2006年12月08日

定休日を拡大

 百貨店の丸井が、年2日しかなかった定休日を来年から原則月1日の定休日を設けるようにするになったことを、ブログ「にっけいしんぶん新聞」で知りました。
丸井、定休日を拡大 −右へ倣え−(にっけいしんぶん新聞)

 昔はデパートだって毎週一度は休みだった気がします。火曜日は○○が休みで、□△は水曜日が休み。という風に都心のデーパートは微妙にずれていて、結局どこかは明いているので、そんなに困らなかったのだと思います。ところがいつの間にか、今ではどこもほとんど年中無休状態です。

 お正月ですら、1日から営業しているところまでありますし... むかしは1日、2日はどこもお休みだから家でゆっくりするしかなかったですし、だからこそお節料理という保存食も意味があったのですよね。それが1日の朝から初売りなどされた日には、おちおち休んでもいられません。いや、僕は休みますけれど、お店で働く人はね。それに、正月特有の静けさも、今ではあまり感じられなくなってしまったような気もするのです。

 この「にっけいしんぶん新聞」というブログは、エントリーも軽妙ながら、コメントも多彩で楽しいのですが、今回のエントリーに対するコメントを見ていると、おおむね皆さん丸井の決定に賛成のようですね。曰く、今はあまりに「働かせ過ぎ」と。ごもっともです。

 丸井が休みを増やす理由は、人手不足と優秀な社員を確保するためだそうです。一見すると、従業員のことを考えての決断のようにも思えますが、いや、休みを増やした方が結果的に「儲かる」からなのだというクールな意見もありました。実際、そうなのかもしれません。

 そう言えば、今年の厚生労働白書に関して、しばらく前にこんな記事もありました。
白書として初めて「働かせ方」という言葉を用い、長時間労働の是正には企業側の意識改革がより重要である点を強調している。
出典:「厚生労働白書:長時間労働是正、企業の責任強調 」(毎日新聞06/09/08)

 厚生労働白書は、さらにこれを少子化とも関連させる分析をしています。
白書は、少子化の要因の一つに、30代を中心とした育児世代の長時間労働を挙げ、労働者の仕事と生活の調和を実現する働き方の見直しは企業の社会的責任であると強調した。国民に対しても、長時間労働を生む原因となる「24時間サービス」「即日配達」など、利便性を際限なく求める姿勢を見直すよう訴えている。
出典:「厚労白書 少子化要因に働き過ぎ 25−39歳「週60時間以上」20%超 」(読売新聞06/09/08)

 少子化だけでなく、本当にあらゆる家庭生活、私生活が犠牲になっていると思います。私たちの便利な生活は、誰かの不便な生活によって支えられているのです。私たちがゆとりのある生活をしようと思ったら、自分たちの便利も少し我慢しなければなりません。いえ、それは我慢ではなくて、そもそもそういうものなのだし、そうやって待つことが、時間をかけることが、本当の「ゆとり」のハズです。

 かつて「お客様は神様です」という言葉が流行りましたが、これは明らかに間違いです。客のワガママにひたすらつきあうべきではありません。できるサービスはもちろん結構ですが、できないものはできない、きちんとお断りすることが持続可能なサービスなのではないでしょうか。

 そして、夜中まで店を開けているのは、お客のためというより、売上のため。おそらく、それが本音なのだと思います。お客さんも便利になったようでいて、実はお店に乗せられているだけなのかもしれません。

 丸井が休日を増やす決断をした理由はともかく、年中無休とか、24時間というサービスはそろそろ見直す時期なのだと思います。ライフラインに関するサービスは別として、そのようなサービスを売りにする会社は、環境的にも、社会的にも、持続可能ではない方向に向かっているように感じます。CSRを標榜する企業には、深夜営業は似合いません

 さて、次のお正月には、どこがきちんと休むでしょうか?

今日も読んでくださって、ありがとうございます。
サステナ・ラボもかなり年中無休です(^^;)
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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あだなお。さん、こんにちは。
そうなんですよね。私は特に宅急便を送るとき、翌日届くのが当然というサービスはムダだなぁと思うことがあります。全然急いでいない物を送るときには“ゆっくり便”を選べる(トラックではなく貨物列車で運んでもらう??)とか、スローでエコで従業員にやさしい別の選択肢があればいいのに、と思います。
Posted by みっち at 2006年12月09日 09:36
仕事と私生活の調和の問題。人間らしい人生を築こうとすれば、必ず直面する問題ですね。

その「調和」の選択は、個人のプライオリテイに関わりますから、人それぞれ違うはずです。大切なことは、自分自身の「調和」を「本気で」追求することではないかしら。労働者と経営者両方の、人間としての意識と言うか、信念というか、「心」の問題だと思います。

「本気で」仕事と私生活の調和を求める労働者と経営者が一緒になった素晴しい会社を知っています。24時間営業を自ら選択し、経営者も労働者も、顧客さえも、生き生きと助け合う、そういう店舗も知っています。そういう企業組織に必ずあるのは、CSR性の高いビジョンと価値観。それがはっきりし、組織全体で共有されています。生産性や利益が高いのは当たり前の話。だからこそ、持続性がよりいっそう高くなる。人の幸せと、CSRと、企業の利益との win-win 関係が生まれると信じます。

「CSRを標榜する企業には、深夜営業は似合いません」。。。とは、必ずしも言い切れないのではないかしら?

