豪華な成人式なんて必要ないかもしれませんが、それでもようやく自分たちの番になったら「1万円しか残っていません」ではあんまりですよね。でも今年夕張市で新成人代表を務めた土屋美樹さんは、そのことを嘆くのではなく、自分たちの手で成功させるんだと決意したところが違いました。このままでは、自分たちの成人式が出来ないだけでなく、来年も、再来年も同じことだからです。
アルバイト先のコンビニに募金箱を置いたり、住民からのカンパで集まったお金は60万円を超えたそうです。さらにこの取り組みが新聞などで紹介されると、全国から約237万円のカンパが寄せられたそうです。
それでも会場も例年のホテルから市民会館に変更し、支出は例年の半分以下に切り詰め、残金は来年度以降に繰り越したそうです。そして1月7日、新成人91名が出席し、全国からの励ましの手紙や祝電に囲まれ、新成人の「手作りふれあい交流会」が開催されたそうです。
自治は、自ら治めると書きます。自分たちで、自分たちのことを処置することです。私たちはあまりに多くの事柄を地方「自治」に丸投げにしています。その結果、自分たちの意志とは異なったことが行われたり、自分たちが納めた税金が不本意な使われ方、無駄な使われ方をしたりしています。しかし、原点に立ち返って考えれば、自分たちのことは自分たちですればいいんです。
自分の経験をふり返ってみれば、行政がしてくれた成人式なんて、ほとんど記憶に残っていません。会場がどこだったかは辛うじて覚えていますが(いや、これとて理論的推察の結果かもしれません)、区長さんが話した内容は勿論、他にどんなゲストが来たすら覚えていません。きっとかなりの税金と投じて「祝って」くれたのでしょうが、そんな程度です。
でも、夕張市の新成人は、自分たちの成人式のことは一生忘れないのではないでしょうか。それは単に自分たちの手で作った成人式ではなく、自分たちが社会に働きかけた最初の行動だったかもしれません。それこそまさに、社会人になったということではないでしょうか。
今週は、このニュースを聞いて、ちょっと清々しい気持ちでスタートしました。お金がないことが、福となすこともあるのですね。
《参考リンク》
■夕張市:「成人式どうにかして!!」新成人の訴えに共感(毎日新聞、1月4日)
■夕張市:成人祭に新成人91人出席 全国から励まし(毎日新聞、1月7日)
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サステナ・ラボに新年初コメントです。今年もお世話になりますm(_ _)m
本当に嬉しくなる、さわやかなニュースでしたね☆
こんな素敵な若者達が居るなら・・・
夕張市のこれからも捨てたものじゃないと思いました♪
そして何事も、行き詰まったときには原点に帰ることの大切さを痛感しました。
最近日常的に、年配の方たちとお話をする機会に恵まれていまして(^^;大変に勉強になります。
ご近所の年配の方の多くは、お役所は「当然サービスをやってくれるもの」という盲目的な信仰(?)があり、システムにおけるプロセスを考える余裕はありません。
例えば、出張所の統廃合等・行政サービス変更があるだけでひどく心配される方が多い・・・
皆さん核家族で当てにできる身内がそばにいらっしゃらないので、ある程度の依存心があるのは当然のことなのだと思います。
どうしたらその無用な不安感を取り除いてあげられるのかなぁと思っていたところでのニュースでしたので・・・
こういった形で元気で頑張れる我々が「自分たちのことを自分たちでやれるんだよ!」というふうに示して共感を得られれば、自治に対する地域の自信も信頼感も取り戻せるのではないかと思いました。
それからサステナ・ラボでご紹介いただいた「未来をスケッチVision2020」も読みました(^▽^)ありがとうございました☆
これも新年早々、読んで気持ちがとても朗らかにあったか〜くなりました♪
是非、共感に基づく社会・経済システムを皆で協力して構築してゆきたいですね!
今年もどうぞよろしくお願いします!
日本の行政システムはこれまで非常に強力に作り込まれてきましたよね。「すべてお役所に任せておけばいい」という依存心を発達(!)させる点では、大成功だったと思います。ただ、それは永遠に続けられる仕組みではありませんし、ましてや今後はさらに難しくなるでしょうからね。
おっしゃるように、実例を示して共感を得るというのが、一番確実に信頼を得る方法だと思います。企業も、行政も、NGOも、そして個人も。どんどん実行して、実例を示す年にしたいですね。
「未来をスケッチVision2020」もお読みいただき、ありがとうございました。あいか。。さんご自身の2020のコミットメントもお書きになりましたか?
夕張市の記事をありがとうございます。
この成人式の寄付金は今回に10万円程を使い、
残りは後生の成人の為に使われるとのコト。
市の予算は1万円しかなかったそうなので、嬉しいですね。
「価値あるお金の使い方」をこの寄付に学びました。
夕張出身者が集う友人の店でも、愛煙者の方に
一役買っていただこうという企画を始めました。
夕張でタバコを買いませんか?というものです。
http://plaza.rakuten.co.jp/yuhbari/diary/?ctgy=1
こちらこそ、今年もどうぞよろしくお願いします。
そうなんです、残りは後輩にというのもいですよね。自分たちの成人式だけ豪華にしようなどとは思わず、次の世代(ちょっとオーバー?(^^;))に残そうというところは持続可能な姿勢ですね(^_^)。
夕張でタバコを買いませんか?の記事も拝見しました。ときどきこうしたポスターが貼ってあることがありますが、200円の代金のうち170円が税金とは知りませんでした。しかし、市町村に落ちるのは66円だけですか? その割合はちょっと少ない気もしますね。
タバコを推奨するつもりはありませんが、どうせ買うなら地元でというのは理解できました。
これからもいろいろなことを教えてください。
2020のコミットメント(アクションプラン)遅くなりましたが、書いてみました☆
詳しくはまだナイショで〜す(≧▽≦)
楽しい野望(?)を実現するためにも今年一年を大きく前進する年にして行きたいと考えています(^▽^)
ヒミツですか...
でも、公言した方が、実行せざるを得なくなるかもしれませんよ(笑) 気が向いたらいつでもご公表くださいね。