■シッコ(Sicko)公式サイト
宣伝などには「医療関係者必見」などとありますが、そうではありません。すべての人が必見の映画です。私たちが安心して生活することに欠かせない医療制度の問題を扱い、それがアメリカでいかにヒドイことになっているかを教えてくれるのですから。
その状況は、まさにビョーキ(sicko)というしかありません。医療保険に入っていない人が必要な医療処置を受けられず、命を落としたり、不必要な苦しみを強いられているのはもちろん、医療保険に入っている人すら、いざというときに保険会社が「不適用」と宣告されたり、さらには医療費を払えない低所得者は、病院が路上に「捨てる」のです。一体なんのための医療制度なのでしょうか。
日本は国民皆保険制度だから関係ないと思うかもしれません。でも、アメリカの保険会社や医療機関は次なる市場として日本を狙っていますし、日本の保険制度だって、医療費ゼロのイギリス、カナダ、フランスなどに比べれば、まだまだ負担が高いと言えるかもしれません。さらに質を比べるとどうなのか、ぜひ聞いてみたいものです。
医療保険は金儲けの道具では断じてなく、困った人をお互いに助けるための手段のはずです。それが医療保険も完全な「ビジネス」に成り下がってしまったところに、アメリカの悲劇があります。この映画を観ると、アメリカにだけは住みたくなくなります。いや、とても住めません。
今回の作品はマイケル・ムーアが企業や役所に突撃取材するのではなく、一般市民へのインタビューが多くなっています。ごく普通の市民が、しかも家族や自分の国のために尽くそうと営々とまじめに働いて来た人たちが、医療費を払えずに苦悩している様子は、見ていて本当に辛くなります。
そうした女性の一人が、「魔王の住む地上最悪の国」と教えられ、そう信じてきたキューバに、マイケル・ムーアに連れられて行きます。ところがそこで彼女が体験したことは... キューバの国民と同じように必要な医療をすべて無料で受け、薬もタダのような値段で提供されます。そのとき、一体彼女はどのように感じたのでしょうか。思わず涙する彼女の姿に、観ている方も胸がいっぱいになります。
一体なぜこんなことになってしまったのか。いつからアメリカはこんな国になってしまったのか。これは多くの登場人物が感じる疑問であると同時に、マイケル・ムーア自身の苦悩であり、この映画を作った理由でもあると思います。
多くのことを考えさせてくれる映画ですので、内容については改めて考えたいと思いますが、まずはこの素晴らしい作品の存在を皆さんにお伝えし、一人でも多くの方に観ていただきたくて、お知らせしました。間違いなく、必見です。
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