2006年09月24日

労働市場の国際化!

 今日からフィリピンに出張です。昨夜は数時間しか眠れなかったので、フラフラしながら飛行機に搭乗。そのまま熟睡できればいいのですが、マニラは成田からちょうど4時間で着いてしまいます(^^;) こういうときには、もうちょとフライトが長いといいなと思います(笑) 勝手なもんです。

 今日利用したのは日系の航空会社でした。日系でも、最近は乗務員の国際化が進んでいます。パイロットと航空機関士(まだいたんですね)はおそらく西洋人。客室乗務員もほとんどアジア系の外国人で、日本人のスタッフの方が少ないぐらいでした。

 かつては、日本には日本語という砦があるので、外国人労働者は馴染まないと言われていましたが、実際に蓋を開けてみればそんなことはありません。企業は外国人を雇った方が安くて、外国人は日本企業で働くことに経済的メリットを感じれば、両方とも頑張るのです。客室乗務員の皆さんも、マニュアルどおりなんでしょうが、一応敬語をつかって接客しています。母国語、日本語、英語と三カ国語を話す方もいるようですので、片言の英語しか話せない日本人客室乗務員よりはるかにコストパフォーマンスはいいと言えるかもしれません。

 空港からケソンのホテルまで、ホテルの手配してくれた車で移動しました。運転手さんは歳の頃は30そこそこといったところでしょうか。道すがらいろんなことを話してくれました。最近、フィリピンでもっとも景気がいい業界はと聞いたら、なんとコールセンターだそうです。アメリカだけでなく、イギリス企業のコールセンターもフィリピンに出来ているのだそうです。英語を話す国の強みですね。アメリカやイギリスのオペレーターは大変ですが...

 そんなことを話しているうちに、なんと彼は日本に居たことがあると言い出しました。何をしに行ったのか聞いたら、観光ビザで入国して、日本にもう14年済んでいる兄弟の手引で仕事をしていたのだそうです。もちろん不法就労です。しかし、ある日それを警察に見つかって、強制送還になったそうです(^^;)

 日本における外国人不法労働者の実態が聞ける!と思って、ついつい根掘り葉掘り質問してしまいました。仕事は建築現場の日雇いで、お兄さんがいくつかの建築業者とツテを持っていて、フィリピン人(不法)労働者を送り込むのだそうです。中国人だけを送り込む、中国人手配師もいるそうです。やはり地縁、血縁なのですね。

 日本の建築現場で一日働くと1万6千円になったのでアルバイトとしてはなかなかいい稼ぎなのですが、仕事が毎日あるわけではないことと、家賃や食費が高いのが大変だったと溢していました。不法就労していたということについては、まったく気にする風はありません。日本の3K職場も、そういう彼らに支えられているわけです。

 それではフィリピンの一般的な労働条件はと聞けば、一日の最低賃金は400ペソ(=1000円)なのだけれど、建築現場は安いので350ペソぐらいしか貰えないだろうとのこと。一ヶ月頑張って、まぁ10000ペソ(=2万5千円)ぐらいだそうです。しかし、それではとても暮らしていけなくて、夫婦共働きで20000ペソの収入があると、なんとか子ども一人を養えると言っていました。子ども二人と暮らすためには、月30000ペソは必要といいます。

 そう考えると、1ペソは大体10円ぐらいの感覚なのでしょうか。実際の為替レートは1ペソ=2.5円ですから、物価はおおよそ1/4ということです。とすれば、一日働いて350ペソ(3500円ぐらいの感覚?)では苦しいでしょうし、逆に1万6千円ももらえる日本は天国でしょう。なるほどねぇ、こういう話を聞くと、いろいろと勉強になります。

 このように経済的なインセンティブがあれば、やはり多くの外国人にとって日本というのは経済的には魅力的な国でしょう。言葉の壁なんて、あっという間に乗り越えてしまうはずです。一方、緊張感のまったくなくなった今の日本人はどうでしょうか? 外国人労働者が大量に入ってきたら、あっという間に負けてしまいそうですね。

 今日は道中そんなことを考えていました。明日からはアジアのCSRの国際会議です。これだけ国情が違う中、それぞれの国でどんな風に、何に取り組んでいるのか。話を聴くのが楽しみです。

今日も長文におつきいただき、ありがとうございました。
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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨日あるバックパッカー系の女の子と呑んでいて最近出た『教育格差絶望社会』という本の話題になったのだが、そこでの結論は「教育と経済は連動している。いくら教育で理想論を掲げても苛烈な経済競争への対応ができなければ有効に機能しない。」というものだった。ようするにインド人や中国人と仕事を奪い合う状況の中で「良い仕事」に付くために「良い教育」への競争が激化しているわけで、そういうグローバリズム的大競争状況を無視した教育論は無意味だと。
しばしば相反する経済と環境とおなじように経済と教育をいかに両立させるかっていう大人の知恵が必要だよなぁ。
Posted by エースケ at 2006年09月30日 18:55
エースケへ

僕は教育の第一の役割は、社会の仕組みを伝えること、どうやって自分が社会の中で生きていけるかを学ぶ場なのではないかと思っています。だから、当然、実際の経済システムを反映したものでなくては、意味ないよね。

そう考えると、今の日本の教育が、あるいは僕たちが受けた教育というべきかもしれないけれど、いかに現実から乖離したものであったか、今さらながら恐ろしくなります。社会のことを知らない教師が教えている限りは、しかたないのかもしれないけれど..
Posted by あだなお。 at 2006年10月04日 01:42
今日の日経に『株式会社の学校経営解禁』の記事が載っていたね。このままだと理想無き現実主義に流れそうで怖い。こんなんなったというのも「経済⇔教育」と対立概念で捉えて無策だったお花畑教師のせいだ〜!
むかし引き籠もりや過拒食症の若者のことを調べていたときに印象深かった言葉があって、「お母さんは僕を武器も持たないで戦場に出そうとしている」というものだった。
もちろん社会=戦場であってはいけないのだけれど、それもまた真実の一面であって、彼に必要なのは理想論や精神分析じゃなくて闘うスキルなんだよなあと思った次第。
Posted by エースケ at 2006年10月05日 12:53
エースケへ

たしかに。教育で何を教えるべきか、その明確な方針なしに自由化というのはちょっと、いや、かなり心配。フィリピンでBOP向けのビジネスが展開している話を数日前に書いたけれど、これと同じことで、明確な理念があってそのために教育をしたいのか、それとも金になればなんでもビジネスにするのか、問題はそこだと思うよ。

それにしても、その過拒食症の子は、よくわかっているよね。たいていの人は、社会に出てから、学校で何も教わらなかったことに愕然とするのでは? スキルというとすぐに役立つ方法論になりそうな気がするので、むしろ、生きて行くための技術(arts)と言ったらいいのかな。あ、これってアユールヴェーダだね(笑)
Posted by あだなお。 at 2006年10月07日 18:45
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