こうした番組をご覧になって、「危機感を新たにしました。何かしないといけないと強く感じました。」と言う方もいらっしゃれば、「でも、まだなんとなく信じられないような... 懐疑論者の説明ももっともな気が... 温暖化も力のあるグループの陰謀なのでは?」というような方もいらっしゃるようです。
たしかに環境問題全般に関して言えば、おかしな議論もありますし、あるいは「環境に優しい」を錦の御旗に、実はその逆に向かっているような「運動」もあったりします。それには十分に気をつけた方がいいでしょう。
でも、気候変動については、「二酸化炭素の増加で地球温暖化が起きているわけではない」、「そもそも温暖化など生じていない」なんて話に耳を貸すのは、もう止めませんか? そんなことを考えたり、あるいは反論したり、その時間すら勿体ないと思います。
未だ温室効果ガスの増加と気候変化の因果関係が完全に証明されたわけではありません。しかし、それはほぼ確かで間違いないことはIPCCの第四次報告書でも示されています。世界中の専門家が「ほぼ間違いないだろう」と言っていることに、「でも、もしかしたら...」なんて疑っていてはキリがありません。
いや、どうしてもまだ信じ難い。懐疑論者の言っていることがもっともに聞こえるという方には、次のWebサイトをオススメします。
■「地球温暖化問題懐疑論へのコメント」(東北大学、明日香壽川氏)
このエントリーを書いている段階では、Ver.2.31というのが最新版で、上記のサイトから50ページのPDFがダウンロードできます。この「コメント」は、明日香氏を始めとする日本の専門家が、懐疑論者の主要な論点26について、根拠を提示しながら具体的な反論をしたものです。大変な労作です。
この長大な「コメント」は、以下の一文で締めくくられています。
したがって、自己利益だけのために温暖化対策に反対する人々のために都合よく使われ、温暖化対策は必要不可欠という社会意識の醸成を阻むボディブローのように効いている懐疑論に対しては、(疲れるなと思いつつも)一つ一つ丁寧に反論していかねばと思う。
本当に頭が下がります。と同時に、専門家にこんなことに時間と労力を使わせたくありません。それよりも、気候変化を回避・緩和するための研究を安心して続けてもらえるようになって欲しいと思います。
なお、懐疑論者の中には、「温暖化は原子力発電を推進するための陰謀だ」との主張をなさる方もいます。温暖化防止を原発推進のエクスキューズにするのには僕も反対です。温暖化防止は再生可能エネルギーへの転換と、省エネで進めればいいからです。しかし、だからといって、「温暖化は原発推進派によって作られた妄想だ」は極論でしょう。それとこれとは切り離して論じなければいけません。
「温暖化防止のために原発推進」という変な論理がまかり通らないようにすることは簡単です。私たちの一番の目標は、地球を、私たちの社会を、どう持続可能にするかなのです。温暖化が持続可能性に対する脅威であるのと同様に、原発も持続可能ではありません。そのことを考えれば、原発は温暖化防止のためであっても、私たちが求めている解ではないことは簡単に分かるでしょう。
また、今日紹介した「コメント」に掲載されていたのですが、英語ですとこんなサイトもあるそうです。まだどうしても信じられない方はどうぞ(笑)
■"RealClimate"
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