ところが実際は、すべての鳥が「鳥目」なわけではありません。そうですよね、例えばフクロウなんて夜行性です。では、昼行性の鳥は夜目が利かないのかといえば、それもそういうわけではありません。
実は本当に鳥目なのは、ニワトリなどごく一部の鳥だけです。逆に渡り鳥の多くは、あえて夜間に渡ります。昼間と違って、ワシやタカに狙われることが少ないからです。
しかし、夜空にはワシやタカとは別の障害があります。建物などの人口の光です。特に問題なのが灯台などの強い光で、渡り鳥は方向感覚を惑わされるだけでなく、灯台や高層ビルなどに突っ込んで命を落とすことも少なくないのです。
カナダのトロントには、渡り鳥がこうした被害に合わないように、街の照明を消したり、鳥に優しい建物を増やす活動をしている団体もあるぐらいです。
■FLAP(Fatal Light Awareness Program)公式ページ
それ以外にも、海上油田のプラットフォームなどにも、やはり渡り鳥が迷い込むことがあるそうです。好天のときはいいのですが、天気が悪いときにフラフラと迷い込み、そのまま再び渡りに旅立てなくなる鳥も少なくないそうです。
この問題に長年頭を痛めてきたオランダの石油会社NAMは、大手電気製品メーカーのフィリップスと共同して、鳥たちを迷い込ませないライトを開発し、プラットフォームの照明をこの新しいライトに切り替えることにより、迷い込む鳥の数を大幅に減らすことに成功したといいます。
フィリップス社のプレスリリースによれば、鳥は赤い光に惑わされることが多いのだそうです。ならばということで、赤い成分をなくして青い光にすれば鳥には迷惑は欠けずにすむのですが... 今度はそこで作業する人間の安全性を犠牲にしてしますのです。
そこでフィリップス社は新しいライトを研究しました。そしてついて、人間にとって安全な作業環境を犠牲にせずに、なおかつ鳥を惑わせることがない緑色のランプを開発したのです。
試してみると、これが大成功。迷い込む鳥の数は激減したそうです。もちろん安全な作業環境も維持されたままにです。
《参考リンク》
■"NAM and Philips help birds migrate safely across North Sea"(NAMとフィリップスが渡り鳥が安全に黒海を渡ることに一役買っています、PHILIPS)
フィリップス社の技術と、NAM社の渡り鳥を気にかける気持ちが見事に実を結んだわけです。こういうのって、企業に出来る生物多様性への配慮の一つの好事例と言えそうですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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