国土交通省は十三日、二〇〇八年度から十年間で、総事業費六十八兆円に上る道路整備の中期計画素案を発表した。政府、与党は道路事業費を上回る道路特定財源の余剰分について一般財源化する方針を決めているが、素案はほぼ全額を道路整備に使い切る内容で、余剰は生じないこととなる。出典:「10年ゼロ 道路特定財源 国交省が中期整備案『68兆円全額必要』」(東京新聞、2007年11月14日)
68兆円もの巨費を、この先さらに10年にわたって道路建設のために使うのだそうです! 日本はこの先、人口が減っていくのです。これまでに作った多くの社会インフラは、今後老朽化し、維持コストは増大します。2030年頃には既存のインフラの維持コストで、新規インフラの整備ができなくなるという予測すらあります。もちろんそれよりかなり前の段階で、維持コストが新設コストを上回るようになります。
家(=財政)の借金(=赤字)はどんどん拡大しているのに、将来高い維持費がかかるようになることがわかっている車(=道路)を、本当に必要かどうかも確かめずにもっと欲しい、欲しいと駄々をこねる子供のようです。
道路が必要というよりは「道路工事」という公共事業が必要なのではないかと思いますが、だとしたら道路なんか作るより、一般財源化してLRT(ライトレール、軽量軌道交通≒路面鉄道)などの公共交通を普及させたり、風力や太陽光など自然エネルギーの発電所でも作ればいいと思いませんか?
平成19年度の一般会計予算が83兆円ですから、10年にわたってとは言え、68兆円というのがいかに巨額かわかります。たとえ渋滞解消という名目があったにしても、今から68兆円も使って道路整備をするなんて、時代にまったく逆行しています。
公共事業も作りながら、持続可能な社会の構築にも確実に役立ちます。同じ予算を使うのであれば、効果的、「建設的」な使い方は他にいくらでもあります。ただ単に今までの延長しか考えず、まったく軌道修正しようとしないなんて、とてもまっとうな神経とは思えないのですが...
その場凌ぎではなく、最低でも10年先、できれば20年以上先をきちんと見通して政策を考えられる政治家は... 選挙のときにはそういう人に投票したいと思うのですが、将来ビジョンを掲げる政治家いないんですねぇ。どうします?
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