2007年04月19日

「魚が消えた海」

 世界中の海で魚が減っているのを、ご存じでしょうか。サスラボでも以前、「魚が食べられなくなる日」というエントリーで詳しくご紹介しましたが、世界中で魚の消費量が増え、その結果資源が枯渇しかけているのです。

 一つは欧米の魚ブーム。狂牛病などの心配がある肉に比べて安全で、なおかつヘルシーということで、魚の消費が増えています。

 そして、中国。海鮮料理はとても高級なのですが、経済発展のおかげで、高級なものほど人気が上昇しています。だから、魚の消費は「ウナギ」登りです。

 世界中で過剰漁獲が続き、資源量はどんどん減っています。逆に値段はつり上がり、日本が国際市場で買えない、「買い負けする」という状態まで起きています。

 世界有数の魚の消費国である日本にとって由々しき事態であることはもちろんですが、実はもっと困っている人たちがいます。世界には魚を唯一のタンパク源としている貧しい人々が、10億人もいるのだそうです。世界人口の1/6は、肉は口にすることができず、魚に頼っているのです。

 世界の海で魚を獲り、高値で買っていくのは、もちろんお金のある国々と、お金のある人々です。こうした場合の漁法は、しばしば非常に無駄があります。「底引き網漁を見たことがありますか?」でも書いたように、海底の生き物を、食べない魚や生物まで、根こそぎかっさらっていくような荒っぽい漁法もあります。

 せっかく獲った魚の、ごく一部しか市場に出さない、食べない、という場合も多々あります。

 一方、貧しい人たちはもともと魚しか食べられなかったり、肉が食べられなくなったり、魚に頼る割合が増えるのですが... もはや彼らの食べる分は残されていないのです。

 この現状を、二人の写真家が世界中の海で撮りました。そして、世界の海で何が起きているかを、写真家自身が語るスライドショーが公開されています。

 ナショナル・ジオグラフィクス4月号の特集「地球の悲鳴 魚が消えた海」の中の「荒らされた海」がそれです。

 枯渇が迫る資源、アフリカのタンパク源、見つからぬ有効な対策、バランスを取り戻す、サンゴ礁の魚たち、海に優しい養殖とは、予想される大きな影響という7つのクリップからなるスライドショーをぜひご覧ください。

悪夢をくつがえす力」で紹介した映画「ダーウィンの悪夢」と同じようなシーンも出てきます。欧州にナイルパーチの切り身を輸出し、残されたアラしか食べられない現地の人々。やはりこのエピソードは本当だったのですね。

 特集記事「地球の悲鳴 魚が消えた海」と「ニュージーランド 復活した豊かな海」も読み応えがあります。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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posted by あだなお。 at 23:59| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(1) | 食べ物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今日(20日)、「ガラパゴス 生態危機」と言うショッキングな報道がありました。国際自然保護連合(IUCN)とユネスコの調査団がまとめたもので、「過剰な観光客が持ち込んだとみられる、犬やネコ、ネズミ、ヤギなどの外来動物や、外来植物などが各地で多数繁殖、固有の貴重な生態系に影響を与えていることが確認された」そうです。
「ニュージーランド 復活した豊かな海」で警告されていたことが、証明されたような報道でした。

ナイルバーチは、日本では学校給食の白身のフライとして主に消費されているそうです。知らない間に子どもたちが食べさせられていたなんて・・・

え〜、富山(氷見)は、以前紹介されていたように、定置網漁法の発祥の地で、400年の歴史があります。底引き網漁法が「攻め」の漁法とすれば、定置網漁法は「守り(待ち)」の漁法です。海外への技術提携も活発で、「世界定置網サミットin氷見」が開催されたりしています。
しかしながら、ここ2〜3年、日本の大手企業が対馬沖などで、底引き網漁法を繰返すため、漁獲量は年々減少しています。地元でも「氷見の寒ブリ」は高くなっています(^_^;)。海外のことだけではなく、日本の漁業従事者も苦しんでいます。高齢化、過疎化がそれに輪をかけているようです。