リーダーシップもプロフェッショナルも、なにものも「ほんもの」は信念から。そう思います。
Posted by 西水美恵子 at 2006年12月09日 22:12
24時間営業も、年中無休もそれが本当に必要なのか?
利用する我々も、生活サイクルをを見直す必要がありそうですね。
客が来なければ、お店も営業しなくなるだろうし。

あと、勝手ながら「環境goo大賞」に推薦させて頂きました^^
http://eco.goo.ne.jp/business/event/taisyou/taisyou_2006/

これからも、中身の濃い情報発信を楽しみにしています。
Posted by 拓也 at 2006年12月11日 23:33
私は、以前流通業界に身を置いていましたので(現場ではありませんけれど)業界のお休みの常識感覚は世間とかなりずれているのは良く分ります。
「お客様は神様です!」
それが当たり前と言うか「お客様が休んでいるときに楽しんでもらうように仕事をして利益を出して、社会を支える。それが商売の王道であり、尊い我々の使命だぁ!」という経営者のサービス精神(?)、プライド(?)常識(?)
そして業界全体の労働者バランスから言うとパート労働者が非常に多くて賃金水準も決して高いわけではないので。
休日出勤等は割増賃金もあって有り難いという方も多くいます・・・。
実態をうがった見方をすると、おかしな労働コスト構造なんですが、難しい現実ですね。
中小企業も業界には多いので、まだまだ高そうな常識の壁ですが・・・
何にせよ丸井の試みは本当に画期的ですね。
さて、どのような結果が出ますか・・・期待大デス☆

それと関連するお話で・・・
情報システムを駆使して休むことなく、マーケティングを徹底的にやっちゃって(^^;客の潜在的なニーズである「ウォンツ」を掘り起こし流行の飽きを早め、商品のライフサイクルを短くしてしまったり・・・。
楽しい業界なんですが・・・付随する現場対応が大変にめまぐるしくて、製造・物流業界も巻き込んで労働環境を悪化させているだけでなく、環境負荷を高めていたような(><)
今振り返ると、自分達大人だけの生活だったらきっとあまり疑問を持たなかった事のように思いますが・・・親が関係者である子供達には傍迷惑な常識的慣行であるように思えますので、現場オペレーションに関しては完全に現場任せでは無く経営者も含めて対応を真剣に工夫しなければ駄目だよ〜ん(−−;と実感します。

そうそう(^▽^)
サステナ・ラボも最低週休●日制にするのはいかがでしょうか?
ブログファンと致しましては、ぜひぜひ健康第一で・・・持続可能なブログ環境を整えていただきたいです♪
※勢いで長文になってしまいスミマセン。
Posted by あいか at 2006年12月12日 12:12
>みっちさん
お久しぶりです。
そうですね、ここまで早くなくてもいいんだけれど。そう思うことよくあります。今朝頼んだ品物が、夕方には配達されるなんて、キョウクルになっているところもありますし(^^;)
多少時間がかかってもいいですよという選択ができるというのはいいアイディアですね。

>西水さん

 コメントありがとうございます。
 そうですね、たしかに調和は個人のプライオリティ、価値観の問題ですし、その調和をきちんと追求することは大切だと思います。

 ちょっと説明不足でしたが、僕が問題にしているのは、その調和を追求することを、会社の方針や、社会のあり方が出来なくしているのではないかということです。自由な決定権が与えられていて、その中で本人があえて厳しい挑戦をするのは問題ないのですが、自分自身の意志に反して不調和に陥っているとすれば、それは避けたい。そして、えてして24時間営業や、サービス強化が、そのような状況を作っているのではないかと懸念するのです。「CSRを標榜する企業には、深夜営業は似合いません」という表現はちょっと短絡的でしたが、真意をお汲みいただければと思います。(あとは深夜営業が、周囲の地域に与えるネガティブな影響もありますし...)
 
 労働者と経営者が一緒になって、本気で調和を求めている会社があるとは素晴らしいですね。ぜひ詳しいことを調べてみたいと思いますが、もしよろしければその会社やお店の名前を教えていただけませんでしょうか? ここでは差し支えあるようであれば、メールでも結構です。

 明確なビジョンとしっかりした価値観があり、それが全社で共有されているのは素晴らしいことだと思います。全社的な信頼関係の中で自主的に高いゴールを設定し、それに向けて邁進する。そんな関係をぜひ学びたいと思います。

>拓也さん

こんにちは、コメントありがとうございます。
お客さんはわがままですからね。たしかに24時間で年中無休の方が便利です。でも、それが結局まわりまわって自分の生活にも、自分の社会にも悪い影響を与えていないだろうか。だとしたら、便利さを断る勇気だと思います。

いつも思うのですが、自分の享受している便利さ、快適さが、誰か他の人の苦しさ、辛さによって支えられているのだとしたら、誰しもそこまでしてその便利さや快適さは求めないのではないでしょうか?

私たち自身の生活を考え直すことも大切ですね。

それから「環境goo大賞」に推薦していただいたとのこと。ありがとうございます! そんな風に評価してくださることが、お一人でもいらっしゃったことを嬉しく思います。

>あいかさん

こんにちは。気合いの入った(笑)コメント、ありがとうございます。

「休日出勤等は割増賃金もあって有り難いという方も多くいます」そうなんですよ。まさにこれが問題というか、罠というか... 実は労働慣行に関わる議論では、このことがよく問題になります。でもね、もし9時5時で働く基本給だけで十分に生活することができたら、割増賃金をもらうより私生活を楽しみたいと思う方の方が多いのではないでしょうか?

子どもの視点も重要ですね。親はよくても、子どもにとってはた迷惑だとしたら、やはり大人は猛省すべきででしょうね。

サステナラボの定休日の提案もありがとうございます(笑) 僕自身、どういうリズムで書くのが一番良さそうなのか、持続可能なのか、最近ちょっと考えているところです。
Posted by あだなお。 at 2006年12月14日 23:28
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