僕は、基本的にはなるべく小さな政府がいいと考えています。パーキンソンの法則を持ち出すまでもなく、組織が大きくなればなるほど無駄も大きくなることが第一。もう一つは、やはり事業は民間の方が得意だし、効率良くやってくれるからです。
これに対して必ず、「いや、民間は金儲けに走る」とか、「それでは全国一律のユニバーサル・サービスが保てない」という反論が出てきます。今回のコムスンの事件を見ていると、やはりそういうことが起きるのだなとも思います。
ですから、特に医療や、セーフティーネットに関わるサービスについては、やはり行政がやった方がいいのかなと思っていました。
しかし、今回の社会保険庁の一件を見ていて、眼が覚めました。やっぱりダメです。行政には事業を遂行する能力はありません。事業はすべて民間に移行させましょう。社保庁も解体です。
「宙に浮いた年金記録5000万件」の問題で、データの突き合わせに時間がかかるとみられている社会保険庁の情報処理システムに、67年度以来、公費や保険料が約1兆4000億円投じられていたことが参議院厚生労働委員会の審議で14日、明らかになった。05年度には1100億円超が投入されていた。また、このシステムの運用管理を委託する4社に、社保庁の歴代幹部ら15人が役員や部長として再就職していたことも分かった。出典:「社保庁システム、総額1兆4千億円 委託先に幹部天下り」(asahi.com、2007年6月14日)
「年金資金はどんどん使え」「(職業や住所を変えた人の年金記録を統合する)通算なんてできるわけないが、見切り発車した」−。年金問題でパンドラの箱を開けたかのごとく、次々とデタラメが明るみに出ている社会保険庁だが、昭和中期に年金制度を設計した責任者たちがこんな無責任発言を繰り返す対談集が発掘された。自民党厚労族議員の重鎮すら「あれは悪名高い本なんだよ」とタメ息をつく、噴飯モノの中身とは−。出典:「腐れ社保庁OBの大放言…無責任対談本の中身とは」(ZAKZAK、2007年6月18日)
「膨大な(年金)資金をどうするか。何十兆円もあるから、一流の銀行だってかなわない。これで財団とかを作って、その理事長というのは、日銀の総裁ぐらいの力がある。そうすると、厚生省の連中がOBになったときの勤め口に困らない」
「年金を支払うのは先のことだから、今のうち、どんどん使ってしまってもかまわない。先行き困るのではないかという声もあったけど、そんなことは問題ではない」
信じられますか? こんな無責任なことを言って、しかもそれをご丁寧に活字に残すような無神経な人たちがいたのです!(さらに馬鹿にしているのは、そのためにまた税金を使っているのです!!) こんな人たちが管理(と言えるかどうか疑問ですが)していたのでは、とても持続可能な運営は無理でしょう。ジャブジャブと、お金をドブに捨てているようなものです。
以上の記事はいずれも知人のYさんに教えていただいたのですが、さらに傑作なのはコレ(↓)です。Yさん曰く、「国ならいいのか?」です。
大分市の無職女性(76)が自称年金担当者から、過払いの年金を返すという名目でATM(現金自動預払機)の操作を指示され、200万円をだまし取られていたことが19日までに明らかになった。大分中央署は詐欺事件とみて捜査している。出典:「自称年金担当者に200万円だまし取られる…大分」(ZAKZAK、2007年6月19日)
もちろん被害にあわれた方にはお気の毒なのですが、こんなことをすれば普通は詐偽になるわけです、当たり前ですが。しかし、社保庁がやっていることも、結果的には大して変わりませんよね。むしろ、ホンモノの「年金担当者」がその信用を利用したのですから、より悪質と言えるかもしれません。
僕なんかの世代ですと、そもそも年金は払ったほどには戻ってこないそうなのですが、それでも今までは、世代間扶助だと思って毎月支払っていましたが... 正直言って、早くこんな制度とはおさらばしたい気持ちです。
というわけで、今回の一件で、つくづくハッキリしました。行政に事業を任せてはいけないのです。そんな能力は持っていないんですから。行政は制度だけ作っていればいいのです。民営化することで明らかに問題が生じる部分には、それをカバーする仕組みを考え、民間がそれを実施すればいいのです。
政府は小さく、自分たちのことは自分たちでする。そのことの重要性を明確に示してくれたという点でのみ、今回の件は役に立ちました。そのための授業料としては、ちょっと高すぎましたが...
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
皆さんのご意見をお待ちしています!
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スミマセン、あまりにもアタマにきたので、
コメントさせていただきました。
公務員は、自分たちでお金を稼がないから、
お金の大切さが、わからないのかな?
感覚がマヒしているんでしょうか。
給与明細をながめると、
今月もバッチリ引かれています。
「厚生年金保険」。
見ていて腹が立ってきました!(`Д´)
あだなおさん、貴重な情報、
ありがとうございました。
(勝手に引かれる、厚生年金。かなしいです。。。)
だいたいソースがzakzakという時点で疑ってかかるべきだ。漏れも調べちゃいないけど、下記のような異見もある。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~sr-rokko/page053.html
http://www5e.biglobe.ne.jp/~sr-rokko/page053.html
せっかくコメントをいただいたのに、長らくお返事できずにゴメンナサイ!
最初読んだときには、僕が「フザけるな〜!」と怒られているのかと思いました(^^;)
僕も、研究者というやや特殊な業種ながら「公務員」であったことがあるのですが、たしかに予算は使うもので、お金を稼ぐという意識はありませんでしたね。それももちろん大問題ですが、年金について言えば、さらに仕事に対してのあまりの無責任さが腹が立ちますよね。
きっと皆さんの怒りが、選挙の結果にも反映されるのではないでしょうか。
>katsuさん
コメントありがとうございました。
先輩、同輩、後輩と官僚はたくさんいますが...
もちろん失敗例もあると思います。しかしその失敗が、民営化したことにそもそも問題があったのか、それとも民営化のやり方に問題があったのかは、峻別しなければいけないでしょう。
できればもう少し具体的に書いていただけると、過去の失敗を分析して、そこから学ぶという建設的なアプローチが取れると思います。
>エースケ
もちろん僕は自由主義者ってわけじゃないんですけどね、むしろセーフティーネットなどはかなり大きくした方がいいと思っている方です。でも、こと事業について言えば、やはり役人は向いてないでしょう。効率悪過ぎです。
zakzakの件ははねぇ、たしかに詰め甘いところ、偏ったところもあると思うのだけれど、商業メディアは肝心のことを書いてくれませんからね。
いずれにしろ、今後はもうちょっと裏を取ることにしますね。