうとする人がどれくらいいるか・・・。
アメリカ国民が北米先住民の言葉の重みを理解する日が来ることを願っています。
そうそう、人間爆弾をされたら防ぎようはない。そんな馬鹿な思う人もいるかもしれないけれど、現に自爆テロは後を絶たないわけだしね。きっと原理主義者にとっては、荷物を持ち込み損ねて聖なるテロに失敗するより、人間爆弾で確実にテロを起こした方が功徳が高く思えるだろうしね。
飛び道具のなかった中世ですら暗黒だったのに、さまざまな残虐な兵器が発達した今がそのような時代に逆戻りしたら... 本当に怖いよねぇ。
>ペンギンさん
そうですね、ゴアが大統領になっていたら、環境面だけでなく、中東などの情勢も大きく変わっていたでしょうね。かえすがえすも残念です。
ゴアは否定しているようですが、「不都合な真実」が、ゴア人気を再度盛り上げ、次期大統領選への道筋を作ってくれることを願います。