これはもちろん海や川に面して水利に恵まれ、また平らな場所が広がっているということが利点となっているのです。しかし、これが近い将来、弱点になってしまうかもしれません。
なぜだかは、すぐに察しがつきますよね? そう、気候変動の影響です。
温暖化に伴う海水面の上昇は、高潮被害などをもたらす。また、台風やハリケーンは大型化するとされる。このため、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が昨年まとめた第4次報告書は、温暖化の被害を最も受けやすい地域の一つとして、人口の集中したアジアの海岸部やデルタ(三角州)地域を挙げた。出典:「温暖化:アジア大都市への影響…世銀など共同研究始める」(毎日新聞、2008年1月7日)
ところが「気候変動がアジアの大都市に与える影響の研究は遅れている」(JBIC 荒川博人・開発金融研究所長)ので、「地球温暖化がアジアの海岸部にある大都市に与える影響を予測するプロジェクトを、世界銀行、アジア開発銀行と日本の国際協力銀行(JBIC)が共同で始めた」のです。「海面の上昇に伴う水害の多発など2050年ごろに起きる物理的・経済的被害を描き出し、対策を検討する」のだそうです。
基本的には結構なことですし、アジアに対する貢献にもなると思いますが、堤防を作ったりインフラを建築するなどのハード面だけではなく、ソフト面の対策や、気候変動の進行を遅らせるような対策にも力を入れていただきたいと思います。
今回の対象は、これらに該当するフィリピン・マニラ▽インドネシア・ジャカルタ▽ベトナム・ホーチミン▽タイ・バンコク▽インド・コルカタなど2都市▽パキスタン・カラチ−−の計7地域。出典:同上
なるほど、アジアの大都市はどこも海辺、河口部だなとつくづく思います。今回の対象には含まれていないようですが、そういえばマレーシアには首都のクアラ・ルンプールを始め、クアラ(Kuala)と付く地名がたくさんあります。これは「河口」とか、「(川の)合流部」という意味です。
お正月にバンコクを訪れたとき、バンコク首都政府の方の案内でチャオプラヤー川沿いの下町を見て回りましたが、乾期なのにも関わらず、家のすぐ床下まで水面が迫っていたことも思いだします。
本当に一体どのぐらい水面が上がるのだろうと考えてしまいますが、どうもこれはまだまだ正確な予想が難しいようです。
どうも「南極が海面上昇の鍵を握る要因となっている」(英国南極調査所のDavid Vaughan教授)らしいのですが、最近の研究結果によると、その南極の氷床の融解速度は「過去10年で75%加速している」ことがわかったそうです。
アジア各国も、「途上国は削減義務がないから...」と悠長なことを言っている場合ではないのかもしれません。
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