しかしそうした進化の歴史もさることながら、多くの参加者の方が「おもしろかった」とおっしゃってくださったのは、進化の結果、私たちの周りに存在する生物たちの生き方でした。早朝のわずか1時間ほどでしたが、そうした生き物たちの生活を垣間見て歩く経験が、とても強烈だったようです。
もちろんただ自然の中を歩いただけではそうは思えなかったでしょう。ところが生き物たちの世界を私たちに「通訳」してくれる素晴らしいインタプリターの方と一緒に歩くと、ふだん何げなく見ているときには「きれいな花だな」で終わってしまう野の花たちも、その色、形、花をつける位置にまで、さまざまな意味があることが実感できるのです。
植物が自分の花粉を運んでくれる虫や鳥にだけ都合がいいように花の形を進化させるとその裏をかく虫が現れたり、植物が葉を食べられないように毒を作るようになると今度はそれを解毒する虫が現れたり... 生き物たちの相互作用は私たちの想像力をはるかに超越しています。
そうした視点から身の回りの自然を見直してみると、あらゆるところに驚きが満ちているのです。例えば今ごろ日本中の道端で比較的小さな五弁の黄色い花と緑色のとげとげの実をつけているキツネノボタンという草があるのですが、この真ん丸の実はよく見ると、小さな小さな実がたくさん集まってできたものであり、その先端に一つずつ刺が付いていることがわかります。そしてさらにその刺をよく見てみると、鉤のように曲がっています。なぜこんな形をしているのか、わかりますか?
《参考リンク》
■キツネノボタン(岡山理科大学波田研究室)
キツネノボタンは道端に生え、その鉤の付いた実を動物に付着させることで、実を動物に運んでもらい、住む場所を拡大しているのです。もちろんキツネノボタンは頭で考えて意図的にそうしているわけではないのですが、長い進化の過程でこのようにきわめて合目的なやり方に到達したのです。すごいですよね。ちなみにマジックテープは、こうした植物の形にヒントに発明されたそうです。
今回は部屋の中でも哲学的に深いレベルの議論ができて有意義だったのですが、むしろ自然観察をメインにしたビジネス研修もおもしろそうです。生き物たちを見ながら歩いていると、今度はそんなものを企画しようかなという気持ちがムクムクとおきてきました。これも自然からのインスピレーションかもしれません。
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