僕たちが「恵まれたものが持つ義務」を持っていることはしかと受け止めるべきですが、だからと言ってあまり肩肘を張る必要もないのです。もっと軽やかに、出来ることを淡々としていくだけでも、その義務の一部は果たせそうです。それは、私たちを取り巻く環境が急速に変化しているからです。
田坂さんは、「これからの資本主義はどこに向かっているのか」ということに関して、こう述べています。
世界中のメディアがWEB2.0革命を論じている中、一番大事な変化はなんでしょうか。ボランタリー経済、あえて日本語で言うと善意の経済が広がってきていることが、私は一番大事だと思います。今、WEBの世界では、誰もが自分の持つ知識を惜しみなく提供しています。アマゾンの書評、OKWAVE、ウィキペディア、古くはリナックスもそうでしょう。ずっと我々の社会に目に見えぬ大陸のように、存在していたボランタリー経済が、WEB2.0革命で、WEB上にいくつも見出せるようになった。そういう時代にいるということをみなさんにははっきり理解して頂きたい。出典:「なぜ我々は世界を変えたいと願うのか」
これは素晴らしい変化です。そしてこの変化は、確実に私たちの目に見える形で広がっています。例えば僕はこうして毎日、考えていること、言いたいことをブログに書き連ねていますが、それを毎日400人前後の方が読んでくださっています。これって、しばらく前まではとても考えられなかったことです。だから、個人的には書くだけでも、聞いてもらえるだけでも十分楽しいのです。だからこそ、皆さん無償で惜しみなく自分の知識を、経験を提供するのでしょう。
しかしさらに嬉しいことには、それに反応してくださる方がいるということです。あるいは、それがコメントという形でこちらには伝わらなくても、読んでくださった方の中で新しい思いを作り出したり、他の方に伝えてもらったり... そんな連鎖がきっと広がっているんじゃないでしょうか。そう思うと、それだけでワクワクしてきます。
つまり、フツーの個人の、フツーの思いが、共感を呼べばどんどん広がって行く世の中になりつつあるのです。財力や発言力をもった一部の人たちの力だけで世の中が動いていくのではなく、僕たち一人ひとりの思いが社会を動かしていく素地ができてきたのです。そうした仕組みができれば、逆にフツーの感覚の方が、より多くの賛同を得られるかもしれないのです。
そういう環境が整って来たということもまた、私たちが恵まれている点と言えるでしょう。この恵まれた状況をどんどん使っていきましょう。だから、僕は自分が気が付いたこと、考えたことはできる限りオープンに提供していきたいと思います。そのために、これまで以上にブログやメルマガといった自由に使えるメディアを活かしたいと思います。その中で、皆さんからのフィードバックがいただければ最高です。
実際、今までもブログを書くことで僕自身が学んだこともあれば、出会った方もいます。ブログを書かなければ、起こらなかったことです。ですから、僕自身は別に何かリターンを求めてブログを書いたり、ネット上で発言をしたりしているわけではありませんが、それでも今までの経験からすれば、自分から出せば出すほど、戻ってきます。あえて言うならば、持続可能な社会が一日でも早く構築できれば、それは僕にとっての最大のリターンです。
思ったこと、考えたことを表現するだけで、世の中に影響を与えることができる、そんな素晴らしい状況がかなりできてきたのです。これを使わない手はありません。ここで発言することは、義務というよりは、チャンスです。
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■「こちら側からあちら側へ」
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんからのフィードバックをお待ちしています。
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今から10年ほど前に、初めて家に来たパソコン。あの頃は若者が無断で曲を配信して、著作権の事で問題になりましたが、良いものを知らせたいと思い、それらを受け止め、共鳴していく様が感じられ、素晴らしい世の中が来たもんだと感じ入っていました。
それからです、色んな分野で、出し惜しみを開放し始めました。
それと同時に悪い事も色々出てきますが、善意の経済が広がっている事も考え合わせれば、世の中は良い方向へ向かっているのだと思います。
なるほど、そういう問題もありますよね。
インターネットの前に、パソコン通信というのがありましたが、その頃、僕はpublic domainという言葉を知って痺れましたね。さらにその後、copyrightではなく、copyleftなんて概念も出てきましたし...
ただこれまでのように権利とかルールでしばられることがなくなった分、より自分たちの良識に任されていること、それが自分たち自身の存在基盤であることは忘れないようにしたいですね。