先週末はDVDで、マイケル・ムーアの「華氏911」を見直しました。映像を見ると、再びそのときの衝撃が甦ってきました。また、肉親や友人を失った方たち、そして自分たちの社会が崩れ落ちるかのような経験をした方々がどんなショックを受けたのか、見ているだけでも辛くなります。彼らは今、どうしているのでしょうか。
■「華氏 911 コレクターズ・エディション
この映画は、911とそれに続くイラク戦争について、その背景について推理をめぐらし、自分たちの利益しか考えないブッシュとその取り巻きを痛烈に批判したものです。ちろんムーアならではの脚色もあるでしょう。当時の小泉首相は「政治的に偏った映画だ」と切り捨てて、見ようともしなかったそうです。しかし、ブッシュ政権やその追従派にとっては都合が悪くても、映像はすべて事実ですし、ムーアの主張も十分合理的であると思えます。
911のその日はもちろん、その前も後も、ブッシュはあまりに無策でした。超大国アメリカに、いや世界に対して責任ある地位にありながら、公益のことなどまったく考えているようには思えません。ビンラディン家やサウジアラビア王族と協力な繋がりを維持しながら、考えているのは私利私欲だけ。これではどこかの将軍様のことなどとても言えたものではありません。
イラク戦争も現場の目線で見ると本当に悲惨です。家族や自分自身の健康、さらには命まで失ったイラクの人々の悲しみ、苦しみが耐え難いものであることはもちろんですが、「勝った」はずの米軍の兵士もまた、肉体的にも、精神的にも大きなダメージを受けているのがわかります。
そしてその若い命を失ったのも、これから向かう戦場に恐怖して泣くのも、あるいはどうしようもない自己嫌悪に陥りながらもイラクの民間人を殺すのも、アメリカのあまり裕福ではない、場合によっては貧困層に属する若者たちです。お金持ちや代議士の子どもたちなどは、間違っても前線には行きません。
こうした現状を執拗に追いかけたムーアは最後にこう喝破します。これはテロ組織や外国に対する戦いではない。自国民に対しての戦いだ。階級(クラス)を維持するために、富裕層が貧困層にしかけている戦いなのだ、と。
テロの恐怖よりも、もっと恐ろしい現実に慄然としました。でも、僕はこんな状態はもう長くは続かないと思います。なぜなら、もう世界はこれまでと違う社会に向かって動き始めたからです。ごく一部の人間が情報を独占して操作したり、力だけでコントロールすることはできなくなると思うからです。
これに関連したことを、今日発行のメルマガ「サステナブルCSRレター」(No.15)の巻頭言に「911後の世界」と題して書きました。ご興味のある方は、以下のリンクからお読みください。
■「サステナブルCSRレター 2007/09/11 (No.015)」
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今回あらためて見た「華氏911」では、「もう絶対あの戦場には戻りたくない。軍法会議にかけられ、投獄されても拒否する。」とカメラに向かって言った若い兵士が印象的でした。
インターネットなどを通じて、世界中と瞬時に情報をやりとりし、誰もが自由に発言できるようになった今、情報が独占できないのはもちろん、暴力ですら力を失いつつあるのです。その変化に気が付かない911以前の方々には、早く舞台から退場を願いましょう。
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