明るい話題もあります。エコ・ツーリズム、グリーン・ツーリズムは知っていても、ブルー・ツーリズムをご存知の方は以外に少ないかもしれませんね。漁村に滞在して、漁業体験をしたり、地元の人々と交流を楽しみます。漁村の魅力や現状が学べると好評のようです。

あと、養老孟司さんが代表をされている『オーライ!ニッポン』「都市と農山漁村のオーライ(往来)の活発化により、日本が健全(all right)になるなることを表現」(養老さんらしいネーミングです(^_^;)。国民運動として推進されています。
「学びたい、知りたい、体験したい」こんなツーリズムを応援したいと思います。
■ 漁村へGO!
  http://www.gyoson-go.com/
 「漁村の魅力・ニーズ」で分かり易く日本の現状がグラフなどで表されています。

■ オーライ!ニッポン みんなで楽しもう! 新しいライフスタイル
  http://www.kyosei-tairyu.jp/
それでは、また(^.^)/~~~。
Posted by 空っぽの皿 at 2007年04月20日 20:56
空っぽの皿さん

富山の情報をご提供いただき、ありがとうございました。これをコメントにしておくのはもったいないですね。ご自分のブログができるのではないですか?


ブルー・ツーリズムというのは僕も知りませんでしたが、獲るだけの漁業から、いろいろな形の漁業に広がっていることは歓迎すべきことですね。

それになんと言っても食料を生産する職や場所は貴重です。みんなの関心がもっと向くといいですね。
Posted by あだなお。 at 2007年04月22日 01:04
ついつい、あだなおさんのご厚意に甘えてしまっていました。
申し訳ございませんでした。
来月から、いま通っているパソコン教室で「ブログの作り方」が始まります。
いつのことになるのやら分かりませんが、ブログを立ち上げしだいまたコメントさせてください。そんな訳で、しばらくコメントは控えます。どうもありがとうございました。クリックは毎日いたします(^_^;)。
パタゴニアHPでは、「オーシャン・アズ・ウィルダネス」(私たちは陸で犯した過ちを今度は海で繰返そうとしているのだ)というキャンペーンを行っています。
底引き網漁法のビデオもあり、こちらもなかなか迫力、説得力のあるものに成っていましたよ。
それでは、またいつの日かに。
Posted by 空っぽの皿 at 2007年04月22日 10:18
空っぽの皿さん

そんなつもりで言ったわけではないのですが... ご自分のブログを持たれることは是非にとお勧めしますが、サステナ・ラボにも鋭いコメントをお願いしますね。
Posted by あだなお。 at 2007年04月23日 00:19
ごめんない。私の早とちりでした(^_^;)。
正直言って、パソコンやネットがなくても何の不自由もない生活をしてきました。
「今、世界のほぼ10人に1人(6億人)がインターネットを利用している。」
(Phones from ITU 2003年)ということは、圧倒的に閉ざされたメディアなわけですよね。
「足るを知る」じゃないけど、全然必要としなかった私が何故かのめり込んでいる。
不思議なもんです(^_^;)。
老子の言葉に「心を空にする人は、定まった意見なんか持たない。」があります(^_^;)。これからもよろしくお願いします。ブログ頑張ります。
Posted by 空っぽの皿 at 2007年04月23日 12:38
空っぽの皿さん

数年前まではインターネットのユーザは数億人でしたが、今はもう数十億人になっているのではないでしょうか。ちゃんと覚えていませんが、とにかくものすごい勢いで広がっていますよ。

もちろんまだ簡単にアクセスできない人の方が多いのですが、それでも、世界中の人が同じ情報にアクセスし得るというのは、これまでの歴史であり得なかったことです。これがどんな変化を生むのか、楽しみでもあり、恐ろしくもあります。

100ドルパソコンが出れば、さらにすごい効果になるでしょうね。
Posted by あだなお。 at 2007年04月24日 00:43
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本当はありがたい魚。
Excerpt: UCSBの同級生だったアルゼンチン男子に、ある時「日本はアルゼンチンの海で平気で密漁してるんだよ」と言われたことがあります。ぐさっときた忘れられない一言。 南米にまで密漁に出かけている日本漁船。..
Weblog: Paint It Green × カリフォルニアGreen便り
Tracked: 2007-04-25 14:02
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